協力
「やぁ。驚かせてしまってすまなかったね」
そう気さくに話しかけてきた黒服の男は片手に持っている
蝋燭でこちらを照らし、僕たちに少し口角をあげ、笑みを振り向けた。
「あなたは?」
「ああ。申し遅れたね。私の名はシキ。以後お見知りおきを」
自己紹介をしながら、軽く会釈をすると彼は持っていた蝋燭を埃被った机の上に置き、僕たちに再び視線を向けた
「あなたたちのことは良く知っていますよ。ミナトくん
マイさん、ケイさん、サクさん、どうだい?」
僕たちの名前を知っている.......。一体何者なんだろうか
これはおそらく僕以外の3人もこう思っただろう。
「まあ、そう警戒しないで。実は私はある人に頼まれて
あなた方に会いにきんだ」
そして、彼は続け様に頼み込むような形で僕たちに会いに来た理由を語った。
「君たちは西部開拓地を聞いたことがあるだろ?実は今そこである問題が起こっていてね。そのためにも君たちの協力が必要なんだ。頼む。力を貸してくれないか?」
彼は深々と頭を下げ、自らの願いを打ち明けた。
西部開拓地.....ケイがあの列車に乗っていた時に教えてくれた所だ。あの場所で一体何があったんだろう.....
すると、マイがスッと彼の前に立ち、その願いへの回答を
放った。
「あなたの言い分はわかった。だけど聞いておかなきゃいけないことがある。あなたが言ったある人って誰?それに
西部開拓地では何が起こってるの?それがわからないと私たちはあなたに協力できない」
「わかった。ならまず一つ目の質問に答えよう。二つ目の質問はその後だ」
マイは皆が思っていた疑問のようなものを代弁して彼に質問すると、彼はあっさりと答え、そのある人の正体を明かした。
「そのある人は......我が国の軍部の参謀総長レナだ」
それは僕らの予想を遥かに超えた回答だった。
なぜ、それほどの人が僕たちに接触してきたのだろう。
そのさらなる疑問を持って僕は彼をジッと見つめていた




