第32話 事件の解決・2
「リエフ・フォン・ヴェンデッタ。ヴェンデッタ家からの追放処分に加え、金貨100枚の罰金の支払い、支払いが出来ない場合即座に鉱山送りとする。これが国が出した決断です」
ルドルフさんは淡々と、紙に書いてある文章を読んだ。
それを言われた元主は「そんな!? 親父、助けてくれよ!」と叫んだ。
「既に親子の関係は無くなっている。金輪際、私に関わるな。家に合ったお前の私物は、ギルドに渡している。ギルドを出る前にちゃんと持って行け」
「ッ!」
ルドルフさんの冷たい視線と、威圧で元主はソファーから転げ落ちた。
元主も可哀そうに見えて来たな、でも自業自得だし……でも、これってレイナ達はどうするんだろう?
「あのレイナ達はどうなるんですか?」
そう俺が聞くと、元主から視線を外したエドウィンさんが説明してくれた。
「レイナ達に関しては、本人たちの希望を聞いて出来るだけ叶うように配慮するつもりだよ」
「そうなんですか、それは良かったです。良かったな、レイナ」
そう声を掛けると、レイナはニヤッと笑い主の所に近づいて来た。
そして主の前で片膝を着いて、主と目線を合わせた。
「私をアイナ様の従魔にして頂けませんか?」
「えっ?」
「はっ?」
レイナの言葉に、主と俺は驚いた声を出した。
そしてレイナに続くように、主要メンバー達が次々と主の前に膝魔付いた。
「もし、可能でしたらそこの元主の従魔を全員従魔にして頂けないでしょうか」
「えっえっ? ど、どうしたら?」
主はレイナ達の希望を聞いて、アタフタとして俺に助けてと目線を送って来た。
「レイナ、何を言っているんだ!」
「あら、良いじゃない? 私達、それなりに強い魔物よ? それにね私達があそこに転がってる従魔使いの従魔になってた理由、ゴブタは知ってるのかしら?」
「はぁ? それは、あそこの元主に惹かれたとかじゃないのか?」
そう言うと、レイナと一緒に主に従魔にしてほしいと言った魔物達が声を揃えて「そんな訳無い」と言った。
その言葉に俺、主、そして転がっていた元主も「えっ?」と驚いた声を出した。
「私達があそこの従魔使いの従魔になった理由、それは貴方よゴブタ」
「そうだぞ、儂等があんな何の才能も無い奴の従魔になったのは、ゴブタが作る料理や体調管理を誰よりもしてくれるからだぞ? 儂等でさえ自分の体なのに知らない所があるのに、ゴブタは何でも知って居るだろ? そこに惹かれた者達がここに居るんじゃ」
レイナの言葉に続けて、吸血鬼のヴォルトがそう俺に教えてくれた。
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