「冒険者ギルドへの登録②」
シンフォニア掲示板
佐倉幸の事
・転生の女神による転生ボーナスで、音楽の能力値が現世の100倍にアップ
・ギターの魔力の1つ 【音楽は言語を越える】
幸のギターに魅力されたものは、例え魔物であっても、意思疎通が可能になる。
さらにこの力は協奏した場合、ライブを通じて他人とも仲良くなる様に、音楽を聴いていた者同士も意思疎通が可能になる。
・ギターの魔力の1つ 【心酔】
幸のギターに魅了されたものに、命令を下せる魔法の力だ。
・ギターの魔力の1つ【協奏】
幸が誰かと共に演奏すると、相乗的に、ギターの魔力の力が増幅される。
この世界の事
この世界は6つの国からなる。
【レナシー共和国】、【ミグニクト】、【ファードナル】、 【ソドム】、【ライトメイト】、【シグルド連邦】
・世界で1番大きかった国【ドルトナティア】が、一年前に突然消えた?
・楽奴と言う、音楽をさせられる専門の奴隷がいる。
この世界の人々は音楽が大嫌いで、その結果なのか、音楽が聞こえなくなった。
そして、楽器は、まるで黒光りするGのように、存在するだけで気持ちの悪いものとなっている。
そのような音楽の待遇の中、楽奴は何故か、音楽をすることを強いられている。
もちろん。自由や平等といった人権はない。
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”ザワザワザワ”
大盛り上がりのギルドのフロア。
女の熱き戦いが今……、始まる!?
「じゃあ、ご説明くださるかしら。
……その豊満な御胸を”ブルンブルン”させて、男を誘いながら……。」
オルフィーがジャブを打つ。
オルフィーは豪商の財力を持ってして、非常にオシャレだ。
本日のドレスは、ロンーラサンが作ったシックなブラックのタイトドレスで、胸元から腕にかけて、美しい模様のレースが織られたシースルー。
ゴージャスさと清潔さを兼ねそろえた素晴らしいハイブランドドレスである。
「はいはい、説明ね。
そんなハイブランドで着飾らないとお外にも出れない、箱入り娘には、ギルドまで来る靴の履き方からご説明しなきゃですかね?
ブランドが全てってわけじゃないのよ。」
フレイアはすくっと立ち上がり、それを受け流す。
フレイアの本日の衣装は、真っ赤なキャミソールに白いストールを羽織ったモノ。
受付でだらんとした格好で座っていた時は、机に乗る胸が強調されていたが、いざ立ってみると、168㎝の良身長に、出るとこは出て、締まる所は締まる、素晴らしいプロポーション。
それを赤白のコントラストが遺憾なく発揮する。
ハイブランドで無くとも良いコーディネートだ。
「まずはこの、説明書を見て。
この冒険者ギルドは、主に掲示板に張り出された依頼をこなしてもらう事がお仕事よ。
ほら見えるでしょ?
その貧相な胸なら、机に置いたままでも……。」
フレイアのジャブ。
机に置いた説明書を指さしながら話すフレイア。
まさに、私なら胸が邪魔で机に置かれた字は見えないけどねと言う、隠語。
オルフィーは胸はCカップ程だが、非常に姿勢も良く、手足も引き締まり美しいプロポーションをしている。
「それは知ってますわ。
最初から全ての依頼をこなせるのかしら?
その大きすぎる胸のせいで着たい服が着れない……、みたいに受けられない依頼もあるんじゃないかしら?」
これはジャブを受けてフックで返したようなトリッキーな反撃。
「「「おぉおお!!」」」
説明の中に巧みに相手をディスる言葉を盛る二人の立ち合いに会場は大盛り上がり。
このように非常にミクロな言い争いに盛り上がるのは、当然みんなが酒をあおっているからだが。
そこからも永遠と、2人の言葉の戦いは続いた。
……………。
……。
◇◇◇
2人の会話を説明部分だけ抽出するとこうだ。
・冒険者ギルドは依頼者からの依頼をこなす事が仕事。
・ギルドのランクは、F→E→D→C→B→A→Sまでの7段階。
・依頼ランクは自分の一個上から全ての下のランクまで受ける事が出来る。
・ランクを上げる昇級はポイント制となっている。
・依頼各々に定められたポイントがあり、依頼の達成のクオリティーに因ってポイントが加算される。
クオリティーは4段階に区分され、下から、失敗→成功→大成功→超成功の4段階。
・ポイントの増減が大きいのはダンジョン攻略である。
攻略前のダンジョンフロアを攻略することで高いポイントがもらえる。
ダンジョンのモンスターの討伐数によってもポイントは加算される。
ダンジョン踏破が一番の高ポイント。
ダンジョンもランクで区別される。
自分の階級から下のランクのダンジョンにしか入ることは許されない。
・誰も見つけた事がないダンジョンを【未開ダンジョン】と言い、それの発見も非常にポイントが高い。
さらに、未開ダンジョンを踏破することは、問答無用で2階級特進である。
◇◇◇
……。
…………。
”パチパチパチパチ”
2人の長い言葉の戦いも"説明の終わり"により終幕が訪れた。
「良い戦いだった。」
「渦中の男は結局一度も言葉を発しなかったぞ。」
冒険者達は口々に言った。
「はぁはぁ……。
説明は以上で終りよ。
何か気になることはある?」
息も絶え絶えにフレイアは言う。
「はぁはぁ……。
……ないわ。
素晴らしい説明だった。」
オルフィーがフレイアを称える。
”ニカッ”と笑い二人は抱き合った。
長い戦いを終えた戦友の様に。
「また来るわ。」
オルフィーが手を振る。
「いつでもおいで。
……でも唯臣が一人で来るなら返さないことになるけど。」
”ちゅっ”と投げキッスをするフレイア。
オルフィーが立ち止まる。
””ゴゴゴゴゴ””
お互いがまたにらみ合う
唯臣の魅力がある限り、この二人の戦いは終わることはないのだろう。
…………。
……。
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