表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【祝10000PV感謝】異世界でもギターシリーズ  作者: bbbcat
第2章 異世界でもギターしかなかった ~叩く女と2つの塔~
67/101

「ユラーハの気持ち」

シンフォニア掲示板


 佐倉幸さくらこうの事

・転生の女神による転生ボーナスで、音楽の能力値が現世の100倍にアップ

・ギターの魔力の1つ 【音楽は言語を越える】

 幸のギターに魅力されたものは、例え魔物であっても、意思疎通が可能になる。

 さらにこの力は協奏した場合、ライブを通じて他人とも仲良くなる様に、音楽を聴いていた者同士も意思疎通が可能になる。

・ギターの魔力の1つ 【心酔】

 幸のギターに魅了されたものに、命令を下せる魔法の力だ。

・ギターの魔力の1つ【協奏】

 幸が誰かと共に演奏すると、相乗的に、ギターの魔力の力が増幅される。



 この世界の事

この世界は6つの国からなる。

【レナシー共和国】、【ミグニクト】、【ファードナル】、 【ソドム】、【ライトメイト】、【シグルド連邦】

・世界で1番大きかった国【ドルトナティア】が、一年前に突然消えた?

・楽奴と言う、音楽をさせられる専門の奴隷がいる。

 この世界の人々は音楽が大嫌いで、その結果なのか、音楽が聞こえなくなった。

 そして、楽器は、まるで黒光りするGのように、存在するだけで気持ちの悪いものとなっている。

 そのような音楽の待遇の中、楽奴は何故か、音楽をすることを強いられている。

 もちろん。自由や平等といった人権はない。

*************************************


 シーガーディアンの塔5階のボスのフロア。


                 ”ギーッ”


 スカイブルーの大きな扉を開いたのはユラーハであった。

彼女は宝箱に手をかける幸達に話しかける。


「あぁ……、ついにここまで辿り着いたのですね。

 その中にはわたくしの大切なビスチェが入っておりますが?」


「えっ!!

 ユラーハ!!!」

後ろからの突然の声に振り返った幸が驚きながら叫ぶ。


 ピーネが宝箱に入っていた神秘的な光を放っているビスチェを足でつまんでいたが、幸は咄嗟につかんで箱の中に押し戻しながら言う。

「なっ、なんでここにユラーハが!?」


「ここがわたくしの家で、そしてわたくしの部屋だからですわ。」

女の子過ぎる雰囲気と乱雑に散らかった部屋を恥じてか少し顔を赤らめて言った。


 シーガーディアンの塔は、ウンディーネであるユラーハの家だったのだ。

ワタークに恋をし、この地に留まると決めた時に自動的にダンジョンが生まれたらしい。

 このダンジョンは特に悪さすることもないのに、モンスターが強力なことと、懸賞金が付いたことにより、冒険者が集まって来たのだ。


「そうだったのかぁ……。

 早く言ってよ!

 じゃあ攻略とかそう言う話じゃなくなってくるね……。」

幸は言う。


 ダンジョン攻略の目的は、ボスを倒し、ダンジョンコアを手に入れて、懸賞金の30万プオンを手に入れる事であった。

 しかし、ダンジョンが知り合いの家であったのなら、流石にダンジョンコアを頂くことは出来ない。

 それが破壊されるまでは、ダンジョンは維持されるものの、一度破壊すると、ダンジョンは崩壊する。

 ユラーハの家が無くなるのだ。


「そのことなんですが、幸がここまで来られたらこれをお渡しするつもりでしたの。」

ユラーハが差し出す手にはごろっと乗った手のひらだいのオーブが光る。


「何これ?」

幸が言う。


「ダンジョンコアです。」

ユラーハがあっけらかんと言う。


「ダンジョンコア!?」

幸は初めてみるそれに驚き叫ぶ。


 ダンジョンはダンジョンコアが破壊されると消滅する。

それほどダンジョンに取って重要なものなのだ。


「この前、幸とお話した時にもうこの恋は諦めた方がいいのではと考えたのです。

 もしそうならわたくしはまた海に還るだけ。

 この塔はもう必要ありませんから。」


「えぇえっ!?

 好きなんでしょう!?

 ワタークもワタークなりにユラーハの事考えていたよ!

 ちゃんとユラーハから気持ちを聞いた方がいいよ!」

幸は訴える。


「……怖いのです……。」


「えっ?」

幸は聞き返す。


「ワタークがわたくしの事をどう思っているか尋ねるのが怖い……。

 ウンディーネのわたくしに迫られて仕方なく今の関係でいるのかも知れない……。」

ユラーハは俯いて呟く。


「だから、灯台の下に種を蒔いて、花を咲かして、真実の愛が欲しいのです……。」

ユラーハの頬は涙が伝う。


 ウンディーネと言う精霊の力故に、ワタークは一緒にいる事を強制されているかも知れない。

 ユラーハが花占いに固執するのは、これならワタークの忖度ない気持ちが知れると思っているからだった。


「……。

 ワタークはユラーハの事愛してるよ……。」

幸の声が自然と小さくなる。


 異世界に来て日の浅い幸には、人間と精霊の関係性が分からない。

 ユラーハになんと言ってあげれば良いか分からないのだ。


「恥ずかしい所を見せてしまったわ……。

 とにかくそのダンジョンコアはお渡しします。

 どうするかは幸がお決めになって。

 あと宝箱の中身は持っていかないで。

 ……ミミックは気持ち悪いからあげる。」

涙を見せまいと後ろを向いてユラーハが言った。


「ダンジョンコア……。

 分かった。これはしばらく預かるね。」

幸は難しい顔をしながら了承した。


 シーガーディアンの塔全5階。

幸達はついに踏破する事には成功した。

しかし、ただ手放しで喜べるようなことで終りはしなかった。


……………。


……。


*************************************

出会ってくださりありがとうございます!


ブックマークや感想など書いていただいたりしたら、本当に励みになります。

去年の終わり頃から始めてフォワーやブックマークが少しずつ増えてきました!ありがとうございます!

リタイアせず、頑張りたいと思っておりますので、何卒応援よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ