case.22 魔王の帰還とオーバーキル×4
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「『大罪解放―――【憤怒】』ッ!」
俺が、そう叫んだのと同時に、空に一つの裂け目が生まれた。
これが、俺の新技。
何も、ただ魔法陣に貼り付けられて、死の運命を待っていただけではない。
俺は、サタン達の力を借りて魔法陣を脱出。その後、ルインとアスモフィを回収し、残りの魔法陣にレオンとダレスが居ないのも同時に確認。
そこから、犯人はレオン達だと断定。まずはそれを片付けようと考え、ルイン達を安全な場所へ隠した。そして俺は魔法陣に戻り、あとから現れたレオン達にそのまま殺されるフリをした。
そしてレオン達を叩ける、絶好のチャンスを狙っていた。
それがさっきだ。
外に出た俺は、仲間になって一緒に戦ってるベルゼリオや、いつの間に参戦していたマノンに驚いたが、それにツッコまず、レオン達を叩くことにした。
……と、今までの状況を説明するには、これで十分だろうか。
話を戻そう。
俺の新技、『大罪解放』。これはサタン達の提案で作ることにした技で、この技を使うと一時的に自分の身体を、自分の中に居る“大罪”達に貸すことができる。
その時間は、本当にごく僅かなもので、その間約1分。
本当に一瞬だけしか、貸すことが出来ない。だが、それだけあれば。
『―――派手にブチかましな』
運命のバトンタッチ。
俺の意識は、視覚的な物のみとなった。
「おう……任せときな。1分もありゃ……小指が当たっただけでも死ぬくれェにはしといてやれるからよ」
頼もしい限りだ。
今回バトンタッチしたのは、【憤怒】……つまりサタン。
そしてその目的だが、これは単純明快。俺が疲れているのと、戦闘のプロにお願いするのが一番楽だと思ったからだ。
俺は1分の間に体力・魔力を回復させる。そして、残りの力を全部叩き込む。
あぁ、ちなみにだが。俺の魔力と、サタン・ベルゼブブの魔力は別で存在していて、使うのはそれぞれの魔力だ。
「残り50秒くれェか。余裕だな。おい、そこの魔王の仲間達!」
「「「???」」」
あぁ、全員頭に「?」マークを浮かべてるよ。そりゃそうだよな。突然、魔王が自分のこと魔王って呼んでるんだし。
「答えなくていいから聞け。今から30秒くらい、俺が全力でアイツらに技を叩き込む。最後は魔王と一緒にトドメをさしてくんな。お前らも疲れてるだろうからな。優しいサタン様が、代わりに戦ってやるぜ」
そう、簡単に説明するサタン。
サタール達は、少しずつ状況を理解してきたのか、無言で頷き、少し後ろへ下がった。
「へッ……残り40秒ってところか。丁度いいや」
手に、炎の魔力を集めながらレオン達へと近づく。
「さて、転生者達。灰になる準備は出来てるかァ? 出来てるよなァ!! オラァ! 燃えろ燃えろォ!」
走りながら、離れている二人に炎の魔力弾を撃ちつけていく。
「チッ、突然どうしたんだ! 性格が変わった……? クソッ! おい、ダレス!」
「グルァァ!」
レオンの指示で、ダレスは俺の前へと立ちはだかる。
が、
「雑魚がよォ! “豪炎華・向日葵”ッ!」
ダレスの足元から現れた一輪の花……の蕾。あの形態は、魔力充填モードだ。
さらにサタンは続けて、
「まずはテメェからだ! 筋肉ムキムキ野郎ッ! “豪炎華・千日紅”ッ!」
見たことない、技……。
空に浮かぶ無数の花。小さい花。その蕾が、一瞬にして開く。
開花は、魔法発射の……合図!
「うぉりぁぁぁ! 燃え盛れぇぇぇ!」
全ての花から放たれた魔力砲は、ダレスの元へと集中していく。
あれは、相当なダメージだろう。
そして続けて、待機状態だった向日葵の花もさいた。
中央に炎が集まり、やがてそれが放たれる。
その狙いは―――
「次はオメェだァァァァッ!」
レオンだ。
「グァァァァァッ!」
しっかり着弾した。
と、いうか着火した。
「残り5秒……これが最期だァッ! 燃えろ燃えろ燃えろ燃えろォ! “豪炎天”ッ!」
空から降り注ぐ無数の魔力弾。
炎の雨が、レオンとダレスを襲う。
そしてその後すぐ、俺の身体の感覚が全て戻ってくる。
『後は任せたぜ、魔王』
「ああ、任せておけ」
華麗なる、バトンパス。
さあ、ここからが本当の俺のターンだ。
「魔帝八皇達よ。お前らの全力、この男達に叩き込むといい!」
俺は、カッコよく指示を出した!
すると皆、それに乗ってきてくれた。
「おっ、大将の帰還かい? いいねェその感じ! おら、行くぞ雑魚共!」
「誰が雑魚だ。だが……まあ俺もその感じ、嫌いじゃない。いいだろう。俺も全力を出そう」
「俺ァ、最初っから本気で行くけどなァ!」
全員、やる気に満ち溢れている。
と、言うわけで、早速叩き込むとしよう。
「俺の全力……」
俺が得意な魔法属性は……炎、雷。その2つを使った、最強の大魔法……。
何かないか……?
『フン、それなら。“焉魔法”を使えばいいだろうが』
焉魔法……。ああ、そうか。
そういえば、そんな魔法もあったな。
確か、俺が使えるのは……。
『壱・焉炎』
『弐・焉雷』
そうそう。それそれ。
それぞれサタンとベルゼブブが答えてくれた。
なら、それを使うとするか……。
あの魔法、結構代償が大きいから使うの躊躇ってきたんだけど……。
『安心しろ。我らが調整してやろう』
助かる。本当に都合の良い……ん"ん"っ"。
何でもない。
そうこうしている内に、サタール達が攻撃を始めた。
「先にいかせてもらうぜェ!?」
そう言ってサタールは駆け出し、そして高く飛び上がった。
その手には、4本の刀が握られていた。
「“鬼龍流奥義・百鬼夜行”!」
そしてサタールが飛び上がったのと同時に、今度はベルゼリオが駆け出した。
「俺もお前に合わせようッ!」
そうしてベルゼリオは、背中と腰の剣を順番に取り出した。左腕が無くなっているので、どちらも右手で持っていた。
「“鬼龍流奥義・牙竜天睛”ッ!」
サタールが技を放つ直前、同じタイミングでベルゼリオも技を放った。
さらに、それに加えて……だ。
「俺もいっちょブチかますぜェ!!!」
マノンの奴も空へ飛んだ。サタールとは反対側だ。
「“高速詠唱”、“二重詠唱”、“魔法暴走”」
マノンは畳み掛けるように、補助技を使った。
そして、一気に魔力を解き放つ。
「“爆発炎魔・絶殺”」
やけにカッコいい名前の爆発炎魔だな。
そして3人の攻撃が、ほぼ同タイミングでレオンとダレスに当たった。
爆発によって煙が巻き起こり、その中から悲鳴が聞こえてくる。
そしてそんな喧騒の中、俺は両手に魔法を溜める。
「焉魔解放―――」
右手には黒い炎が。
左手には黒い雷が。
「『“壱・焉炎”』」
まずは黒炎を放つ。
続けて、
「『“弐・焉雷”』」
黒雷を放った。
煙が巻き起こった場所に、トドメの一撃が入る。
「『『我らが焉魔の前に、滅びよ―――』』」
容赦なく叩き込まれた俺達の一撃は、転生者達の死を、確信させる物になったのだった。
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