表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/34

第25話 接触・3


「何でお前ここに居るんだ!? それにその姿は!?」


 姿が変わったウルフにそう俺は、混乱した頭でそう問いかけた。

 ウルフはミノタウロスが倒れた方向から目を離さず、俺の問いかけに答えた。


「姿が変わったのは、お前達と別れた後に進化したからだ。今の俺は、銀狼(シルバーウルフ)だ。そして、ここに居るのはお前達が逃げているのも見つけたから、あの時の借りを返そうと思っただけだ」


 ウルフの言葉に俺は、言葉が出なかった。

 そんな俺達のやり取りに、倒れていたミノタウロスは起き上がると「グルォォ!」と叫んだ。


「とまあ、カッコよく登場したは良いけど、俺でもあの赤牛を一人で倒すのは厳しい。小鬼、お前も手伝え」


「あ、ああ、分かった。主、そう言う訳です。少し離れていてください、死ぬとはもう言いませんから、今度こそお願いします」


「は、はい!」


 主はウルフから睨まれ、反論できないと判断して直ぐに後方に下がった。


「おい、小鬼。お前は、右から行け、俺は左から行く」


「分かった。それと、これから少し俺は攻撃的になるから、指示は的確に頼む」


「んっ? ああ、お前能力持ちか、分かった」


 俺の言葉にウルフは直ぐに感づき、そう言って走り出した。

 ウルフが行ったのを確認して、俺も走りながら【鬼狂化(バーサーク)】を発動した。

 この能力は、鬼種の魔物が稀に持っている能力で我を忘れ、身体能力が上がる能力だ。

 本来であればこの能力を使えば、自我を忘れただ暴れる魔物になる。

 しかし、持ち主が進化したり訓練で自我を忘れなくなる事も出来ると知り、俺は長い時間を掛けてこの能力を使えるようにした。


「ガァァ、覚悟しろッ!」


「グルォ!?」


 先程まで逃げていた相手が、凶暴化して襲い掛かって来た事にミノタウロスは驚いた。

 俺は両手で【魔物武器(モンスターウェポン)】の棍棒を持ち、ミノタウロスの左腕を叩きつけた。

 それによって多少の隙が生まれ、反対方向から攻撃を仕掛けたウルフの牙がミノタウロスの右腕に深く刺さった。


「グルォォォォ! コノ、ナニシヤガルッ!」


「ハッ、勢いが足りんな赤牛」


 先程まで叫ぶ事しかしなかったミノタウロスは、初めて言葉を発してウルフを木に叩きつけようとした。

 しかし、ウルフはすんでの所でミノタウロスの腕から牙を取り、ヒョイッと飛んで避けた。


「下級生物が俺の邪魔をしやがって! 殺してやるッ!」


 ミノタウロスはそう言いながら、【魔物武器(モンスターウェポン)】である背中に担いでいた戦斧を手に持った。

 そしてブンブンと振り回して、俺達に向かってミノタウロスは突っ込んできた。

 怒り状態のミノタウロスは、俺以上に自我を忘れているようだ。


「小鬼、俺の背に乗れ、一発の攻撃力は今のお前のが高い。いい所まで乗せて行ってやるよ」


「分かった」


 ウルフの言葉に俺は、直ぐに返事をしてウルフの背に乗った。

 ウルフは突っ込んできたミノタウロスを軽く回避し、後方に回ると後ろ脚で地面を蹴り上げてミノタウロスの真上に飛んだ。


「いけ、小鬼!」


 ウルフの掛け声に俺は反応して、ウルフの背中を飛びミノタウロスの頭部目掛けて両手で持った棍棒に力を込めて振り下ろした。


【作者からのお願い】

ブックマーク、広告の下にあります〝ポイント評価〟をして頂ければ、モチベーションに繋がります。


作品を読んで面白いと思われた方・続きが気になると思われた方は、是非とも評価・ブックマークをお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ