第31話 事件の解決・1
ミノタウロスとの交戦から数日が経ち、俺達はウィルを加わった事でより多くの依頼をこなす事が出来るようになっていた。
そんな日々を過ごし、今日もいつもと同じようにギルドに来るとエレナさんから話があると言われて別室に連れていかれた。
そして、連れていかれた場所には俺の元の主とレイナ達、そしてルドルフさんとエドウィンさんが居た。
「ゴブタ君。何度も呼んでしまってすまないね」
エドウィンさんにそう言われて入出すると、元主から睨みつけられた。
それに気づいたルドルフさんが、元主の頭を叩き「ゴブタ君。ごめんね」と言った。
「まず、今回の件について最初から話させてもらうね」
エドウィンさんはそう言うと、エレナさんに話しように指示を出してこの場で今回の事件について最初から話し始めた。
その話を聞いた元主は「違う! その話は出鱈目だ!」と叫んだ。
「ほう。ギルドが調査した話が出鱈目というんだね。それじゃ、君が思う真実を言ってみると言い」
「ええ、まずそこのゴブリンですが。俺は外で逃がしたりしてません! 勝手に居なくなっていたんで」
エドウィンさんが話しても良いという言葉に、意気揚々と話し始めた元主。
しかし、話の途中でルドルフさんが顔面を殴り、元主は部屋の隅にまで飛ばされた。
「自分の罪を嘘だと言い、何の罪も無く被害者であるゴブタ君を陥れる話なぞ、聞く気にもなれん」
今現在は貴族として職務をしているルドルフさんだが、数年前までは上位冒険者として活動していた。
その凄まじい威圧に当てられた元主は、ビクビクと震えて涙を流していた。
「ルドルフ、落ちつくんだ。話し合いはまだ始まったばかりだ」
「っ、すみませんギルドマスター」
ルドルフさんはエドウィンさんに注意され、謝罪をしてソファーに座りなおした。
それから、今回の事件は全て元主であるリエフ・フォン・ヴェンデッタの責任として従魔使い並びに冒険者としての証を剥奪が決まった。
「なっ!? 従魔使いと冒険者の証の剥奪って、何でですが!? ただ従魔を逃がしただけで、そんな事って!」
「そんな事? 君は、従魔使いの掟を忘れたのか? どんな理由があろうと、使役している従魔を街の外で逃がすのは重罪なんだよ。それにこの罰は、冒険者ギルドとして君に与えるものなだけだ。これだけで済むと思ったのか?」
エドウィンさんのその言葉に、元主は「えっ?」と声を出した。
そして隣に居るルドルフさんが「国からの罰則について伝えます」と俺達に向かって言った。
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