case.19 三神一体VS最高天空主神
※今度改稿します。眠すぎた。
「誰だ」
ゼウスは問う。
「俺の名はベルゼリオ。誇り高き魔帝八皇の一人にして【暴食】を司る騎士である!」
それにベルゼリオは応える。
「魔帝八皇……そうか。竜の子よ、貴様もこの鬼や獣と同じだという事か」
「そうだ。だからお前を倒す。それだけだッ!」
ったく……この男は。いつもそうだ。何かあれば、いつも良いところで俺を助けてくれる。
だから俺はそんなコイツに……
「おい、サタール、マノン。立てるか」
「おう。お前のお陰で、俺にかかる圧は消えたみたいだ! もう余裕だぜェ!」
「俺も行けるぜ!」
「ならいい。早く終わらせるぞ」
俺は回復魔法をかけながら、立ち上がる。
「愚かな。我に刃向かう者が一人二人増えようが、所詮雑魚なのには変わりないのだから」
「フッ、だがな。神よ。お前は今から、その雑魚に淘汰されるのだ」
ベルゼリオは、ゼウスにそう言った。
随分と強気にいくな。それだけ勝算があるというのか?
「……戯け。貴様も裁かれるがいい!“天空神之絶対判決”ッ!!」
マズい! あの攻撃は……
「―――『龍神化』」
刹那、ベルゼリオの身体が大きく変化していく。
「……何故だ。何故効かぬ」
シヌガヨイ……どうやらベルゼリオには効かなかったようだ。
「俺も気になる。どうして、お前には効かなかったんだ……?」
「単純な話だ。先程のアレは、精神力を削ぐ技なのだよ。つまり、思い込みが激しい奴ほど、この技を受ける確率が上がるのだ」
精神力を……。
なるほど。完璧に理解した。
「クッ……あまり頭に乗るなよ」
カカカ……ゼウスの奴、かなり動揺してるじゃねぇの。
この調子なら、いけるかもな。俺と、ベルゼリオとマノン。3人なら、殺れる!
「おい、2人共!」
突然、マノンが大声を上げたので、驚いてそっちを向いた。
「と、突然どうしたんでい」
「作戦がある」
「マノンの作戦だと? あまり俺を笑わせるな」
ベルゼリオは苦笑しながらそう言った。
俺も笑いそうになるが、それをこらえてマノンに聞く。
「作戦、ねェ。どんなんだい?」
「おう、ざっくり言うぞ! サタール、お前がアイツの隙を作れ。そんでベルゼリオ、お前がそこでダメージを稼げ。最後に俺がアイツをブチ壊す! それでお終いだ!」
……おおう。中々ざっくりした作戦だな。
まあつまり、マノンがフィニッシャーってぇことだよなァ?
「何か、勝算があるのかい?」
「ねェ! が、自信はある!」
無いのかよ。
まァいいってことさね。
今の俺たちなら、できる気がしてならねぇからな。
「面白いじゃないか。いいだろう。俺はその作戦に乗った」
ベルゼリオも、この作戦……(と呼んでいいのか分からないが多分作戦だろう)……に乗るようだ。
もちろん、俺も乗る。面白そうだし。
「話は終わったか」
「ああ。律儀に待っててくれてありがとさん。これで心置きなく、お前を倒せるぜ……ッ!」
俺は、マノンの作戦に乗ることを己の行動で示すべく、ゼウスへと向かって駆け出した。
「きっかけは俺が作る……ッ!“八雲”ッ!」
地へ降り立っていたゼウスに、斬りかかる。
ゼウスは、光で出来た剣を持って、俺の剣を跳ね返さんと対抗している。
「愚かな。神に立ち向かうなど……ッ!?」
ゼウスが、驚いた声を上げる。
それもそのはず。俺の攻撃は、しっかり、着実にゼウスへとダメージを与えていたから。
「何故ッ、その刃が我のような最高神に届く!?」
「“真・飛剣”ッ!」
俺はさらに追撃をする。
何としても、ベルゼリオに繋ぐんだ。
「グゥゥッ……ッ! 許さぬ。許さぬぞぉぉおッ! “天空神之守護”」
ゼウスは守護壁を展開するが、俺はそれを紙のように切り裂いていく。
いくら神といえども、動揺くらいする。そしてその動揺が、精密さを欠く。脆い。これが神の力なのか、と疑うほどには、守護壁が脆かった。
「何故ッ! 何故なのだっ! ふざけるな……ふざけるなよッ!」
ゼウスが、下を向き拳を握りしめている。
今だ……っ!油断大敵、だぜ……神サマよォ……!
「ベルゼリオッ!」
「応!」
俺の掛け声で、ゼウスの背後からベルゼリオが襲いかかる。
「なっ……ッ! 後ろから……だとッ!?」
「“龍龍”ッ!」
ベルゼリオは、切り落とされた左腕の痛みをもろともせず、残った右手に持つ一本の剣だけで技を放った。
もちろん、俺に気を取られて油断していたゼウスはダメージを受ける。
「グァァッ! 馬鹿な……そんな馬鹿な事がッ!」
よろけながら、ゼウスは再び宙へ浮いていく。
「まさか、この力は……いや、でもそんな馬鹿な……ッ!」
「煩えなァ! いいから魔王を返しやがれ!」
すると、先に宙へ飛んでいたマノンが溜めていた魔法を放たんと、ゼウスの目の前に現れ出た。
「あり得ん……あり得ん……! その姿を、現せ! “天空神之心眼”!」
そう、ゼウスは言った。一体、彼に何が見えたというのか。
分からないが、突然ゼウスは狼狽え始めた。
「そんな、馬鹿な……! 創造の神に、維持の神……それに破壊の神だとッ!」
何だ。一体何だと言うのだ。俺たちが、神?
どうも、ただの褒め言葉にゃあ聞こえねェが。
しかしマノンは、そんな言葉に構わず魔法を放つようだ。
「ま、待て。やめろ……ヤメロ!」
「“爆発炎魔破獄壊滅之宴”ッ!」
これが恐らく最後の一手になるだろう。それ位の魔力濃密度、そしてそれ相応の威力を感じる。
それなら……
「おい、ベルゼリオ。マノンの野郎に続くぞ!」
「応。任せろ!」
俺とベルゼリオも飛んで、大技を放つ準備を始めた。
その間に、マノンの大技はゼウスに当たる。
轟く爆発音。俺達はそれに続いた。
「俺達の分も喰らえや……ッ! “覇王斬千型”ッ!」
「龍の怒りを受けてみよ!“龍鳴地変”ッ!」
刀と、剣による最後の攻撃。
これが、ゼウスの最期だッ!!!
「グァァァァァァァッ!! 馬鹿な……そんな馬鹿なァァァァァァ!」
ドオォォォン……。という爆発音が響く。
ゼウスが、マノンの爆発魔法によって爆散していく音―――
「呆気なかった……な。これで、終わりなのか?」
随分と、弱かった気がする。神の名が廃るくらいには。
だが、現実にゼウスは消えた。
俺達の勝ち、なのだろう。
「終わった、のか?」
「だが、妙っちゃ妙だがな……」
マノンとベルゼリオも、何か足りないと感じているようだった。
「あれ……そういえば、大将達は……?」
ふと、思い出したようにそう呟いた。
マノンの言葉では、あの神の中に居るって話だったが……
「居ねぇ……。まさか……そんなまさかッ!」
突然、マノンが焦り始めた。
一体、どうしたというのか。
「おい、マノン。どうしたんだ」
「マズいぞ、これは。さっき倒したゼウスは、偽物だ」
に、偽物……?
「本物が……何処かに消えやがった―――」
おいおい、マジかよ。
どうやらまだ、この戦いは終わらなさそうだ。
マジで寝不足かもしれない。
と、言うわけで明日も2回行動。




