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トキメキ☆ヒーリング

おもろい事になってんのよ





『グッ……』


「大将ッ! こっちは任しときなァッ!!」


「我が主よ、治療に専念してくださいッ!」


「なーに。オレが居れば安心だからよ!!」



 そう言って、俺の返事を聞かないままサタールたち三馬鹿はイヴの方へと突っ込んで行く。



「三人とも……!」



 時間稼ぎ、なんて例えにはなってしまうが。

 三人には本当に感謝してもしきれない。


 折角作ってくれたチャンス……無駄にはしない。



「ミカエラ! そっちはどんな状態だ?」


「こっちは大丈夫そうよ! ただちょっとだけ衰弱してるけど……休めば治るとは思うわ!」


「了解だ! ミカエラはそのまま月夜を見ててくれ!」 


「ええ、任せておいて!」



 さて。それじゃあ俺はセラの方に集中するか。

 彼女の容態はだいぶ悪いみたいだからな。



「ルイン、すまないが周囲の警戒を任せてもいいか? また何が起こるか分からないからな」


「分かりました。こちらは私に任せて、主様はセラさんの方に集中してください!」


「ああ。そうさせてもらうよ。ありがとな」


「ひゃ……ひゃい!! ではいってきましゅ!」



 また顔を真っ赤にしてルインは周囲の警戒を始めてくれた。

 何事も無ければ、それが一番良いのだが。相手が全ての元凶イヴである以上、油断はできないだろう。



「それじゃあ私は向こうの女の子の方に行ってくるわ。多分、見た感じだと私でも治療できそうだったから」


「アルカナ―――分かった、それなら任せてもいいか?」


「ええ。すぐに終わるからそんな気にしないでね」



 そう言い残すと、アルカナも月夜の方へと行ってしまった。

 この場に残ったのは俺とセラだけだ。


 なんだか手術をする医者のような気分だが、助手が誰もいないのは雰囲気が出ないな。まあそんなふざけた事を言っている場合では無いのだが。



「さて……と。どう治療するか、だが……やっぱりアレだろうか……」



 『そうですね。私の能力ならその子の衰弱しきった身体も一瞬で元に戻ると思いますよ』



 俺の中でラファエルがそう言う。

 それならば、やはりこの力を使わざるを得ないと言う訳だ。


 俺に何か他の治癒能力があればそれを使っていたんだが、これしか無いなら仕方がない。

 クールタイムがあると言っても、そこまで長い訳ではないしな。



「ぅ……ぁ……」


「待ってろ、セラ―――今助けるからな」


「あ……な……た……は…………っ」



 かなり苦しそうな様子だ。

 そんなに苦しいのなら、今から俺がその苦しみから解放してやるからな―――



(スキル―――『絶対治癒アブソリュート・ヒール』!)



 俺がスキルを使うと、暖かな光がセラの体を包んでいく。

 光に包まれたセラの体は、少しずつその肉体を膨らませていき―――やがて元の、人間らしい肉体へと戻っていった。



「すげぇ……」



 俺の口から出た、素直な言葉だった。

 いくらスキルの力とはいえ、すごい力過ぎるだろう。この治癒力は。



「ぅ……うん……?」



 すると。どうやらセラも目を覚ましてくれたようだ。

 大事無いといいのだが……



「……ん……っ? えっ……と、ど、どどど……どういう状況―――」


「あ、混乱しないでくれ。触手に捕らわれていたお前を助け出して、ちょうど今治癒が終わったところなんだ。だから―――」



 俺はセラを抱きかかえたままそう説明する。

 まだどこか悪いのだろうか……顔がめちゃくちゃ真っ赤だが―――もしかして発熱を?!



「だ、大丈夫か……!?」


「はょえっ!?!」



 ぴたっ……とセラの額に触れる俺。

 しかし触れた直後にセラが俺の手を振り払ってしまったので、一瞬しか調べる事が出来なかった……が、相当熱かった―――気がする。やはり熱が……



「だ、だだだだ、大丈夫です! 気にしないでください!!」


「そ、そうか……? だけど……」



 だけど、心配だ。

 やっぱりまだ休ませた方がいいかもしれないな。そもそも月夜と違って彼女は戦えないのだし。



「ミカエラ、そっちは大丈夫か?」


「ええ! アルカナのお陰でこっちもだいぶ楽になったみたいよ!」


「そうか! それなら……」



 俺は再びセラの方を向いて言った。



「セラ、お前はミカエラの方へ行って月夜やアルカナたちと一緒に休んでてくれるか?」


「月夜様たちと?」


「ああ。多分だが……月夜の力―――いや、“月夜”が必要になるんだ。だから、お前の力で完全に癒やしてあげてほしい。聖女、って言われてるんだろ、セラは。なら……頼んでもいいか?」


「は、はい!! 任せてください! ……♡」



 ……なんだろう。

 何だか嫌な予感がした……けど。


 セラは俺の指示を受けて、すぐに月夜の方へと駆けていく。



「……大丈夫、だろうか」


「ぷー……主様がまた……っ」


「る、ルイン……?」


「ばかばかばかばか!! 主様のばかーっ!!!!」



「え、ええぇ……?」



 一体、何だと言うのだ……。







『(もう……厳しいかッ!)』


「オラオラァッ!!! どうした破壊神様よッ!!」


「とっとと爆ぜなァッ!!」



 サタールとマノンはイヴに、勇猛果敢にも攻めていた。

 しかしそれが意外にも効いていて、イヴは先程から少しずつ攻撃の対処に手こずっているようだった。



『(融合の弊害……かッ! 身体がさっきから悲鳴を上げている……ならば―――もう最後の『アレ』を使うしかないなァッ!!)』



 そして。

 そんなイヴは少し決意していた。


 いや、覚悟を決めたのだ。



『テメェらッ!! 俺は先のエリアに行っている! だからテメェらも絶対に来いよ? そこで他の仲間も含めて纏めてぶっ殺しでやるからよォッ!!』



 そう言い残してイヴは飛び去った。

 勇者の待つ、4つ目のエリアへと向けて。

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