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第16話 元仲間達との再会・1


 金策を終えた翌日、主の勉強道具を借りにギルドへと向かった。

 いつも通り、変装用の鎧を身につけた状態でギルドに入ると、目の前に沢山の魔物達が居た。

 こんなに従魔が居るの珍しいな……って、あれこいつらって……


「えっ、お前達が何でここに居るんだ?」


 ギルドの中に居た魔物達は、俺の元主の従魔達だった。

 それから俺は、俺の傍で泣き続ける元仲間達と共にエレナさんに別室に移動させられた。

 エレナさんは部屋を貸してくれた後、退室したら受付に居るから教えてと言って出て行った。


「それで、何でお前らがここに居るんだ?」


「ゴブリンが居なくなった次の日に、レイナがゴブリンが居ない事に気付いて……」


 元仲間達は、俺の問いかけにこれまでの経緯を話してくれた。

 成程な、レイナがこいつらを使って俺の事を……


「なんか悪いな、俺のせいで」


 元仲間達の話を聞いた俺は、申し訳ない気持ちでそう口にした。

 すると、元仲間達は「ゴブリンが謝罪する事はない!」と声を大にし、揃えて言って来た。


「ゴブリン聞いたよ。新しい主が出来たんだってな」


「ああ、新人の従魔使いで色々と知らないから、今は勉強をしている途中だよ。前の主とは違って、俺の意見もちゃんと聞いてくれるからな」


「そうか、良い主と出会えたんだな……」


 元仲間達は、俺の言葉に少し落ち込みながらも笑みを浮かべてそう言った。

 多分、俺ともう二度と〝家族〟に戻れないと分かって、落ち込んでくれているんだろう。


「何、そんなに落ち込んでるんだよ。別に家族じゃなくなっても、友としてこれからも仲良くしようと思ってたが。お前らは違うのか?」


 そう俺が口にすると、元仲間達は顔を上げて驚いた顔をした。

 そして、また涙を流しながら「違わない~」と言った。

 その後、元仲間達が落ち着いた所で、今の現状を伝えあった。


「あっ、そうそう。俺、名前付けて貰ったから、これからは〝ゴブタ〟って呼んでくれ」


「名前も付けて貰ったのか……良かったな、ゴブタ」


 ウルフの従魔、シャロがそう嬉しそうな顔をして俺の名前を呼んだ。


「それで、レイナの事なんだが。ゴブタは、何をしようとしてるか分かるか?」


「う~ん、レイナとは俺も長く一緒に過ごしてきたが、彼奴の本心を理解した事が無いからな。いつも俺の前だと、ツンツンしてて会話も成り立ってなかったからな」


「あ~」


 シャロの質問に対して、俺がそう答えるとシャロ達は、残念そうな顔をしてそう声を零した。

 何で今の言葉でそんな風になるんだ?


「でも、そうだな。これだけは絶対だという事は、一つだけあるな」


「何か知ってるのか?」


「レイナは、この首輪の効力もほぼ効いてないだろう」


 首輪を指さしながら俺はそう言うと、シャロ達は驚いた顔をした。

 まあ、その反応はそうだろうな、俺だってこれに気付いた時は驚いた。


「そ、それ本当なのか?」


「ああ、シャロ達も見た事無いか? レイナが主に対して、殺気を送っていた事があるだろ? シャロ達はやった事ないと思うが、その行為だけでも俺達従魔には相当な負荷が掛かるんだ。だが、レイナは首輪の効果を受けても効果が無いんだよ」


「そう言えば、主に殺気を向けてた時も無表情だった気が……主に対しての忠誠心が無いのは知ってたけど、首輪の効果を受け付けてないってそれって……」


「ああ、ヤバイよ。レイナを本気で怒らせたら、あのパーティーには止めるすべがないからね。レイナ以外のトップランクの従魔達も、レイナには逆らえないのは知ってるだろ?」


 シャロ達は俺の言葉を聞くと、現状のヤバさを知った様でフルフルと震えている者も居た。


「まあ、レイナが主達を絶対に攻撃するとも言えないかな、少なからずこれまで仲間として行動してきた相手だからね。竜の本能で仲間へ危害を加える事は、ほぼ無いから」


 と俺は口にするが、内心ではレイナが主を殺してないか凄く心配している。

 なんだかんだレイナも俺の事を仲間だと思っていたと思うし、主よりかは俺に心を開いてくれていたと思う。


「シャロ達は、この後どうするんだ?」


「レイナの指示では、このまま王都の拠点で待機しておくように指示されてるよ」


「ふむ……という事は、レイナは主を王都に連れ戻す動きをする可能性が高いね。シャロ達を自分達の所に戻さないのは、何かしらの行動をして主達を王都に戻して主を徹底的に潰すんだろうね」


 そう俺が言うと、シャロ達は少しだけ安心した様子だった。



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