十二の神の、力の継承
来週には完結予定です
その時、俺には何が起こっていたか分からなかった。
「う……ウリエナ……? ガブリエラ……?」
まだ、最後のエリアに居た影響でイヴと戦っていない者たちだ。隣には、二機の“マザー”も居る。
だけど、その中の誰一人だって、動くことはなかった。
―――一体、何が起きた?
周りには、俺と同じく呆然と立ち尽くす者が居た。
白夜と、月夜。たったの、二人だけが。
それ以外は、その場に倒れ込み動かない。
まるで死んでしまったかのようだ。
『チッ……流石に、俺一人じゃ無理が過ぎたか……ッ!』
空からは、そんな悔しそうな声が聞こえた。
ボーッとする頭のまま空を見上げると、そこには一体の神が空に浮いていた。
二本の槍を携えた、一人の少年。
「お前は……」
『悪く思うなよ? これでも俺が守れる奴は全力で守ったんだ。まだ安否は確認して無いが、命だけは何とか助けられたと思うぜ?』
その神は、そう言ったのだ。
自分が冠する名とは真逆の、“守る”と言う言葉を。
「……本当だ……。見たところ急所は外れてるし、深い傷も負っていない。これは全部お前がやってくれたのか……? ―――ポセイドン」
そう。
俺たちを守ってくれたのは、“破壊”の名を冠する三体目の神、ポセイドンだったのだ。
『ああ。あんま言いたくは無かったんだが……俺は元々“破壊”じゃなくて“大海”の神だったからな。海は壊す事も得意な反面、守る事も得意なんだよ。だから……その力でお前らを助けてやっただけだ』
「でも……どうしてお前が?」
『ンな事……決まってんだろ。―――俺が、アイツに……イヴに裏切られたからだよッ!』
ポセイドンはそう声を荒げると、そのまま地面まで降りてきた。
彼は言葉を続ける。
『“オメーは最後の切り札だから”、なんて言ってずっと俺を温存してくれた。俺に寵愛を与えて、その結果俺は破壊の神に至れた―――今の俺がここに居るのは、全部アイツのお陰だったのに……アイツはもともと俺の事を見てくれていなかった……ッ!』
「お前……」
『悪いかよ……ッ! 俺だって俺なりにアイツの事を尊敬してたんだよ。慕ってたんだよ……ッ! だけど、こうなっちまうんだったら……見捨てられるんなら―――俺の行く先はもう無いんだよ……』
「―――それなら。お前はどうしたいんだ? 俺はお前に、協力したい。お前がやりたい事を、俺は全力で叶えてやってもいいと思っている」
『……どうしてお前が』
「それは、お前が俺の大切な仲間たちを守ってくれたからだ。本当は……それをしなきゃいけないのは俺の役目なのに……」
『魔王―――いや、ルミナス……』
「だから、何かあるなら、遠慮なく言ってくれ。俺は、お前に恩返しをしなきゃだからな」
心からの言葉だった。
敵がどうとか、もうそんな話をしている場合では無いのだ。それが分かっているからこそ、ポセイドンもこういう動きをしたのだと思うから。
『俺が……どうしたいか、か。それなら、決まってらぁ』
「なら、やってやろうぜ?」
『あぁ。―――アイツを一発ぶん殴ってやる。その為には……お前の力が必要だ。力を、貸してくれるか?』
「―――当然。俺はいつだって神を受け入れる準備は出来てるんだからな?」
◆
『―――無事ですか?』
ン? 俺っちかい?
『貴方以外に誰が居ると?』
わりィな。冗談だ。それより何だよ?
『だから、無事ですかと聞いているんです』
ンなの見たら分かるだろ? 無事、無事じゃねーよ。カカッ!
『……もう、動けなさそうですね』
ああ。情けないがな……。
『それなら、一つ提案があるのですが―――』
あぁ、それなら俺も賛成だ。ちょうど一つ提案があったところなんだがな? どうせ俺らの考えることだ、一緒だろう?
『し、しかし』
何だよ、随分しおらしくなったじゃねェか。前はもっと高慢な感じだった気がするけどな。
『……そんな事はどうでも良いでしょう? それよりも―――』
だからいいって。こんな動けない俺のところに居るよりも、行ってやってくれよ。多分……そういう運命なんだよ。
『……本当に、いいんですね?』
ああ、本当に―――って、ほら。アイツらもどうやら同じ選択をしたみたいだぜェ?
『アァ、行こうぜ? アイツも“それが一番だな!”って言ってたし』
『多分残っているのは我々三神だけでしょうからね』
な? 分かったらとっとと行ってきな? 世界が本当に終わっちまう前に、さ。
『……分かりました。それでは―――行ってきますね』
あぁ……頼んだぜェ……。
―――大将、後は全部……託したからな。
▶サタールはスキル『創造ノ剣聖』を失いました。
▶代わりにスキル『剣聖』を再獲得。
▶マノンはスキル『破壊ノ爆魔』を失いました。
▶代わりにスキル『狂乱ノ爆魔』を獲得しました。
▶ベルゼリオはスキル『守護ノ絶盾』を失いました。
▶代わりにスキル『絶盾』を獲得しました。
◆
『それじゃあ、俺の力をお前に託す―――』
そこまでポセイドンが言いかけたときだ。
「……ん? あれ……は……?」
『どうかしたのか?』
俺の視界の先にあったのは、三つの光。
少し離れていて見えないが、それぞれが誰かの身体から出てきたみたいだ。
『ン……ありゃあ……なるほどな』
ポセイドンが何かに気がついたようだが、それを聞くよりも早く三つの光はこっちまでやってきた。
そして、俺の前でフヨフヨとしばらく浮いたあと、三つとも一気にその輝きを増して俺の視界を奪った。
しばらくして目が慣れてくると、俺の目の前には三人……見知らぬ顔が立ち並んでいた。
「お前たちは……?」
『我々は……《十二神将》―――ブラフマーと……』
『シヴァだ』
『ヴィシュヌ、と申します』
「な……お前たちって確か、サタールたちの―――ッ?!」
その名前を聞いて、俺はもちろん驚いた。
何故俺の前に来ているんだろうか? 俺と同じように力を継承したんじゃないのか? サタールたち三馬鹿に。
『これが、アイツらの願いなんだよ。お前に力を託してやってくれ、ってな』
「アイツらがそんな事を……?」
『ええ。だから、これ以上の問答はただの時間の無駄です』
『すぐにでも、力の継承をしましょうか』
「そ、そんな事急に言われても―――まあ、別にお前らがいいんなら俺も構わないが……」
さっきポセイドンに、“いつでも受け入れる準備は出来てる”とか言っちゃったしな。
『ならば、早速まとめて始めましょうか』
『ああ。これで遂に揃うんだろ?』
『みたいですね』
『おら、お前ら。とっとと準備しろよ?』
ポセイドンが三馬鹿―――もとい三神にそう言うと、『分かってるよ』と答えて俺のもとへとやってくると、俺に手をかざした。
『そんじゃあ、始めるぞ』
「ああ。いつでも問題無いぞ」
『―――じゃ……あとは託したからな。一緒にアイツをぶん殴ってやろうぜ?』
まずはポセイドンが。
そしてそれに続くように、
『皆を守る力と―――』
『奴に対抗できる、俺の破壊の力と―――』
『自分の創造の力で―――』
『『『―――世界が消えるのを止めて』』』
ヴィシュヌと、シヴァと、ブラフマーも俺の中へと消えていった。
「これで―――遂に全ての力を集める事が、出来たのか……」
随分と長い道のりだったな。
目指していた形とは、少し違うけど―――でも、これが俺の行き着く先だったんだ。
「アニキ―――」
「おにいちゃん―――」
「二人とも。来てくれたのか」
白夜と月夜が、とぼとぼとこちらへやって来た。
俺はそんな二人に手を差し伸べると、こう言ってやった。
「……やろう。俺たちが、世界を救うんだ」
「……俺たちが、」
「―――世界を」
空には、禍々しい球体が一つ。
再び赤に染まった大地で、残された敵はただ一体―――あの、変わり果てたイヴのみ。
アイツが、この世界を壊す前に―――俺たちが、アイツを倒すんだ。
「その為の力なら―――もう、俺たちの手の中にあるッ……!」
行こうか。
最後の、戦いに。
▶スキル―――統合進化開始。ステータス、変化。
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【ルミナス】
種族 支配神
職業 魔王
性別 男
レベル 500
所持品 《支配の宝玉》
スキル 『支配』(対象の行動支配)
『転生』(死亡時発動の転生効果)
『神威』(能力全開放)
『絶対ノ権能』
⇒『死神王』(死の権能)
⇒『武神』(武具生成・使用)
⇒『極魔術』(全魔法使用)
⇒『幻影天魔』(幻惑・治癒)
⇒『絶対防御』
(物理完全防御)
⇒『絶対守護』
(魔法完全防御)
⇒『絶対狂化』
(攻撃力限界突破)
⇒『絶対治癒』
(完全蘇生・治癒)
⇒『絶対命中』
(攻撃の確定命中)
⇒『絶対殲滅』
(全感覚器の能力向上)
神将スキル 『《猿神》』(雷電の力)
『《神帝》』(神帝武流の使用)
『《冥神》』(分身の力)
『《陽神》』(陽術の力)
『《月神》』(陰術の力)
『《群神》』(大群召喚の力)
『《時神》』(虚時空間の操作・超越)
『《天神》』(運命の操作)
『《海神》』(破壊の力・水操作)
『《護神》』(守護の力)
『《壊神》』(破壊の力)
『《創神》』(創造の力)
システムスキル 『Scarlet』
特殊技能 ◆魔刃・魔剣・魔鎌
◆縮地
◆魔力変換
◆魔力吸収
◆付与
大和流剣術・九重の調
一重『衝波』二重『天翔』三重『閃光』
四重『地響』五重『螺旋』六重『気斬』
七重『朧影』八重『地獄』九重『殲光』
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夜は最弱姫プ更新




