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ドアノブ
『ドアノブ』
また誰かに捻られた
ボクの後ろへ行きたいんだろう
寒い日というのもあってみんな急いでいる
それを遮るのは許されないから黙って通す
みんな手の垢とか汗とか気にせず触るから
おかげで体の一部が変色しちゃったよ
といっても感覚がないからそんなに気にならないけどね
壊れたことがないのが救いだ
ボクがゴミになってしまったら
この扉を開けられなくなる
ボクの後ろには楽園があるんだ
みんなに触られて気分は良いとは言えないけど
みんなの幸せを奪いたくもないから
これからもボクは
みんなと楽園を繋げる存在でありたいと思うんだ
いつかゴミになっても




