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やさしい人
彼はいつも笑顔で、誰にでも優しく声をかけた。困っている人がいれば、進んで手を貸し、悩みを聞いてくれるような存在だった。街の人々から慕われ、まさに「やさしい人」と称されていた。
ある日、彼はいつものように公園を散歩していた。ベンチに座り、ぼんやりと空を見上げていると、一人の少年が近づいてきた。
「おじさん、僕、サッカーボールを木に引っ掛けてしまったんだ。」
少年は不安そうな顔で彼を見上げた。
彼は立ち上がり、少年のボールを取りに行こうとした。しかし、木が高く、なかなか届かない。少年はがっかりした様子だったが、彼は諦めずに様々な方法を試みた。そして、ついにボールを手にしたとき、少年は満面の笑みを浮かべた。
「おじさん、ありがとう!」
少年の言葉に、彼は自分のことのように嬉しかった。彼は、誰かの役に立つことがこんなに嬉しいものだとは、改めて気づかされた。
日が暮れ始めたので、彼は少年と別れ、家路についた。今日の出来事を思い返しながら、彼は静かに微笑んだ。彼はこれからも、誰かのために何かできることを探し続けたいと思った。




