第12話 もう戦争が起きないように 前編
今日は終戦記念日です。戦争で命を落とされた方々、そして遺された方々の深い悲しみに思いを馳せます。
今の日本の平和を感謝し、二度と戦争が起きない事を願いながらこの物語を書きました。
※戦争の話です。後編は暴力、残酷シーンがあります
ご注意ください。
初めての方へ
ご覧頂きありがとうございます。
この異世界ファンタジーは霊獣と霊獣使いが相棒になり、国の防衛や治安維持に貢献しています。
ポケットモンスター大人版みたいな世界観です。
霊獣の紹介
年齢1000歳 霊獣 龍のドラコ(あだ名)、(本名バビロン)
※竜として1000年生きると龍に進化します
年齢300歳 ダンゴムシの霊獣 ダンドドシン
夜。湖畔のほとり。
人間たちは皆、深い眠りについていた。
虫の声と風の音だけが、静かに漂っている。
ドラコは、じっと星を見上げていた。
「ドラコじゃないか。珍しいな、こんな所で!」
「ふふ……ハンナとリクの様子見てたら、昔の霊獣使いの子を思い出しちゃって……」
「……昔のことを思い出しているのか?」
「そうよ……ダンドドシンだって、300年生きてたら、霊獣使いの子をたくさん見送ってきたでしょ」
「……おいら、あんまり霊獣使いから大事にされなくて、ほぼこのリリン村に置いてけぼりだったから……。一緒に暮らすことは、ほとんどなかった!」
「そう……」
「ドラコは霊獣使いと、ずっと一緒に過ごしていたんだろ?」
「そうね……私の場合、龍になる前――竜時代から霊獣使いと暮らしていたわ」
「もちろん、どの契約者も大切な人たちよ。
でも――特に、忘れられない子がいるの」
「この話、ハンナやリクには話さないでね」
うふっとウインクをする。
「わかった。おいら話さない!」
「これは私が龍に進化する前、まだ火竜で、本名バビロンって名乗っていた……オネェになる前の頃の話……」
───
今から150年前。
当時の王国は、南サハラと大きな運河を境に、北カナンと南サハラに分かれていた。
南の地、サハラの霊獣。
火竜名前はバビロン。
そこで、18歳の少女ミルカと契約した。
栗毛の髪に、よく笑う明るい女の子だった。
「すごーい! バビロンって950年生きてるの?」
「あと50年生きたら、伝説の龍になれるの?」
「ああ、そうだ」
「すごーい!! しかも火竜なのに風の魔法が使えるの!?」
「最強じゃん、私たち!」
「そうだな……」
──
別の日。
「バビロン! 聞いて! 今日、好き人と挨拶できたの!」
「……」
「ちょっと! もうちょっと反応して!」
「お前……こんな戦争中に恋愛だとか、呑気なこと言っているのか?」
「……いいじゃない。勝手に好きになるくらい」
ミルカは頬を膨らませ、じっと睨む。
───
また別の日。
補給所の前で、ミルカが
霊獣 不死鳥使いの青年と話していた。
夕暮れの光の中、二人は何か楽しそうに笑い合っている。
照れくさそうに、けれど一生懸命に話すミルカ。
別れ際に手を振り、その頬はほんのり赤く染まっていた。
「例の男はあいつか……?」
──ふわりとミルカの横に降り立つ
「げっ! バビロン! 見てたの!」
「俺がミルカが好いていると伝えてやろうか?」
「こらこら! やめて!」
「この戦争が終わったら、告白するの!」
「そうか……」
ふっと、バビロンは笑う。
「バビロン、笑った方が絶対いいよ」
「うるさい……」
ミルカは、無邪気に笑っていた。
───
霊獣使いという存在は、好きだった。
人間は寿命が短いが、一人一人が全く違う。
そして家族のように接してくる。
だが、この数十年、戦争はどこでも続き……多くが命を落としていった。
──そして、ミルカも。
続く




