第09話 逃げた代償 以前と違うもの
初恋の彼女とは、遊園地を出てからそのまま家まで送り別れた。
今日の僕はただ彼女とデートをしただけ。ただ、それでも、デートをすることで彼女が少しは前に進めたようなそんな気がして・・・少しだけ救われたようなそんな気がした。でも、まだ、彼女からも伝えられた元親友との仲直りがまだ残っている。実際、元通りになるのは難しいんじゃないかと思えるけれど、それでも、最低でもできることはしなければと心に思う。
家に帰り着き、僕は、することをしてしまった後、ベットに突っ伏し、どうするかを考えた。すべてを話すことが、本来は良いことだと思うが、僕はいいとして、彼女と僕がキスをしたことを知られてしまうので、これは無理だろう。ならば、嘘はつかず、必要なことのみ話して許してもらう・・・ズルいやり方だけど、僕だけの問題ではないのでこうせざる負えない。
難しい、でもこれしかない、とりあえず、これで行くことを決め、僕は眠りにへと落ちていく。
翌日、学校へと趣き、元親友へ放課後、屋上へと来てもらうことにした。元親友も「わかった」と返事ももらえた。久々に話す元親友もだが、僕も、緊張していたようだ。また、ふたりの昔のように意思疎通が出来なくなっていることにちょっとショックを受けてしまった。
放課後、僕が先に屋上へと着いた。元親友がそのあとすぐ屋上へと来た。
「わるい、またせた。」
「いや、こちらこそ呼び出して悪い。」
互いに一言ずつ言葉をかわす。
「早速だけど、「元親友」には申し訳ないことをした。本当にごめん。ただ、そのことについて、なぜそうしてしまったのか話をさせてもらって、もし、受け入れてくれるなら仲直りしたいと思ってる。「元親友」から見ると、勝手なことをいいやがってと思われても仕方がないと思ってる。それでも、やっと、原因を乗り越えられたから、もし、許してくれるのなら、僕をまた友達として、見てくれると嬉しい。」
「理由をまず聞かないと何も言えない・・・とりあえず話してくれるかい?」
僕はなぜ離れたのか、逃げたのかを説明した。
「元親友」の彼女のことを僕も好きだったこと。そのため、3人で過ごす時間がとても辛かったこと。彼女に僕の思いを知られてしまったこと、必要ないと僕が感じた事柄は話すことなく、とりあえずひと通り説明した。
「「元親友」にはあまり知られたくなかった。だから逃げてしまった。本当に申し訳なかった。」
とにかく僕はお詫びを繰り返した。
「元親友」はなにか聞きたいことが有ったらしく、考えながら話し始める。
「本当は、その時話してほしかった。だけど、今更だな。理由はわかった、ただ、すぐに判断して答えを出せないから。。。彼女とも話をしてからになるから、後日で答えは良いか?」
僕は頷いて返答をした。
「僕は全然問題ないよ。」
「あとひとつ聞いていいか?」
「いいよ?なに?」
「もういいのか?「彼女」のことは?」
「ああ、僕にも別に好きな人ができたからね。逃げてしまった僕を助けてくれた人。その人に惚れちゃったから。」
「そうか、わかったよ、なら今日はまたな。」
「元親友」は一言そう残し、去っていった。
とりあえず、今日という日は終わった。だが、「元親友」は許すのかどうかはわからない。
それでも、「彼女」が望むことをできるだけ叶えたい。いや、僕も「元親友」のことが好きだから。前のように戻れたらいいなと願っていた。
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