第18話 元仲間達との再会・3
再開後、無駄話はせずにずっと勉強をして、気づけば夕方になっていた。
そろそろ、終わりにしようかな? 主も色々と詰め込まれ過ぎて、頭がパンクしかけているし……
隣で「あう~」と言いながら、頭をフラフラさせている主を見て、俺はそう思った。
「主、今日はこの辺にしましょうか」
「は~い……ゴブタ君の授業分かり易くて良いけど、こんなに長く勉強したの初めてだよ~……」
「すみません、主には一刻も早く知識を入れて貰って実践で経験してほしいので」
そう言うと、主は「頑張るよ~」と言って、ベッドに横になってしまった。
それから少し時間をずらして宿の食堂に向かい、夕食を食べながら今日の復習をした。
そして汗を流す為、風呂に入って一日の疲れを取った。
「主、寝ないんですか?」
「ん~、ちょっと考え事してたんだ。やっぱり、私が強くなればゴブタ君の悩みも解決できるかなって」
「それは俺としても有りがたいですけど、主に無理をさせる訳には……」
「大丈夫だよ。無茶はしないけど、頑張ってみるのは良いでしょ?」
主はニコニコとしながら、そう俺に言った。
その言葉に俺は反論できず、主は「明日は、依頼を受けに行こう」と言ってベッドに横になった。
翌日、いつも通りの時間に起きて、準備をしてから宿を出た。
「今日は、アイナちゃんも一緒なんだ」
「はい! 今日は、依頼に行くつもりなんです。後、これ昨日借りていた本です」
主は借りていた本を返して、エレナさんにオススメの依頼を聞いた。
依頼を受ける際、色んなやり方があるが今回選んだやり方は、受付嬢にお勧めの依頼を聞くやり方だ。
「そうね~、討伐系はまだやらないの?」
「いえ、少しくらいなら俺でも相手出来ますし、主も実戦を経験したいと言っているので、弱い敵でしたら討伐系も良いと思ってます」
「そう、ならこれなんてどうかしら?」
俺の言葉に、エレナさんは机の下から一枚の紙を取り出した。
そこには、王都から少し離れた草原地帯に出没しているホーンラビットの討伐依頼だった。
「ホーンラビットって、基本的に森の中にいる魔物だと思いますけど、何で草原に?」
「私達も発見者から聞いた時にそう思ったんだけど、特に他に違和感も無いしで低級の冒険者当ての依頼で出してたのよ。でも、報酬金も少ないし誰もやってないのよ」
「成程、主どうしますか? ホーンラビットは、魔法も使わないですし実践相手には良いと思いますよ」
「なら、その依頼受けよう。お金ならゴブタ君のおかげで、今は心配ないし」
主のその言葉を聞いたエレナさんは「それじゃ、受理の手続きするわね」と言って以来の手続きをしてくれた。
それから20分程経ち、俺達は王都から出て草原地帯へと移動した。
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