表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/369

case.24 愛の花は絢爛と咲き誇る

すいません少し遅れました!





「んっ……」



 アスモフィが、ゆっくりと目を開く。


 少し周りを見て、それからゆっくりと起き上がった。



 目が覚めた彼女の視界に飛び込んできたのは、顔を真っ赤にしてこちらを見ている自分の主、魔王ルミナスと、その隣でニヤニヤしたり豪快に「カカカッ」と笑うサタール・ベルゼリオ・マノンの姿。

 それに、その少し後ろの方で倒れてるルイン。


 ……と、その後ろで親指の爪を噛んでこちらを睨んでいる、もう一人のルイン。



 ―――私は、混乱した。



 それも当然である。何故なら、自分はルインと一緒に王国の調査に行き、そして途中で気を失った。

 目が覚めたら、こうなってた。


 こんなの、誰だって混乱する。



「えっ……と、どういう状況なの……? これ」



 私は、皆に聞いた。

 私の質問に答えたのは、「イヒヒヒッ」と気持ち悪く笑うサタールだった。



「あぁ、アスモフィ。寝起きでわりいが、聞いてくんな!」


「バッ、おい、やめろ、恥ずかしいだろ!」



 サタールの言葉を封じるように、ルミナスが手を出す。

 が、サタールはそんな事気にもせず言葉を続ける。



「アハハッ……大将の奴、お前さんにキスしたんだぜェ?!」



 え。



「まるで眠ったままの姫さんを起こす、物語の王子様みたいになァ!」



 え。え。



「アハハッハハッ! まさか本当にやるなんてな! 冗談で言ったつもりだったんだが!」


「は、ハァ!? 冗談で言ったのか!?」


「フッ……」


「おいベルゼリオ! 今笑ったな! テメェ笑いやがったな!」


「ああいやすまない。冗談……まあ俺は嘘は言っていないが、まさか本当に接吻で起きるとはなッ!」


「おぉぉぉい!」



 え。え。え。

 嘘でしょ?これ、本当の事なのよね。


 え、えぇ……。

 何で私起きてなかったのよ!もう〜!私のバカ!



「えっと、えっ……と。何から言えばいいのか……」



 ルミナスは、気まずそうに話しかけてきた。

 それに私は答える。


 平然を装って。 



「だ、大丈夫よ。おはよう、皆」


「おお、アスモフィ。意外に冷静なのな!」



 そんな訳ないでしょう?!

 あーもう!



「一ついいかしら?」


「な、何だ?」


「後ろに居るルインちゃんはどうするつもりなの?」


「あ、あぁ、そのことか」



 すると、ルミナスは後ろを向いて歩き出す。

 倒れてるルインちゃん……の方ではなく、建物の陰に隠れていた方のルインちゃんの方へ行った。


 どうやら、気づいていたみたいね。



 さて……この一瞬で冷静にならないと……。


 そう思い、私は目を閉じ、深呼吸を始めた―――





 さて……ルイン。

 何故そこまで殺気を放っていたのか、教えて貰おうか。



「ルイン、そこに居るのだろう?」



 俺は、力を感じ取った場所へ向かった。

 後方の建物、その陰だ。



「……はい」



 そこから、予想通りルインは現れた。


 のだが、その表情がとても険しい物だった。非常にムスーっとしている。



「ど、どうしたというのだ」


「……キス」



 え?



「……キスですよ」


「あ、ああ。それがどうした?」


「主様がっ! あの女とキスしたんですよ!」



 ―――大噴火。


 ドッカーンと勢いよくブチギレられた。

 一体……俺が何をしたと言うのだ……。



「―――にも―――ください」


「え?」



 とても小さな声で呟かれた。

 ので、上手く聞き取れなかった。


 すると、今度は聞こえるように大声でこう叫んだ。



「私にもしてください!」



 えっ……。えぇぇぇぇぇぇっ!

 待て待て待て待て!どうしてそうなる!

 話が飛びすぎだろう!



「それは……嫉妬かしら?」



 すると、今度はアスモフィが参戦してきた。



「むぅぅぅ……! 貴女ばっかりズルいですよ!? いっつもいっつも!」


「フフン、それが現実なのだから、受け止めなさい!」


「―――キス」


「……。…………。………………。〜ッッッッッ!」



 け、喧嘩を始めてしまった。

 これは俺が原因、なんだよな……?


 うぅ、一体どうすれば……



「大将」



 そう苦悩していると、うりうりとサタールが肘で突っついてきた。



「なんだよ……」


「ルインの嬢ちゃんにもしてやりゃいいんだよ」



 うぅ……やっぱりそれしかないのか?



「もうキスなんて、慣れっこだろ? 一つや二つするくれぇ、変わんねェって!」



 誰が慣れっこだと?

 クソ……サタールの奴に良いように遊ばれてる気がしてならねぇ!


 が、そうこうしてる内にも2人の喧嘩はヒートアップしていく。



「だーかーらー! 別に嫉妬じゃないんだよ!」


「なんなの! 嫉妬でしょ!? 認めたら!」



 いつの間にか、タメ口になっている。

 喧嘩するほど仲がいいと言うが、まさしくそれなんじゃないか?この状況。


 だが、こんな事をいつまで続けていても埒が開かない。

 こうなったら……仕方ない。


 この騒ぎに乗じて、やるしかない!


 正直、恥ずかしくて燃え死にそうだが。



 俺は、ルインに近づき、そしてその顎を上に上げた。

 いわゆる、顎クイという奴だ。



「ひゃっ、えっ、えっ、あるじひゃまぁ?」


「え、ちょ! ルミナスさま!」



 ええい煩い。こちとら覚悟を決めたんじゃ!



「ルイン、今は……これで我慢してくれ」



 俺は自分の唇を、そのままルインの唇に―――




 ―――ではなく、その横の頬につけた。



「ひゃぁぁぁぁぁ」



 ボンッ!という効果音と共にへなへなとその場に座り込んでしまうルイン。

 クッ……恥ずかしくて死にそうだ。



「むぅ! ルミナス様!? もう一度私にもしてください!」


「ちょ、おい待て! 何故そこまで俺とのキスに拘る! そういうのは、好きな男とするものだろう!?」


「え……?」


「あ」


「あっ……」


「あちゃー」



 え。皆どうしてそういう反応をするの?

 アスモフィが困惑し、サタール・ベルゼリオ・マノンの順番に目に手を当てながら、ため息をついていた。


 なんか俺、マズイこと言った……?



「そうね……そういう人だったわね、貴方」



 なんか、アスモフィにまで呆れられてしまった。

 え、えぇ……。一体何なんだ。



「いいわ……おねぇちゃんからいく事にする! 貴方の唇、奪わせなさ―――」



 アスモフィがペロリと唇を舐めながら、俺の方へ歩み寄ってきた、その瞬間だった。





「いい加減にしなさい。魔王、その体たらくは何? ふざけないでくれるかしら。浄化されなさい! “矢雨アローレイン”ッ!」





 アスモフィに、唇を奪われそうになったその瞬間、空から現れた声と共に降り注ぐ矢の雨が俺達を襲った。



「『守護ガーディアン』ッ!」



 矢の雨はアスモフィの守護壁によって防げた。

 しかし、一体誰がこんな事を……。



「この声は……まさか、ね」


「ああ、冷酷様のおなーりー、だなァ……」



 冷酷様……?

 一体、誰なんだ?俺のことを“魔王”と呼んだ……ということは、まさか……?




「私の名前は、レヴィーナ。魔帝八皇、【嫉妬】の妖精エルフよ―――」


この後は20:00です!5章開幕!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ