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山小屋
『山小屋』
吹雪く山をさまよっていた
魂を燃やして寒さを凌ぎ
明日があるのかも分からなかった
ある時遠くに小さな山小屋が見えた
真っ白な中に温かそうな光がぼんやりと
ケーキのロウソクのようで
凍りついた僕を溶かしてくれた
小屋には書き置きのメモだけがあった
辛かったでしょう どうぞ休んでいってください
僕が来るのを予知していたみたいな内容だった
どれだけ経っても誰も帰ってこない
もしかしたらここが旅の終着点なのかもしれない
身体は暖かいけど魂はもう燃え尽きた
さっきから目の前に降っている雪は幻覚だよね




