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魔 帝 八 皇

若干眠い

魔 帝 八 皇




「い、いつの間に……ッ!?」

「アニキ……これって一体―――」



 白夜は首を傾げながらルミナスにそう問いかけるが、当のルミナスにすらこの状況は理解できて居なかった。



『魔帝八皇、か。魔王に属する八つの種族の精鋭達―――という認識だがよ……こりゃあどういう事だァ……?』



 目の前に立ち並ぶ八人の人物に―――いや、その気配や容姿に、イヴは驚きを隠せない様子だった。


 それもそのはずだろう。

 だって、彼らはただこの場に戻ってきた訳では無いのだから。



「よっ、お前ら。無事だったみたいだなァ?」



 サタールは、もともとこの場に居なかったメンバーにそう話しかけていた。



「まあね……ルミナス様のお陰で大事には至らなかったよ」


「私も不覚だっただけよ! 本当なら今頃そこの神をブッ殺してるところなんだから!」


「もう、無理しちゃって。お姉ちゃんたちは一回負けたのよ、それは認めなさい!」


「わ、私はまだ戦ってすらいませんけど……」



 ルヴェルフェ、レヴィーナ、アスモフィ、そしてルシファルナの計4名がそれぞれ別のエリアからここまでやってきたのだ。

 前3名に至っては、アスモフィの言うように一度イヴに敗北し気絶した状態だったのだが、恐らくそこから回復して戦線復帰に至ったのだろう。


 そしてルシファルナに関しては、イヴが今の覚醒状態に至る際に誤って結界を解放してしまい、その結果こちらのエリアに戻ってこれるようになったのだ。



「うぅ……なんか勢いでこっちに来ちゃったけど……やっぱり主様と一緒にぃ…………」



 なんて言って、不安げにルミナスの方をチラチラ見ているのはルインだ。彼女も、集まってる魔帝八皇たちの気配を感じ取ってすぐに向かったが、若干ノリと勢いで来たような部分があって後悔してる様子だった。



「うっしゃ……! 久々に全員集合じゃねェか?」


「ああ、だなッ!」


「我が主に活躍しているところを見ていただける、絶好のチャンス……逃しはしない!」



 ようやく八人が揃った事に、興奮が隠せない様子のサタールとマノン。そして戦うことを若干嫌がっていたベルゼリオですら、心変わりをし戦えることに喜びを感じているようだった。



『八人……しかも全員が神クラスのチカラを保有しているとはな。これも奴ら“大罪”のせいだな……面倒な事をしてくれやがって……ッ!』


「なんだか知らねーけどよ。とっととおっぱじめようぜ? オレはもう戦いたくて仕方ねーんだよ!」


「カカッ、マノンの言う通りだな。ゴチャゴチャと喋ってるくらいなら戦ってた方がよっぽど性に合ってらァ」


『フッ……ククク……いいだろう。八人纏めて相手をしてやる。かかってくるといいッ!』



 イヴもだいぶ疲労し、苦しそうな様子だが……それでも軽いフットワークを見せると、拳を突き出してサタールたちを挑発しながら臨戦態勢に入ったのだ。

 その様子を見て、魔帝八皇たち八人も各々の武器を構える。


 そして、意を決した様子で言葉を紡ぎ始めた。




「さァて。やろうか、“神滅かみごろし”―――俺っち達が、神を殺す刃になろうぜッ!! 慄けッ!! 『鬼神化オニガミ』ッ!!」



「ならオレも見せてやるよッ! 全部燃やして爆ぜさせる、それが一番楽なんだよ―――吠えやがれッ!! 『獣神化ケモノカミ』ッ!!」



「フッ……我が主より賜った絶盾が我と、我が仲間たちを守ろう―――轟け……ッ!! 『龍神化リュウノカミ』ッ!!」



「面倒だけど……僕だってやるときはやるんだよ? ―――神を屠る為の術は幾つでも用意してるんだからッ!! 『邪神化マガツカミ』ッ!!」



「私もあの時の恨み怒り痛み、全部返させてもらうわッ! ―――私に貫けない物は無いのよッ! 『妖神化アヤカシガミ』ッ!!」



「お姉ちゃんだって頑張っちゃうわよ! ―――皆を癒やしの光で包む、最高のお姉ちゃんになっちゃうんだから! 『聖神化シルベノカミ』ッ!!」



「私も……許された罪を償いきるまでは戦いましょう! ―――それが、私に出来る最後の役目だからッ! 『堕神化オチガミ』ッ!!」



「私は―――主様の右腕として、成せる事は全て成し遂げます。そして、世界が平和になったら……その時は主様と―――っ!! その為に、あなたには絶対に負けませんッ! 『虚神化ウツロガミ』ッ!!」



 刹那、八人全員が“神化”を使い、その光に飲まれていった。

 それぞれが、それぞれを象徴する部分をさらに尖らせる神化は、魔王ルミナスが知っている本来の進化では無く、別の形で進化を遂げていく。


 見た目に訪れる変化はあまり無かった。

 が、代わりにその内では全員が神と同レベルに至るまでの変化を遂げていたのだ。


 その変化の結果―――




サタール―――スキル『創造ノ剣聖ソード・オブ・クリエリト

         『火焔灼炎バーニングフレアフレイム


マノン―――スキル『破壊ノ爆魔カオス・ボマー


ベルゼリオ―――スキル『守護ノ絶盾アブソリュート・ガードナー


ルヴェルフェ―――スキル『邪眼ノ呪縛カオティック・アイ

           『夢遊闘士バグファイター


レヴィーナ―――スキル『妖幻ノ心眼ファントム・イーグル


アスモフィ―――スキル『聖者ノ加護ホーリーライト・ギフト


ルシファルナ―――スキル『堕天ノ明宵フォールン・リバースワールド


ルイン―――スキル『虚空ノ殺人ヴォイド・ディザスター





 ほとんどの魔帝八皇が、己の持つ能力を一つに纏め上げる事に成功していたのだ。その能力のほとんどを格段に強化した状態で、だ。


 しかし、その変化にイヴが気づかない訳がない。

 世界を創造したアダムの力と、逆に破壊したイヴの二つの力が身の内で反発し合い、すぐにでも暴走してしまってもおかしくないイヴは冷静さを保ち、そして今、魔帝八皇たちとこうして向き合っているのだから。


 だが、そんなイヴもだいぶ限界が近い様子だった。

 『真・神威』は『神威』の上位互換―――いや、言うなれば専用技だ。


 『神威』は、アダムやイヴが《十二神将》やそれに近い神に与えていた、“能力の限界突破”をさせる為の力であり、つまるところこの力を管理していたのはイヴたち双神だったのだ。

 だから同じ力は双神には使えない。


 そうして生み出されたのが、この『真・神威』という訳だ。


 この力はアダムとイヴにしか使うことのできない、自身の能力の限界突破を可能とする力であり、それと同時にこの力に共通して言える事で肉体に多大な負荷をかけるという事が挙げられるのだ。


 通常、『神威』の圧倒的な自然治癒力のお陰で、正常な肉体であればほとんど痛みやダメージなどは感じないはずなのだが、現在のイヴの状態はまさしく“異常”だ。


 そんな状態で『神威』、それもさらに上位互換の力を使えばどうなるか、なんて容易に想像ができるだろう。




『クハハ……ッ……! 面白い、面白いぞッ!! まさかここまで壊しがいのある奴がこの世界にまだこんなに居たとはなァ……ッ!』



 とても嬉々とした様子で言ったイヴは、何ともなさそうな様子で拳を構えていた。



「ハッ! 強がってんじゃねェよ神サマ。めちゃくちゃ汗かいてんじゃねェか」


『フッ……言っただろう? “最後のあがきだ”、とな』


「んじゃあ俺っちたちがトドメを刺してやるよ。それが無理でも、せめて白夜や大将たちに楽してもらえるくらいには削ってやるからなァ? ―――ま、余裕で勝てると思うけどな。カカッ!」



 素で言っているのか、はたまた挑発目的で言っているのか。

 そう言葉を返したサタールも、剣を構えて戦闘態勢に入る。



「オメェら、準備は出来てるか?」



 そして、隣に並び立つ他の魔帝八皇に問いかける。

 その問いかけに頷く仲間たち。どうやらもう、覚悟は決まっているみたいだ。



「おーけい。そんじゃあやるか―――いんや。“殺り合おう”か」 


『ようやく、か。ここまで御託を並べてきたが―――そろそろ真なる決着を着けるとしよう』


「ああ。全力でテメェを―――ブチ殺してやるよッ!!!」



『かかってこい―――返り討ちにしてやろうッ!』





▲▼▲▼▲


スキル『創造ノ剣聖ソード・オブ・クリエリト

⇒【創造】/万物の創造

 【剣聖】/全剣技使用可能、超加速、気配感知


   『火焔灼炎バーニングフレアフレイム

⇒全炎系技


スキル『破壊ノ爆魔カオス・ボマー

⇒【破壊】/万物の破壊 

 【爆魔】/全爆発系技使用可能、分裂、威力増加


スキル『守護ノ絶盾アブソリュート・ガードナー

⇒【守護】/万物の守護 

 【絶盾】/遠距離での防御・ダメージの奪取、身体の鋼鉄化


スキル『邪眼ノ呪縛カオティック・アイ

⇒呪術発動のノーコスト化及び無詠唱発動、効力上昇


   『夢遊闘士バグファイター

⇒睡眠、気絶状態での自由行動可能


スキル『妖幻ノ心眼ファントム・イーグル

⇒急所確定命中、妖術による全幻影魔法の使用可能


スキル『聖者ノ加護ホーリーライト・ギフト

⇒対象者の即時全回復、自身の絶対防御


スキル『堕天ノ明宵フォールン・リバースワールド

⇒悪魔召喚、光量操作、堕天化、強制堕天、幻獣の使役


スキル『虚空ノ殺人ヴォイド・ディザスター

⇒虚空の力の使用及び虚空操作、絶対隠密、分身、急所確定命中



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