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白夜の夜明け
勇者が見た世界は―――
あの時、俺が見たのはイヴだった。
破壊神、イヴ。
奴が、あの巨人の心臓部に、囚われているような態勢で居たのだ。
そして、奴は俺と目が合って―――ニヤリと笑ったんだ。
俺は咄嗟に身体を動かしていた。
アニキを守らなくちゃ。そう思ったから。
気づいた時には巨人の右腕は、体内のイヴの動きとリンクするように動いていて。
確実にそれはアニキを狙っていた。だから、守らなくちゃって思った。
アニキがやられたら、世界が終わる。
俺なんかが生き残るよりも、アニキが生き残らなくちゃ駄目だって直感で動いていた。
例え死んでもいい。
それで世界が守れるのなら。
それが、俺の使命だと思うから。
勇者としてこの世界に来て、ようやく果たせた俺の使命。
『何か』を守る―――そんな、簡単なようでとても難しい大役を、俺はちゃんと果たせたんだ。
だからあとは任せよう。
アニキ―――いや、この世界に君臨した、あの人に。
「魔王様―――あとは全部貴方に任せますよ」
勇者の代わりに、世界を救ってください。




