表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【祝10000PV感謝】異世界でもギターシリーズ  作者: bbbcat
第2章 異世界でもギターしかなかった ~叩く女と2つの塔~
58/101

「シーガーディアンの塔3階」

シンフォニア掲示板


 佐倉幸さくらこうの事

・転生の女神による転生ボーナスで、音楽の能力値が現世の100倍にアップ

・ギターの魔力の1つ 【音楽は言語を越える】

 幸のギターに魅力されたものは、例え魔物であっても、意思疎通が可能になる。

 さらにこの力は協奏した場合、ライブを通じて他人とも仲良くなる様に、音楽を聴いていた者同士も意思疎通が可能になる。

・ギターの魔力の1つ 【心酔】

 幸のギターに魅了されたものに、命令を下せる魔法の力だ。

・ギターの魔力の1つ【協奏】

 幸が誰かと共に演奏すると、相乗的に、ギターの魔力の力が増幅される。



 この世界の事

この世界は6つの国からなる。

【レナシー共和国】、【ミグニクト】、【ファードナル】、 【ソドム】、【ライトメイト】、【シグルド連邦】

・世界で1番大きかった国【ドルトナティア】が、一年前に突然消えた?

・楽奴と言う、音楽をさせられる専門の奴隷がいる。

 この世界の人々は音楽が大嫌いで、その結果なのか、音楽が聞こえなくなった。

 そして、音楽は、まるで黒光りするGのように、存在するだけで気持ちの悪いものとなっている。

 そのような音楽の待遇の中、楽奴は何故か、音楽をすることを強いられている。

 もちろん。自由や平等といった人権はない。

*************************************

【ゲリラライブまであと23日】


…………。


……。


「僕!あなた!

 待ってた!!」

フォルネウスは大きな牙を向き出しにし、ダンジョンポータブルで飛んできた幸にすり寄って来た。


「や、やぁ、フォルネウス。

 今日もダンジョン攻略に来たよ。

 まだ冒険者はこの階には来てないね?」

幸は、圧の強いフォルネウスを手で押しのけながら言う。口からかなりの磯の香りがする。


「敵!まだ!!

 2階来てない!!」

フォルネウスは鰭のような尻尾を"ブンブン"振って喋る。


 1階のボス、コカビエルが言っていたように、冒険者はまだまだ1階のボスを踏破するに至ってはいないようだった。

 

 今日は前日に会議した通り、キヨラを抜いて幸とピーネの二人で、シーガーディアンの塔3階の攻略に来ていた。

 初の二人でのダンジョン攻略という事で、慢心しない様にと話し合って来た……、はずである。


「幸!行こう!!」

幸の袖を引っ張りながら言うピーネ。早く自分が活躍したくてうずうずしている。

レベル52のピーネにとっては慢心もなにも無いのかもしれない。


「じゃあそろそろ行って来るよ。」

幸はフォルネウスに挨拶をして、3階の階段へ向かった。

 

 1階を上って来たように、螺旋状の階段を上る。

階段を上がり切ると、その階層は1階2階とは明らかに違っていた。

 3階は大きなフロアが一つあるだけで、枝分かれした道などは無く、開けているのである。

ただ、フロア自体がとんでもなく広く、四方に壁がある以外は全て開け放たれている空間。

 遠くの方に雑魚モンスターと思われる魔物がうようよとして見えるが、こちらに気付くことも無いほどの広さであった。


「ここは何だろう……。

 今までの階とは全然違ってるね……。」

幸は1、2階とは全然違うこの階に戸惑っていた。


 道の選択肢が無いと言う事でまず冷静にフロア全体を把握してみることにする。

広い正方形の部屋の奥、今幸達の居る辺の対象側になる辺の壁に、大きな明らかにボスの部屋と思われる扉が見えている。

 その扉に向かう道すがらは、何もない平面という訳ではなく、道と穴の二つに分かれている。

 それは網目状に広がっており、穴によって道の様に形作られていた。

例えるなら、スーパーファミコンのマリオカートの“おばけ沼のステージ”の様だ。

落ちたらどうなるのかは想像もつかない。

 そして雑魚魔物達はその道に点在していた。


「まずは俺が扉が開くか見てくる!!」

そう言うとピーネはボスの部屋と思われる扉にめがけて一目散に飛んで行く。


 限りなくチートと思わる、飛翔によるダンジョン攻略。

2階から上がって来た階段のある幸達のいるエリアは、魔物もおらずピーネがいなくとも安全マージンは取れていた。


                  “スタッ”


 一瞬で扉まで飛んで行ったピーネは扉を“ぐぐぐっ”と強く押してみる。


「うーん!!!!」

ピーネは気張って扉を押し続けるが開かない。


 扉をよく見ると、鍵穴がある様だった。

この部屋は、鍵を見つけないとボスの部屋までたどり着けない様だ。


「なるほど鍵を見つけないと行けないみたいだね。」

戻って来たピーネの話を聞いて考慮する幸。


 このフロアには、大きな扉の他には何もなく魔物しかいない。

つまり、扉の鍵は、魔物からのドロップという可能性が一番高い。


「俺に任せろ!!」

ピーネは、幸の考えを聞いて、熟考する間も無く魔物達を蹴散らしに行く。


「まっ待って!!

 ピーネ!!」

幸は呼び止めるも、速過ぎるピーネには聞こえない。


 恐ろしい速度で、ピーネは魔物を魔硝石に変えていった。

広い広い三階層の魔物達は、瞬く間に消えて行った。


「幸!

 みんな倒したけど……、鍵は拾えなかったぞ……。」

ピーネが残念そうに言う。


「えっ!

 なんでだろう……。」

幸は当てが外れたので、一番近くの魔物が居た場所まで駆けてみる。


         ―――――前を向くものここに居座れ―――――


 幸は、魔物が居た付近に、そんな文言が添えられた台座を見つけた。


「なんだこれ……。

 前を向くものここに居座れ?

 ……!? ピーネ!!ちょっと来て!!」

何かを閃いた幸は、ピーネを呼ぶ。


 ピーネにつかんでもらい、フロア全体を見渡して分かったことがある。

先ほど見つけた台座が、10個ほど、点在していたのだ。


「……そうか。

 この部屋は大人数で攻略しないといけない部屋なんだ!」

答を導き出した幸が言う。


 この部屋は台座に、誰かが座って待機する。

台座は10個あるので、10個全てに同じことをすれば道が開かれる仕組みになっていると幸は考えた。


「魔物を倒せばいい訳じゃなかったのか……。」

パーティーが現状3人しかいない幸達にはかなり難しい事柄を要求しているフロアに嘆く。


 10の台座にそれぞれに誰かが居座れば、道が開かれるダンジョンのギミック。

 10人以上のパーティーを集めるには幸はレベルも低く、困難なのは目に見えている。

サクサクプレイだと思われていたシーガーディアンの塔は、3階にして幸達に

いきなり無理難題を吹っかけてきたのであった。


…………。


……。


*************************************

出会ってくださりありがとうございます!


ブックマークや感想など書いていただいたりしたら、本当に励みになります。

リタイアせず、頑張ろうと思っておりますので、何卒応援よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ