番外編 王都に隕石が落ちた日【前半】〜霊獣達の活躍〜
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『番外編 王都に隕石が落ちた日』は本編で省略されたリクとダンさんが王都に到着するまでの霊獣、霊獣使いの奮闘を書いたものです。
第二章では、恋愛要素、世界観の説明などが多く、霊獣の活躍が少なかったので、その分多めに追加しました♪
どうぞお楽しみください。
──夢を見た。
黒い空に、青く光る隕石が音もなく落ちていく。
それが王都に直撃した瞬間、凄まじい光と熱が街を飲み込んだ。
瘴気。
それは見えざる毒となって王都全域を包み込み、霊獣たちは苦しみ、やがて崩れ落ちる。
霊獣使いたちもまた、次々と倒れていった。
人の声が消え、王都は死の都と化していた。
「……!」
霊獣「カラス」ヨセフの使い手・エステルは目を覚まし、浅く息を吐く。
その夢が、ただの夢ではないことを、彼女は知っていた。
その報せは即座に、霊獣管理協会へと伝えられた。
────
「……隕石、だと? 更に瘴気まで……?」
会議室に重たい沈黙が走る。
「方向は北西上空。リザエルの領域――隣国側の空から飛来していると見られます」
「本当に隕石か? ……高度が低い……」
霊獣「不死鳥」使い総監・ヨハネは険しい表情で呟いた。
「範囲予測では、直径一メートル以上の落下物と推測されます」
「落下予測地点は……王都の自然公園内です」
「……霊獣フクロウに待機指令を。夜目と軌道鑑定スキルで、隕石の正確なコースを読め」
「雷神鳥を出撃させますか? 対空迎撃なら最も適しています」
「迎撃は可能だが……破片は王都に落ちるだろう」
「……瘴気の類であれば、聖竜フレアを使え。あの浄化魔法なら対処できる」
「落下予測地点には、私が向かおう」
そう告げたのは、総監ヨハネだった。
「総監自ら!? それはあまりにも危険です!」
「隕石による被害が出れば、回復魔法が必要だ。私しかできない」
静かだが、強い決意。
指揮官たちはその気迫に押され、声を失った。
「王都の民を……一人たりとも失わせはしない」
ヨハネの瞳は、鋭く光っていた。
───
落下予測当日
夜の城壁。
強い風が吹きつける中、
霊獣「フクロウ」使い長官マタイと、
霊獣「雷神鳥」使いドゥが上空を観察していた。
───
一方その頃、霊獣管理協会本部。
総監ヨハネの肩には、不死鳥が留まっている。
ヨハネは副総監ヤコブに声をかけた。
「後は頼むぞ、ヤコブ」
「総監自らですか? 私が行きましょうか?」
「総監と副総監は別に行動したほうが、組織の生存率が上がる」
「では……私が一番信頼している伝書バトのナナをつけましょう」
ナナがじろりとヤコブを睨む。
不死鳥が口を開いた。
「こいつ……人語話せねぇじゃん……見てるだけだろ」
ヤコブの眉がピクリと動いた後、にやりと笑う。
「マリア、そんなことを言うなよ」
「ヤコブ! その女みたいな名前で俺を呼ぶな!」
ヨハネは呆れたように不死鳥の頭を押さえた。
「お前は、黙っておけ」
「なにかあれば、隣町の霊獣使いにも待機させている。緊急事態の時はお前が指揮しろ」
「わかりました」
「しかし……今回はいつもよりも慎重ですね」
「勘だ。……嫌な予感がする」
ヨハネは振り返らずに言った。
「後は頼んだぞ」
「……わかりました」
───
隣町
リクのふるさと。
霊獣「水竜」使いリクの父ペテロ
霊獣「隼」使いリクの母サライ
二人は町の境界で待機していた。
「しかし……珍しいわね。私たちまで声がかかるなんて」
「そうだな。しかも住民にバレないように、と。混乱を避けるためか……」
「それにしてもリク……ちゃんとやっているのかしら。農業村で、ダンゴムシの霊獣さんと……」
サライはため息をついた。
「霊獣が強くなければ、霊獣使いは死ぬ。王都の任務は常に危険が伴うからな」
「そうね……元気に過ごしてくれてたらいいわ」
───
一方
本主人公
霊獣「ダンゴムシ」ダンドドシン使いのリク
「タロさん! 今日も整いましょう」
「良いね! 今日は星空綺麗だし最高だろ!!」
「おいら、眠いからもう寝る!」
「ダンさんおやすみ!」
――王都に迫る危機など、知る由もなく。
今日ものんきにスローライフを満喫していた。
続く
今回登場人物が多いので載せます
◎ヤコブ=アルカディール 42歳 185cm
霊獣「伝書バト」の使い。霊獣管理協会の副総監。複数契約ができ、50体の伝書バトと視覚共有ができる。
◎ヨハネ=エクサドル 53歳 177cm
霊獣「不死鳥」の使い。霊獣管理協会の総監。
組織のトップとして国を守護する。
冷徹非道と噂されるが情に厚い。
◎ペテロ=サクラ 48歳 175cm
リクの父。霊獣「水竜」使い。
息子のリクに厳しい。しかしそれは息子の成長の為と影ながら思っている。
◎サライ=サクラ 45歳 165cm
リクの母。霊獣「隼」の使い。サバサバした性格で、隼から姉さんと呼ばれている。
◎長官マタイ 35歳 168センチ
霊獣「フクロウ」フクの使い
メガネをかけていて、常に冷静で少し無愛想。
霊獣管理協会長官兼訓練官
◎ドゥ 18歳 177センチ
霊獣「雷神鳥」ライガの使い
主人公いじめた奴の一人 実家がお金持ち。
◎霊獣「伝書バト」 ナナ 30歳
霊獣伝書バトのメス鳩。人語は話せない
ヤコブの霊獣伝書バトの中で最速。ヤコブの最初の契約霊獣で古参、特命伝書バト。
◎霊獣「聖竜」フレア 400歳
全ての魔力を無力化出来る 最強霊獣。
◎霊獣「不死鳥」マリア 350歳
回復魔法が使える 中身ヤクザ。
オスなのにキラキラネームで自分の名前が嫌い。過去の戦争でミルカという女性を助ける事が出来ず、それから回復魔法の精度をあげ、戦争終結後、霊獣使いの死亡者はゼロになった。
◎霊獣「フクロウ」 フク 110歳
鑑定スキル持ち 夜の視察が得意。夜勤が多く、昼間はマタイの肩で寝ている。
◎霊獣「雷神鳥」ライガ 300歳
光速で鋭い雷撃を落とせる 攻撃の速さでは最速。災害時はライト代わりに派遣される。




