表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/34

第23話 接触・1


 主の秘密を聞いた翌日、俺と主はここ最近の成果を見て、少し上の報酬が良い依頼を受ける事にした。

 今回受けるのは、最近避けていた森の中での依頼。

 木に偽装する魔物、トレントの素材を持ってくるという依頼だ。

 この依頼を受ける際、以前の場所から距離が離れている等を確認して受けた。

 彼奴との戦闘は、絶対に避けたい。


「主は、まだ感知系のスキルが発現していないので、俺が指示を出しますね」


「うん、お願い」


 そう森に入る前に話し合いをして、俺が前に立ち主は後ろを歩く形で森の中を進んだ。

 トレントは何度か見た事があるので、特徴も知っている。

 なので割と簡単に、森に入って数分してトレントを見つける事が出来た。


「主、あの木はトレントです」


「えっ、本当に? ……あっ、本当だ。ゴブタ君、よく直ぐに分かったね」


「何度か目にした事があるので、特徴を分かってました。主、素材が燃えない様にお願いしますね」


 そう言って、俺は主にトレントだけを狙うように火の魔法を放ってもらった。

 トレントは、木の魔物なので火属性の攻撃にかなり弱い。

 火の攻撃を持っている冒険者なら、トレントは簡単に討伐する事は出来るだろう。


 それから少し、森の中をトレントを探しながら移動した。

 トレントは一体居れば、近くに何体も居るので気づかれない様に一体ずつ仕留めて行った。

 主の感覚的に、トレントは〝可愛い〟部類には入らないみたいで、攻撃に躊躇いが無くサクサクと倒して行った。

 そして数体倒したところで、俺はバッグから主用にと買っておいた〝魔力回復薬〟を取り出した。


「主、これをどうぞ」


「これって、魔力回復薬?」


「はい、今日は主が頼りですので薬を飲みながら倒しましょう。いざ、他の魔物が出た時に対処できませんから」


 そう言うと、主は「そうだね。ありがとう」と言って薬を飲んで魔力を回復させた。

 主の魔力が戻った後、また森の中を歩きトレント狩りを続行した。


「さて、この辺にしておきましょうか。主も流石に薬飲みながらでしたが、疲れましたよね?」


「うん、そうだね。流石に疲れたかな、トレントの素材も大分集まったし、今日は帰ろうか」


 そう俺と主が話し合っていると、森の奥から強いオーラを感じた。

 そのオーラは、以前感じたオーラと似ており、俺はそのオーラが放たれている方を凝視した。


「ゴブタ君……」


「静かに帰りましょう。まだ、気づかれていないと思うので……」


 主もそのオーラに気付き、小声で俺の名前を言い、俺はそんな主と共に足音を立てずにその場から離れる事にした。

 しかし、魔物には俺達の状況等考えない者も居る。

 その強いオーラを感じながらも、俺達に襲い掛かろうと数体のゴブリンが目の前に現れた。


「ッ、こんな時に」


 既に向こうは臨戦態勢、こんな状態で逃走は不可能だと考え、直ぐに倒して逃げようと考えた。

 俺は、利き手に棍棒を持ち、襲い掛かろうとしているゴブリン達に先に攻撃を仕掛けた。


「ゴッ」


「ガッ」


「ガフッ」


 3体を一気に倒した俺に、残りゴブリンは騒ぎ始めた。

 その音で後方のオーラが若干こちらを向いた気がするが、俺はそのオーラを考えない様にゴブリン達を倒して行った。

 そして1分も掛からず、ゴブリン達を倒し切った俺は主の手を取り、早く森から離れようとした。

 しかし、既にこちらの気配に気づいて居たオーラの持ち主は、森の奥から爆音を立てながらこちらへと接近して来た。


「主、来ますッ」


「ゴブタ君ッ!」


 俺は背中に主を隠し、オーラの持ち主と対面した。

 オーラの持ち主、そいつはこの変では見ないミノタウロスの亜種形態だった。

【作者からのお願い】

ブックマーク、広告の下にあります〝ポイント評価〟をして頂ければ、モチベーションに繋がります。


作品を読んで面白いと思われた方・続きが気になると思われた方は、是非とも評価・ブックマークをお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ