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宇佐美達彦の見解

 

 8月1日。午前11時10分。

 法務省一角――死刑執行部隊、特別部所室。


 クーラーの冷温が効いた広い空間。モノトーンで統一された室内には幾つかのデスクとスクリーンが並んでいる。灰色の壁に黒いカーペット。何処か物静かで落ち着いた雰囲気を、その部屋は漂わせていた。扉と対峙する壁には大きな窓があり、その前には綺麗に整頓された白いデスクが設置されている。外の景色に背を向けるように置かれた墨色の椅子はとても柔らかそうだ。其処に一人の男が大きな背凭れに寄りかかるように、深く腰を椅子に沈ませた。


「……やっぱり騒がしくなっちゃったね」

「申し訳ありません。私のミスです」


  はあ、と軽い溜息を漏らすその男に、眼鏡をかけた男性――釘崎は悔しそうに顔を歪ませながら謝罪した。


「いや、君のせいじゃないよ釘崎くん。そもそも犯人の用意が周到すぎたんだ

 ……まさか、あそこで川に飛びこまれるとはね」

「……川の流れを追ったのですが、祭りがあったのか娯楽のためにプレジャー船が幾つも出て居たもので……」

「調べるにしても、撤去させようにも時間がかかるものね。ざっと、100(そう)はあったんでしょう?

 恐らく犯人はそれも予想に入れてたんだろう。いや、参ったね。お見事としか言いようがない」

宇佐美隊長うさみたいちょう……」

「いや、ごめんごめん。だって、まさか君たち三人が出し抜かれるとは思わなかったからさ」


 何と言えばいいのか、形容し難い表情を向ける釘崎に、男――宇佐美は朗らかに笑った。


「それで、今法務省中が騒いでいることにお忘れなきを……」

「うん、わかってるよ。上にも散々怒られたし、最近では私に対しても何かとグチグチ言う輩が増えだしたからね」

「……すみません」


 罰の悪そうな顔で再び顔を俯かせる釘崎には宇佐美は手を振った。


「ああ、違う違う。別に攻めてるわけじゃないから

 というか、彼らの場合は私に嫉妬してるだけだからさ、何時かああなるとは思ってたんだよね」


 「ほら、私若いうえに女性にもモテるから」、さらりと笑顔で言い切った宇佐美に釘崎は口をひきつらせた。


 確かに宇佐美達彦うさみたつひこと言う男は若い。だが、年齢がということではない、法務省の幹部職に就いているにしては、だ。本来幹部職には、大体40半ばから60歳の古株が就くものだ。だが、対する宇佐美は30そこそこ、幹部の中で最も若く、歴代最年少とも言える歳だ。


 おまけに奴が座っているその席は死刑執行部隊長――エリート中のエリートだ。此処は法務省の要として“ある意味”選ばれし者が集う場所なのだから、そう易々と登りつめられる席ではない。死行隊は畏怖と尊敬の対象であり、良い意味でも悪い意味でも人の注目を集める。其処の部隊長となると、もはや雲の上の人と言ってもいいのかもしれない。

 

 だが、主に恐怖の対象となるはずの死行隊をまとめる奴は何故か女性の間で密かに、熱く囁かれていた。曰く「怖そうだけど、優しいし、良い……」だそうだ。何が、とは聞きたくはあった釘崎だが、彼もまだ真面な方とは言え、周囲に一歩引かれている存在。そう簡単には女性の会話に踏み込めまい。


「それで、捜査本部の方は?」

「……残念ながら、何も出てこなかったみたいだ。

 痕跡も何も無い。髪の毛一本も落としてくれなかったみたいでね……鑑識の方もお手上げだよ」

「……そうですか」

「ま、しょうがないさ。此処は玖叉くんに賭けよう」

「……それは、まさか複写機ダプリケーターで?」


 複写機ダプリケーター――それは人の記憶にある視覚情報を脳波から読み取って、映像化する機械だ。


「……あの男が協力するとは思えません」


 釘崎は苦々しい顔で言葉を吐いた。

 玖叉充と言う男は一度目を付けた獲物は決して逃がさない獣だ。他人が横取りすることも、邪魔をすることも許さない傲慢な獣――断言しよう、あの男はこの捜査には絶対協力しない。何故ならそんなことをしてしまえば、他の誰かに己より先に犯人を見つけられてしまうかもしれないからだ。きっと、ダプリケーターの話を持ち掛けても、あの男は即座に切って捨てるだろう。

 その様子をありありと想像出来て、釘崎は長嘆息した。


「……いやあ、それがね。良いって」

「そうでしょうね。あの男はそういう……え?」

「だからね、ダプリケート、協力してくれるって……」


 釘崎は仰天した。

 「まさか、そんな、馬鹿な」と否定的な言葉が奴の口から零れ落ちる。相当信じられないようだ。それもそうだろう、釘崎にとってそれは天地がひっくり返ってもありえない出来事だったのだから。


「……明日は、槍でも振るのでしょうか」

「……うーん、どうだろうね」


――釘崎君、相当苦労してるんだな……

 

 苦笑する宇佐美。


(……まあ、押し付けるような形で釘崎君に任せちゃったからなぁ)


 思い出すのは二年前のあの日。玖叉を初めて法務省に連れて来た時のことだった。


――宇佐美隊長。この方は?

――おい、宇佐美。このGeek(ダサ男)は誰だ?

――んなっ!? ギッっ……!?


 英語は一通り理解できた釘崎。初対面で玖叉にその単語を言われた時の顔と言ったら……。


(でも、何だかんだで、上手くやってると思うんだけどなぁ……面倒だったから釘崎君に無理強いしたわけだけど、これはこれで良かったよね)


 正直な話、当初の宇佐美はただ面倒くさかったと言う理由で、釘崎に”教育係”と言う仕事を押し付けたのだ。入隊してまだ1年と半年しか経っていなかった釘崎には酷な話ではあったが、如何せん此処は仕事が多い。宇佐美には玖叉一人に構う時間が無かったのだ。


 確かに、色々と揉め事ならぬ面倒事を(主に玖叉が)何回か起こしてはいたが、結果的に釘崎含む二人はちゃんと成長してくれた。釘崎の言う通り、玖叉にはまだ幾つかの問題はある。だが、


「……あの子も、大分“大人”って奴になってきたんだね」

「……え?」


 不意に落とされた言葉に釘崎は複雑な顔をした。


「大人って……」

「ちょっと癪だけど、犯人には感謝しなきゃね……お蔭であの子は良い経験をした」


 それは息子を見るような、親の顔をしていた。端正な顔は何処か遠くを見つめ、口角は緩やかに狐を描いている。

 脳裏を過るのは玖叉と最後に交わした会話。


――本当に良いのかい? ダプリケーション、しても……?

――しつけーな。別に良いって言ってんだろうが

――いや、うん御免。あまりにも意外だったもので、つい……

――確かに“奴”を他の誰かに横取りされるのは気にくわねー。だが、今ここで協力しなけりゃ、あいつに追いつくことさえも出来ない。

 要は横取りされなきゃ良いだけの話だ。誰が捜査に関わろうと関係ねー。俺があいつを誰よりも早く見つければいい。

 だから、協力してやるよ。Duplicateダプリケートでも何でもして、あいつを捕まえてやる。


 今迄単独で行動をしてきた玖叉。他の誰の言葉にも、耳を貸さず突っ走ってきた男。

 協調性も何も無い、“力”だけの男が初めて協力すると言った。初めて、誰かと共に捜査を始めようとした。初めて、自ら情報提供をしにやって来た。それはとても小さな一歩かもしれない。けれど、それは間違いなく彼の大きな成長の糧となるものだ。


 玖叉充は初めて敗北を知り、己の無謀さを省み、そして気付いた。己に足りなかった物、忘れてきた“何か”を――


(……“それ”は大事なものだよ玖叉くん。決して忘れてはいけないものだ)


 日差しが差し込む明るい空間の中、男が一人、ほくそ笑んだ。


「そろそろ、複写ダプリケーションを始めている頃かな」

「……マジですか」


 未だに珍妙な顔をする釘崎に宇佐美は困ったように笑った。












 一方、法務省内――鑑識室。


 クッションフロアの床に白く塗りたくられた部屋は、清潔感があって綺麗だ。広い空間には彼方此方とデスクや様々な機材が置かれており、壁には大きなスクリーンが展開されている。「Busy」との文字が表示されたスクリーンの隣には開けっぱなしの扉があり、その向こう側からは男女の声が聞こえてくる。


「じゃあ、用意は良いかしら?」

「ああ」


――玖叉だ。


 鑑識室の中にはもう一つ小さめの別室が設置されており、其処には何やらCTスキャナーのような機械が中心に備え付けられている。背の高いベッドに、そのサイズとは不似合な大きなヘッド部分には丸い穴が開いている。穴は丁度ベッドの上で横たわる人間の頭が入るような位置にあり、玖叉もまた其処で横たわっていた。黒いライダースーツのジャケットは脱がれ、男の強堅な肉体がその白い半袖のシャツの下から覗いている。


「じゃあ、犯人の顔……しっかり思い浮かべてね」


 玖叉に背を向け、白衣を羽織った女性は目の前のモニターを操作する。

 機械のヘッド部分のライトが緑色に点滅する。ダプリケーションスキャンを始める合図だ。

 玖叉はゆっくりと目を瞑って、一人の少年を思い浮かべた。


(ワリーな……協力するとは言ったが、俺がテメーらにやれるのはこれだけだ)


 ライトが更に淡く灯りだし、玖叉の額を照らす――。







♢ ♢ ♢ ♢ ♢ ♢ ♢ ♢


 所戻って、死刑執行部隊、部所室。



「……やはり、未だに信じられません」

「頑なだねぇ、釘崎君」



 難しい表情を未だに見せる釘崎。宇佐美は眉を八の字にしながら笑った。


「まあ、しょうがないか……それより、釘崎くん」

「はい?」


 佇まいを直し、デスクに肘を立てて手を組む宇佐美。そんな彼に釘崎は首を傾げた。


「どうされましたか?」

「君……今回の犯人について、どう思う?」

「……どう、思うですか?」


 突然の質問に戸惑いながらも釘崎は彼に問い返す。それに宇佐美はニッコリと笑みを深めながら頷いた。


「うん。この犯人、っていうかテロリストさんにもそろそろ、他の奴らと判別しやすいように何か名称をつけなきゃなってね……」


 「なんか長引きそうな事件だしね」と嘆息を漏らす宇佐美に釘崎は悩ましげに眉を顰めた。今回の死刑囚逃亡事件は“法に不満を持つ者”――ブラッド、或いはアナーキストの犯行として捜査が進められている。実際に今回の犯人が起こした騒動はこの国、否、行政機関に喧嘩を売っているようなものだったので、事実この捜査は長引くのだろう。


 テロリストの犯罪ランクは未だに決まってはいないが、間違いなく最高ランクだ。何故なら死刑執行部隊に喧嘩を売り、勝ったものは奴以外に誰一人いなかったのだから――。

 その上に死刑囚を逃がしたとなるとそれはもう法務省、否、国中が騒ぐほどの問題だ。

 今回の事件は死行隊が創設されて以来、初めての失態だった。お蔭で、部所のスクリーンには山積みの始末書データが詰まっており、釘崎は頭を抱えそうになった。今度のテロリストは本当に“やってくれた”。


「……隊長は、どうお考えで?」

「危険だね」


 即答した宇佐美は、ボスン、と背凭れに再び寄りかかった。


「玩具を使っての犯行、その発想、垣間見える理念……間違いなくこの国に大きな害となる影響を及ぼす人間だ」

「……犯人が使った道具の件ですが」

「それなら、心配ないよ。既にメーカーと商社の方には圧力と規制をかけてある。後は向こうが何とかしてくれるだろう。

 他の部署も色々と動いてるみたいだしね……」

「……」

「それにしても本当に驚いたね……まさか、玩具をあのように使うとは。

 私でも、思いつかなかったよ……一体どうやってそんな発想に至ったのか」

「……外部、他国の者でしょうか?」

「可能性はあるね……最近、外からの“害虫”が増えているようだし、その一つかな。

 でも、」


 キィ。椅子を回して、窓の景色へと視線を移す宇佐美。その硝子には無機質な瞳が映っていた。


「一つ、気になることがある」

「……何ですか?」


 椅子の背を見つめながら、何処か恐々とした様子で伺う釘崎。


「何故、彼は玩具を使ったんだろう?」

「……え、」

「愉快犯と言う可能性も確かにある。だが、資料を通しても彼の必死さは垣間見えた」

「……」

「玖叉くんが言っていたように我々の知るテロリストではなく、“武器に手を出せない人間”……一般人、の可能性も否めないんだよね」

「……それは、」


 唖然。玖叉の件よりも信じがたいその事実に釘崎は言葉を無くした。


「可能性だよ、ただのね。一応草地巴くさぢともえくんが居た身辺を軽く調べたけど、どれもこれも健全な市民って感じで、

 “犯罪”を犯す予兆のある人間は居なかった……それにまあ、”じゃあ爆弾は何処で手に入れたんだよ”って話だしね……

 まあ、玖叉くんのダプリケーションがあればどうにか見つかるかもしれないけど……」

「一応篠田に直接、身辺調査をさせますか?」

「うーん、篠田さんの能力ワイズは確かに犯人を見つけるのに適任かもしれないけど……あの子も忙しいし。それに、それで見つかるとは限らないからね。

 それは最終手段にしよう。」

「分かりました。では、一応連絡だけはしておきます」

「うん、お願い」


 キィ、再び釘崎へと振り向く宇佐美。その顔には相変わらず笑みが貼りついていた。


「ところで草地くんの件なんだけど……やっぱり見つからない?」

「はい……」

「此処まで来て見つからないとなると……日本を出たってことになるよね」

「恐れながら……」

「はあ……今回は本当に問題の山積みだ。お蔭で、この国の“綻び”を沢山見つけてしまったよ」

「そこは、公安課や他の者たちに任せるしかないかと……」

「うん、まあ其処は実際あんまり心配してないんだけどね」

「と、言うと?」


 不思議そうな顔をする釘崎。宇佐美は肩が凝ったと言うかのように首元を叩く。


「さっきも言ったようにさ。もし一般人だったら……何処かで、普通に生活しているってことだよね?」

「……!」


 その言葉に釘崎も遅くれて気付いたようだ。今更気付いた事実に思わず頭を抑えた。本当に最近の自分の勘は鈍い。


 この国の何処かに、そんな“一般人”が居たとしたらそれは危険なことだ。何時、何処で、誰に被害が及ぶかは分からない。だが、問題は其処ではない。


「今のところ、築嶋つきしまくんが調べてくれた人間は皆“健全なる精神”を持った善良市民だった」


 本来、テロリストの類は元から“ブラッド”と識別される人間であり、その普段の奇行から“凶暴性”は幾らでも垣間見えた。彼らは必ず何らかの“問題”を犯罪者になる前から起こしているのだ。だからこそ、日本が認識している殆どのテロリスト、及び犯罪者は直ぐに国家に登録された個人情報こじんデータを通すことで見つけられる。つまり、犯人の顔も年齢も性格も全て把握できてしまうのだ。犯罪者が誰かなんてあっという間に分かる。


 だが、今回はそれが出来ない。“ブラッド”らしき人間が今の所草地の周辺で見つかっていないからだ。それはつまり、犯人は己のその“非常識な考え”を上手く隠せていることになる。

 大衆の中に紛れ、人知れず犯行を起こせる犯罪者。それは正に――


「“見えない敵”と言う奴ですね」

「うん、そうだね。もしも本当に彼、或いは彼女が一般市民だったとしたらすごいよ。

 よく、あんな巧妙な発想をし、あんな犯行を人知れず起こせた」



 くるり、椅子を一回転させて宇佐美はもう一度窓の外を見た。其処には幾多ものビルが並んでおり、20階と言う高さにある其処からは都市が小さく見える。目を細め、静かにその薄い唇を開く。


「間違った玩具の使い方、間違った思想、間違った行い、

 すべてに関して間違っている彼はこの国に見事なまでの反逆行為を起こした。

 それは何処までも大胆で、無謀だ……

 だから私は“敬意”を表して彼をこう呼ぼう。偉大な大空おおうつ

 

 “反逆者リベル”と――」


「それは……」

「安直な名前かい? そうだね、そうかもしれない。確かに他のテロリストたちも反逆者と呼べるだろう。

 でもね。私には彼、或いは彼女がその代表者に思えるんだ」


 何故そう思ったのかは分からない、だが宇佐美は直感した。この事件のテロリストこそが世界の、この国の人々が信じる常識を壊しかねない“反逆者”だと――。



「……」

「それにしても遅いねー。玖叉くん。そろそろ終わってもいい頃なんだけど」


 壁にかけられた針時計を見て、言葉を零す宇佐美。どうやら玖叉には事が終わったらすぐに此処に来るよう指示していたらしい。釘崎は「そういえば」と後ろの扉を振り返った。


「何時に始めたんでしたっけ?」

「うーん……もう一時間は前になるかなぁ」


「何がだ?」


 ガチャリ。二人の会話の間に割り込むように扉が開いた。その向こうからはライダースーツ姿の玖叉が現れた。不躾に見えるその態度に釘崎は嘆息を漏らす。


「……あなたの複写ですよ。それで? 出来たのですか?」

「ああ、ほらよ」


 ズカズカと室内へ踏み込む玖叉。手をポケットに突っ込みながら歩くその様は気だるげだ。

 カチャ。小さなメモリーデバイスが宇佐美のデスクへと放り出される。


「ご苦労様。ありがとうね」


 にこやかに礼を言うと宇佐美はその丸いデバイスに手を伸ばし、指で其れを二度たたいた。


――ヴン


 デバイスから新たなホログラミックスクリーンが浮かび上がる。視界に映ったその姿に二人が息を漏らした。


「これは……」

「へぇ……この人が犯人?」


 映し出されたその男の色は黒。上も下も、髪の色も全て涅色で、フードの下に隠れたその眼は少し眠たげに見えた。鼻は高く、仄かに赤く染まっている。真黒な髪は可笑しなことに二つに分かれていて、それらは角の様に天へと聳えていた。不敵に笑みを携える口元には長い顎が生えている。


「……なんというか、個性的だね」


 ポツリ。呟くように言葉を漏らした宇佐美の視線の先にあった男の名は、オヤビ●。

――90年以上も昔の某海賊漫画、その登場人物の一人であるノロノロ野郎の顔だった。



「……って、コレっどう見たって仮面だろう!?」




 晴れた空の下。釘崎の怒号が一つ、法務省の外まで響き渡った。


 






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