case.5 絶望を与える者たち
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「ヒッ……ば、化け物共め! 我ら誇り高き鬼族の狂乱戦士隊が貴様らを滅ぼして―――」
―――ボトリ。
鈍い音と共に、話していた鬼族の戦士が膝から崩れ落ちる。
そして同時に首から上も崩れ落ちる……いや、切り落とされる。
「遅ェよ。あと、長ェ」
サタールだ。
サタールが、その戦士の首をを神速で斬った。
「クッ……か、かかれェェェェェェッ!」
先頭の鬼が殺られたのを見て、即座に他の鬼が全体に指示を出した。
ソイツの指示を受けて、残りの鬼たちは俺らへと突っ込んでくる。
しかしもちろん全員が突っ込んで来たワケじゃなかった。
後ろの方で、5名程の魔法使いが魔法の準備をしていて、さらにその後ろでは脚が震えて動けない様子の鬼が3名程居た。
「まずはこれを耐えてみな! “爆発炎魔”ッ!」
そこに、マノンが魔法を撃つ。
狙いは突撃してきた戦士たちの中央。
そこを中心として、大きな爆発が巻き起こる。
「グッ……!」
「「「グワァァァァァァァッ!」」」
何人かは耐えたようだが、半分以上が爆発で吹き飛ばれた。
「では次は私が。“幻蟲召喚・捕食者”!」
すると今度は、ルシファルナがマノンの爆発によって吹き飛ばれた方の鬼たちのもとに、一体の巨大な蜘蛛を召喚した。
あれは、俺でも見たことのあるヤツで、名前も分かるヤツだ……。
アシダカグモ……多分、そうだろう。
それにしても、相当長い脚だ。
それだけで軽く数メートルはあるだろう。
鬼たちの高い背を、簡単に追い抜かしていた。
「ヒッ……! や、やめ……ろ!」
アシダカグモはジリジリと倒れて動けない鬼たちに近づいていく。
「“幻蟲召喚”・破壊者」
さらにルシファルナは、追い打ちをかけるように新たな虫を召喚した。
タランチュラ……か。
詳しい事は分からないが、とりあえず危険なヤツだってのは知ってる。
それが2体、鬼たちの前に現れた。
「―――喰らい尽くせ」
ルシファルナが手を振りかざす。
直後、その命に従うように虫たちは倒れている鬼たちを、無抵抗のまま喰い始めた。
―――ブチッ、グチュ、ブシャッ!
肉の裂ける音、血が噴き出る音。
まとめてグロい音とするが、そんな音がこの空間に響き渡る。
「さて……残るはアンタらだ」
そんな中、サタールは残った鬼たちに刀を突き付けながらそう言った。
「ヒッ……お、おい魔法使い共! 俺たちを守れ! 早く!」
「はっ、はい! ただいま!」
ビビった様子の鬼たちは、後ろにいる大きいサイズのローブを着た魔法使いたちに命令する。
魔法使いたちはその命令を受け、すぐさま帰還魔法だの、転移魔法だの、防御系魔法だのを詠唱しながら準備するが……
「主様、ここは私が」
そう言って動き始めたのは、ルインだ。
「―――“影陰”」
ルインは、足元の影の中へと溶けていく。
そして、気づいた時には……
「……“分身”ッ!」
スキル『変幻』の一部能力、“分身”を使って自らの身体を10人へと分身させたようだ。
その状態でルインは、魔法使いの背後の影から飛び出してきた。
そしてそのまま、全てのルインは黒光りしている短剣を取り出し、構えた。
あの剣は“魔王特性魔改造剣・烏”と名付けた。ルインの要望を全ての詰め込んだ剣だ。俺とサタールで完成させた。
ルインはその短剣“烏”を構えて……
「“闇暗失墜”」
高速で剣技を放つ。
どうやら新しく覚えた技のようだ。
見える範囲且つ分かる範囲の解説をするならば、とてつもない速さで相手の身体をズタズタに切り裂いている、という感じだろうか。
魔法使い5人と、臆病な鬼戦士3人がルインとその分身に切り刻まれ倒れていく。
「……一瞬、か。流石は暗殺者といったところか」
俺は帰ってきたルインに、一言入れた。
「えへへ、それほどでもないですよぉ……。それよりも、主様! 最後は主様の番ですよ!」
そうルインに言われて、俺は残った戦士たち……が居た場所を見てみた。
すると、
「ヘッ、大将! あとこの3人で終わりだぜ」
サタールがその言葉通り3人の座り込む戦士に刀を突き付けていた。
どうやら本当にこれで最後みたいだ。
俺はその残りの鬼たちに近づいた。
「おい」
「ヒッ……な、何だ! 化け物め!」
また、化け物呼ばわりか。
まあいいさ。どうせコイツらはすぐ……死ぬ。
「お前らの中で、一人だけ利用させてもらう。誰が俺に使われるか、今すぐ決めろ」
こんな奴らに俺の『支配』を使うのも何だかバカバカしい。せめて一人だけだ。
そしてコイツらを利用して何をするか、だが。
俺が考えてるのは【スパイ作戦】。
一人を俺の完全支配下……つまりレオンのような状態にする。
そしてソイツが、戦帝国を内側から崩していくように俺たちが命令を出す。
あやつり人形……即ち文字通りの『傀儡』となる。
「ひ、一人だけッ!? で、では残った二人は……?」
「そんなの当然―――殺す」
俺は冷たい声で、そう言い放った。
もう俺は、あの日から慈悲を失ってるんだ。
殺るべき相手と殺らない相手の見極めはしっかりしてるつもりだが、コイツらは明らかに前者である。
から俺は容赦しない。
「さあ選べ、誰が生きて……誰が死ぬか」
俺のその言葉を聞いて、鬼たちは顔を青ざめる。そして、お互いに胸ぐらを掴み合い、しまいには殴りつけ始めた。
「俺だ……俺が生きるんだ!」
「いいや俺だッ! 俺には妻がッ! 娘が居るんだッ!」
「ふざけるなッ! この中で一番強くて、一番王の信頼が厚いのは誰だと思っているッ!」
「「クッ……」」
どうやら答えは出たようだ。
と、いうか今の最後の奴の一言。これで決まりだな。
「フン、良いだろう。おい、サタール」
「ほいよ」
俺の意図を汲み取ったサタールは、刀を引き抜かぬまま動いた。
―――カチッ、という音がした直後、サタールは鬼たちの後ろに居た。
「や……め」
「カ……ハッ」
最初に命乞いをした二人の鬼は、他の死体達と同じように首を切り落とされ、死んでいた。
「な……な……」
最後まで生き残っていた鬼……自分の事を強いと言っていた奴が、周りを見て絶望した表情になる。
俺はそんな状態のソイツに近づいて、手をかざした。
「―――これで終幕だ」
▶スキル『支配』を発動します。
これからは基本16:00の一回更新です!
(多少の誤差があるかもしれませんが……)
更新情報はツイッター等を確認していただければな、と思います!
それではまた明日!
(明日は22:00の更新)




