77話 13歳 11月15日 ゼミの日、授業のおさらい、螺旋水路、各土地・貴族の色々
5番棟0304号室からおはようございます。11月の15日、今日はゼミの日ですよ。どうもヘルマンです。早くも11月ですよ。もうすぐ1年です。早いのか色々ありすぎたのか解りませんが、随分濃い1年だったと思います。…まだ1か月残っていますが、ほぼほぼ終わった感じになってきますね、この季節は。基本的に宿にいましたからね。後は自由市を冷やかしていた位でしょうか。でも、錬金学術院は冬でも忙しいのです。授業もあるし。
永明派の11月の授業は治療学応用。もうね、基礎の段階で嫌な予感しかしない訳ですよ。完全に永明派の刑という刑罰ですよ。普通の死刑よりも痛みを伴う分絶対にやばい奴ですって。今回連れてこられたのは3人。3人っていう時点で、間違ったら死ぬやつですよ。そう思っていたこともありました。…えぐい、ぐろい、狂気の沙汰です。応用ではないです。拷問刑です。普通に腕や足が飛びましたし、1人は首を飛ばされました。首を飛ばされたらたとえ至高のポーションでも治せないって言って首を飛ばしましたよ。大丈夫かこの授業? 死人が出たぞ。…これ60人死ぬやつでは? 1日2人、1か月30日で60人。…全然大丈夫じゃないです。この人たちは何をして死刑になったんでしょうね。というか、本当に何をしたら永明派の刑になるんだよ。…必要だというのは分かるよ。粉砕骨折を治すのは最上級ポーション、でも魔力操作で骨を集めれば上級ポーションでも治りますっていうのはすごく勉強になったし。でも、首を飛ばしたら至高のポーションでも治りませんって実験する必要ありますか? 僕は無いと思うんですよ。流石呑まれた人たちの巣窟、永明派。こんな人ばっかりじゃないといいなあ。至高のポーションも湯水の如く使いましたし、授業で大魔金貨が飛んでいくって表現は間違いじゃ無いですよ。
鉄迎派は4泊5日の魔境旅行です。永明派と違って神経の使いどころが違うが、こっちの方が大変健全。この時期にはもうミズチもスティナラニアもいないので、安心して奥までいけますね。ケルピーをどんどん狩っちゃいましょうね。そんな訳で有意義な時間でした。テッドも無事に幽明派に決めたようで、ウーズ君の作り方を伝授しましたよ。驚かれましたが、絶対に必要なので覚えておくといいですよと言って教えた。僕はエドから飛剣を教えて貰った。何回かゴブリン相手に練習しましたが、無事、使える様になりました。魔力を剣に這わせて振りぬくときに鞭みたいに剣閃を伸ばすイメージ、飛ばすというよりも伸ばすの方が正しいような気がします。後は強撃も教えて貰った。魔力を剣にとどめて当たる瞬間に断つというイメージで魔力を叩き付ける技だ。エドなんてその強撃でケルピーの首を1人で持って行った。…もうあいつ1人でいいんじゃないかなって思ったよ。グレンが惹きつけて僕ら3人がケルピーを押さえつけてエドが強撃で首を飛ばす。3日目はそのスタイルだった。それが1番早いと思いましたから。
造命派の授業は馬車用ゴーレムの作成。まあ関節やら骨格やらにやたらと魔石を使いました。準備物通り250個以上使い切りましたよ。細かな関節にも拘って作った馬車用ゴーレム君、因みに2体同じように作りました。僕が自分で移動するときは特急馬車並みに飛ばしたい。移動するときは速くてもいいじゃない。別に行商人じゃ無いんだし、いいじゃん。後は馬車だけですね。準備物は全て規定以上に揃えてありますので問題ありませんとも。
黎明派の授業は錬金釜用の釜を作成しました。まあ、魔力茸で固めただけですが。これを使う人たちももうすぐ入学してくるんだよなあ。楽しみにしとけよ1年生。
幽明派の授業は任意スケルトンの作成。ゴブリンの死体3体で1体のスケルトンを作る。因みに力は普通のスケルトンと変わらない。がっかりだよ。失望しました。せっかく、ケルベロスみたいなのを作ったのに。…別にいいんだけど、浄化行きですね。
そんな訳で、ゼミなんだけど、今日の報告は無し。何も無いんだなこれが。仕方ないじゃない、何もできなかったんだから。いや、色々と作ったのは作ったんだよ? 大半は失敗物だけど。…幽明派が失敗物用のゴミ捨て場を作りましたよ。早速ウーズ君を活用してくれているようで。幽明派にもガソリンが撒かれてしまったために慌ただしくなってきましたよ。黎明派はそんなに忙しくない。豊穣会は少し秘密が多くなってしまったが、まあいいんじゃない? さて、セレナさんが来たから時間だな。
「さて、時間だな。今月の豊穣会を始める。まずは私から報告だ。ヘルマン君が作ったウーズを公開した。そのため、失敗物のゴミ捨て場が出来たな。そして、幽明派から礼金が出ている。大魔金貨20枚だな。半分はヘルマン君の物だ。受け取りたまえ。」
「ありがとうございます。」
「さて、これで私からは以上だ。次に報告のある者はいるか?」
…誰も報告が無いみたいだな。こんなこともあるんだ。
「珍しいな。誰も報告がないのか。」
「今は育ててる段階だから報告は無いのよー。」
「我も構想中である故。」
「俺もねえなあ。」
「…こういう時はヘルマン君を穿り出せばいいのよ。さ、何か報告するものはないの?」
「残念ながら特に報告は無いんですよね。」
「ヘルマン君も無いなんて珍しいわね。何か考えてることとかも無いの?」
「これを使って何か出来そうかなー、みたいなのはありますけど、具体的には何も形になっていないんですよね。まあ、斜め井戸を自分の家に作りたいなあ、とか考えていただけで。」
「…井戸は斜めじゃ水は汲めないわよ?」
「であるな。斜めにしても水が昇ってくるわけじゃ無いのである。」
「ああ、スケルトンを使って昇らせるんですよ。螺旋を使うんです。」
「見てみたいのである。実験場に行って作ってみるのである。」
「実験場に井戸の穴を掘ってもいいんですか?」
「別にいいぞ。…ちゃんと落ちない様にしておくか埋めれば。」
「今日は時間がたっぷりあるのである。早速行くのである。」
そんな訳でやってきました実験場。なんか久しぶりな気がするが、気のせいでは無いよなあ。さて、そんな訳で作っていきましょうね。
「さあ、作ってみるのである。」
そんな訳で、岩盤まで穴を斜めに開ける。…結構深いな、斜めにすると。まあ、いいだろう。そして穴と同じ大きさの筒の中に螺旋を作っていく。…アルキメデスの螺旋と言えば解る人もいるでしょう。あれですよ。ぐるぐると回せば水が昇ってくるあれです。それを魔力茸をポイポイと放り込みながら作っていく。…そうしてスケルトンが回る台を作って。横回しを斜め回転に変換する歯車を作って。これで完成。後はスケルトンをぐるぐる回らせる。スケルトン8体の動力でゆっくりと回り始めた。…ちょっと重かったか? もう少し薄く作れば良かったか。
「もう少ししたら水が昇ってくるはずです。―――あ、出てきましたね。”スケルトン停止”。」
「…本当であるな。何でか解らぬが昇ってきたのである。」
「8体のスケルトンの力でギリギリでしたので、家に使うときはもう少し薄くしないといけませんけどね。強化もしないといけないです。」
「…なあ、なんで水が昇るんだ? 訳が判らねえ。」
「こんな機構があれば治水のやり方も変わってくるのである。これは使えるのである。」
「それよりも、ここの機構です。横に回していた力が斜めの回転になりました。これは応用が利きますよ。」
「…とりあえず、一度0304号室に戻りましょう。色々と聞きたいことができました。」
実験は成功したのでほくほくでご機嫌な僕ですが、色々と思うことがあったみたいです。学習棟に連行されまして尋問の開始です。
「とりあえず、ヘルマン君が作った物はなんだ? 私も治水は専門ではないが、水が昇って来たのには驚いた。なぜあのような事になるのだ?」
「そうである。あれがスケルトンで起動できるのであれば様々な方面での治水が変わってくるのである。水が水路を逆流するはず無いのである。」
「とりあえず、ガラスで作ってみますので一旦それを見てからでいいですか?」
という訳で、ガラスの水槽とアルキメデスの螺旋を作る。…始めからこうやって室内でやれば良かったんじゃ無いですかねえ。まあ、今日は暇なのでいいですが。一度作ったのでさくさくっと作る。水槽に入れた水に快命草の染色液を入れて赤色に、透明に透明は見づらいからな。手動でくるくると回す。一応横方向の回転に変換する機構も付ける。…歯車だからそんな難しいものじゃない。傘型だけど。傘は一応あるのは知っている。使うのが貴族か元貴族なだけで、平民は使わない。畳めるタイプでもないからな。
「…こうやってみても不思議である。しかし、理屈は解ったのである。常に縁が上がり続けるから昇って行くのである。水が下に流れるという特性を上手く使っているのである。」
「こうやって見ないと判らねえな。…こうやって見ても不思議なんだが。上に行くために下に行っている状態を常に行っている。…言っていても意味わかんねえな。回っているからこそだし、斜めだからこそ昇っているんだな。」
「であるな。縦では駄目なのである。横か斜めでないと駄目なのである。」
「それよりもこの回転を繋げるこの機構ですよ。これがあれば色々出来ますよ。」
「…粉砕機を作ったので歯車はあると思っていたんですが?」
「…まあ、確かに粉砕機の機構を細かくしたらこんな感じだな。…こんなふうにくっ付けて回すっつう発想が無かったな。回るのに合わせて砕く機構を考えれば良かっただけだからな。」
「まあ確かに色々と使えそうだな。…具体的に何をとは解らないが。」
「…魔械時計を作った時のイメージがこんな感じのイメージだったのですが。」
「こんな機構をイメージしろなんて言わないわよ? 誰が先生だったのよ。」
「セレナさんです。」
「あー。駄目だわ、ヘルマン君が作った魔械時計が他の物と違う気がしてきたわ。」
「いえ、才能に任せて作ったので多分大丈夫なはずです。」
「…じゃあ大丈夫…かな。一応見せて貰ってもいい? ―――良かったわ、普通で。」
「しかし、この螺旋は使えるのである。ため池を作るときにどうしても土を盛らないといけないことが多いのである。これならば低い池からも水が引けるのである。川からも直接引けるのであるな。ゴーレムを使うと維持費がかかるのである。」
「そう言えば、そんなに水のいる作物ってありましたか?」
「麦とは違った穀物に米があるのである。麦よりも沢山作れるのであるが、畑に水を張る時期があるのである。…王都には入って来ていないのである。南の地では麦よりも米の方が多いのである。」
「ヘルマンは北の出か? 南は水にうるさいんだよ。水で殺し合いをするくらいには治水が大事なんだ。」
「であるな。王国の土地では川は南から北に流れるのであるが、王都を過ぎた辺りで川が地下に潜るのである。北に行くほどに川が痩せていくのである。…北の辺境伯の所までいけば逆に川がまた多くなるのであるが、王都より北は台地という地形なのである。台地の土地は井戸が深いのである。」
「あー。確かに小さいとき井戸が深くて身体強化をしないと辛かったですね。」
「然り、南は井戸も浅いのである。というよりも村の中を水路が走っているのであるな。その水路で遊ぶ子供もいる故、余り大きな水路を作ると子供が流されてしまうのである。故に浅く広い水路で無ければならぬのである。」
「そう言うこった。でも北かあ。このゼミで北の奴ってあんまり入んないんだよな。」
「私は北だがな。まあ、すぐそこの公爵領の出だがな。もっと北は知らん。」
「南の方が治水の関係で参加しやすいのよね。実際南の出が一番多いし。次は西?」
「だな。食料を作りやすいのは西だからな。北の土地は痩せているからな。辺境伯の所までいけば、また肥えて来るんだが、台地は土地が痩せ気味なんだ。」
「そうなのよね。だから北の土地は麦が多いのよ。あれだとある程度肥えてさえいれば豊作になる麦だから。そのためにその麦をこの会の昔の人が作ったんだし。」
「そうなのよねー。その特性を付けたら1年に1回しか取れなくなったのよー。生育に時間がかかる様になっちゃって、2回は無理なのよ。それに雪にそこまで強くないのよー。雪に強くしたのもあったんだけど、収量が少なくなっちゃって作られなくなったのよねー。」
「あー、だから僕の所の村は野菜を自分たちの分くらいしか作らなかったのか。」
「そうねー。後はその領地の領主様の意向もあるのよねー。税の取り方で変わるもの。」
「だな。俺んとこは別に麦や米って決めて無いからな。税は野菜でも金でもいいようにしてある。麦が作りやすくて大量にできるから麦んところが多いけどよ。米も多いが水が無いと無理だかんな。まあ、保存の面から言っても麦や米の方がいいんだ。野菜は足が早いからな。」
「領主の意向で税の取り方も変わるんですね。知りませんでした。」
「まあ変わるんだよ。南の方は米だったからな。米は面倒なんだが麦の倍は取れるんだ。その分水が大量にいるんだがよ。」
「西は色々だよね。南よりか北よりで変わるし。私の所は米を育ててたわ。」
「町出身だと解らないのよね。どっちもあったから。」
「王都の出はメラニーとエレーナだけだっけ?」
「今はそうね。王都も川は無いからね。魔境と霊地はあるけど。」
「東も少ないんだよな。俺と…マヌエラだけか?」
「そうじゃないかしら? 東は東で酪農をやっているのよね。作物は基本麦だけど。」
「そうなのであるな。東は辺境伯の影響で酪農が多いのである。東は東で土地が痩せているのであるな。その影響で畜産、酪農に力を入れているのである。その辺は造命派の領分なのである。この間の造命派との話し合いでも酪農用の動物を作っていると言っていたであるな。ヘルマン殿がもっとと唆したであるが。」
「北は酪農もあまりやってませんからね…。しかも領主が無能寄りの平凡って言われてましたし。」
「あー、あの辺は侯爵と辺境伯の間くらいは男爵か子爵しか無いんだっけか。」
「だな。北には伯爵位の貴族はいなかったはずだ。」
「あそこで伯爵をやれるなら相当に優秀でないと厳しいわよ。男爵だったの? 子爵だったの?」
「子爵でした。魔境を1つを丸抱えしていてもう1つは他の領と分け合っていました。後は霊地が5つありました。1つは丸抱えです。」
「…それで子爵なら確かに無能寄りね。伯爵位の領地と遜色ないもの。広さまでは知らないけど、重要なのは魔境と霊地だったわよね?」
「恐らく何代か前が有能だったんだろうな。その丸抱えの魔境は他領のすぐそばじゃなかったか?」
「そうです。隣の子爵領とのほぼほぼ隣接地です。」
「確定だな。何代か前に魔境を完全に剥ぎ取ったんだろうな。今は隣とどっこいか、隣の子爵が余程の無能なんだろうな。…下手をすると隣が男爵割れするんじゃないか?」
「男爵割れってなんですか?」
「無能しか出さん伯爵家や子爵家を潰して、領地を何分割かしてそれぞれ男爵家に治めさせるんだ。侯爵の場合は子爵割れって言われるな。男爵が小領で密集してる場合は何代か前に男爵割れを起こしている証拠だ。」
「男爵が優秀なら周りから剥ぎ取って他の男爵を潰して法衣にしたりするのよ。優秀同士がかち合う事なんてまず無いから地方の法衣貴族は昔領地持ちだったけど、潰されましたってところが多いのよ。昔は恨んでいたんでしょうけど、2,3代変われば法衣の方が気楽でいいとさえ思っているところも多いのよ。」
「家はもろそれだな。昔のみ込まれたってやつだな。まあ、平民落ちする俺には関係ない話だが。」
「私の家もそうですね。後は侯爵家や辺境伯家が独立を許す位ですか。」
「分け与えはなあ。殆ど起こらんからな。余程優秀で法衣にしとくにゃ勿体ないやつが出てきた時くらいか? 特に辺境伯んとこは広いからな。分け与えできるんならしたいってのが本音じゃねえか? 大抵はエルフかダークエルフになるんだがよお。人間は寿命が短くて分け与えても優秀な奴が直ぐに死ぬからな。」
「ドライアドは貴族にはいないんですか? 寿命が長い方がいいならドライアドは適任だと思うんですけど。」
「ドライアドは平民しかいないのよー。7公からも生まれてないからねー。」
「優秀であればよいが、無能だと引きずりすぎるからな。ドライアドで無い方がいいな。土地を治めるなら寿命は長すぎても問題なんだ。…だから法衣がいいという貴族が多いんだ。私の所もその口だからな。」
「ほんっと貴族って面倒よね。平民で良かったとつくづく思うわ。」
「まあ、平民落ちした私たちも一緒だけどね。…メンツなんかを気にしなければ平民と一緒で気楽で生きていけるんだけどね。」
「そうね。平民落ちしても元貴族って肩書が面倒なのよね、色々と。」
「特に寿命が長ければ長いほど付きまとうからな。男の方はまだましだが。」
「領地持ちだとさらに面倒なんだぞ? 領の発展を手伝わされるんだからな。」
「でも、お前さんはそう言うの結構好きだろ?」
「まあな。兄貴との仲が良いってのもあるけどな。…次男以下が領を継いだ場合は荒れるからな。」
「? なんでだ? 普通は有能だから次男以下にするんだろう?」
「上が無能だから問題なんだ。評判を気にするのが貴族だぞ? 無能が上に積み重なってみろ。領は発展するかもしれんが、評判は地の底に落ちると思った方がいい。そうなると貴族家としては辛い所がある。嫁に出てきてくれる貴族家が無くなるわけだ。」
「…成る程であるな。跡継ぎが生まれんことにはどうしようも無いと。…平民から貰う事は出来ぬのであるか?」
「最悪はそれだ。平民から貰うしかない。…そうなると嫁の教育もしないといけないからな。貴族の常識を教える分、社交に出るのに時間がかかる。下げた評判をさらに下げる訳にはいかんからな。だから普通は余程の無能で無い限りは次男以下にしない。…余程の無能なら病死という名の暗殺だな。それが貴族の普通だ。」
「何ともまあ、無能は生きられない訳だ。…農民は無能でも長男長女が大体農家の才能を貰うからな。次男次女は放り出されるから、才能次第なんだが…無能だと生きられないのは平民も一緒か。」
「戦える才能があれば魔境で生きていけますが、無ければ文字の読み書きが出来なければ底辺冒険者行きですからね。町に住むことさえできません。」
「なるべくならそんな奴らを出さない方が良いんだがなあ。一定数は絶対に出るからな。」
「才能に星が10個も振られるんですから、文字の読み書きさえ出来れば町で過ごせると思うんですけどねえ。」
「その辺は村の村長の有能さが物を言ってくるからな。幾ら触れを出したって、村長が動かにゃ意味がねえ。ヘルマンが言ったやつも村長に触れを出すだけだからな。村長が無能なら村人に伝わりもしねえ。全員を有能にするのは無理だ。一定数は必要悪だと割り切るしかねえ。」
「そんなことを考えたくないから法衣をやっているのよねえ。」
「違いない。」
何処も彼処も全ては上手くはいかないもので。歯車を弄りながら貴族がああだと平民がこうだと色々話した。歯車いじりは結構楽しかった。僕は割と本気で歯車を作ったつもりよ? 外側がギザギザのやつや少し捻じったやつ、縦から横に変換する奴にピストン運動に変換するやつ。色んな歯車を作った。でも話している雑談はかなり際どい話を攻めたりしている。皆で楽しく話しているはずなのに、貴族の闇が映ったりしている。まあ、自分には関係ないし、いいか。平民落ちしている人たちも実家のことは割り切ってるみたいだし。僕が気にすることでもない。他の人が、具体的にはセレナさん辺りが飽きるまで、歯車いじりを続けるのだった。
面白かった面白くなかったどちらでも構いません。
評価の方を入れていただけると幸いです。
出来れば感想なんかで指摘もいただけると、
素人読み専の私も文章に反映できると思います。
…多分。




