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時 空 神 雷





「―――やれ、巨大アルカナッ! お前たちでイヴを足止めしておいてくれッ!!」


『『『UAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!』』』



 俺の指示を受けて、三体の巨獣モードのアルカナはイヴへと突っ込んでいく。

 本当に怪獣大決戦かのように、ドシン!ドシン!と大きな地鳴りを響かせながら、だ。


 そんな奴らに指示を出す俺はまるで悪の大魔王。

 目指せポケットのマスターだ。


(って俺、もともと魔王じゃん!?)



 なんてノリツッコミは置いといて、だ。



『チッ……アレは流石に無視できねェ……かッ!!!』



 なんて言い残してイヴは飛び去っていった。

 アレを放置したままだと、後々の展開で自分が不利になるビジョンが見えたのだろう。だから対処しに行った―――という所か。



▶ま、私の力で召喚した奴だからある程度はイヴとも殺り合えるはずよ。なんせコピー元本来の力と同じだけの力を持ったコピーなんだからね。



(なるほど。さっきのアルカナが三体に、そのまんま増えたって事なのか。そりゃ度外視できない訳だ)



 さて、となると俺たちが今するべきことは……



「主様……さっきのはもう大丈夫なんですか……?」


「そうよ。結構震えてたわよ? 足」


「ああ、それに関してはもうだいぶ収まってるよ。あのアルカナたちを見たら、な」


「私としてはちょっと複雑な心境なんだけどね」



 隣に立つルインとミカエラの不安を払拭しながら、俺は視線をイヴの方から後ろの『アレ』に向けて考えた。



「ぐっ…………斬っても斬っても次から次へと……ッ!」


「クッソ……一気に爆ぜさせたいところだが……ぐぅぅ……っ!!」



 そう。先程イヴが再び召喚した触手うで

 やはり最初に呼び出した奴と変わらないようで、通常じゃ斬れないような肉体になっているらしい。


 それに向こうには月夜やセラと言った戦闘に向いてない二人もいて、現状かなり危険な状態だ。

 サタールやマノン、ベルゼリオも居るが、三人とも触手によって無力化されていて太刀打ちが出来無いようだった。


 実際こちらからも仕掛けられる手段があまり思いつかない。

 何故かベリアルが居なくなってて、虚空の力も使えなくなっているし。



 どうしたものか……。

 そう悩んでいると、俺の中でまた新たな神が助言をしてくれる。



▶なら、早速手に入れた我が力を使ってみるといい。そうだな……この中だと、ハヌマーンかインドラ辺りの力と合わせる事で上手いこといくのではないか?



(お前は……クロノスか。お前の力っていうと……)



▶神将の力―――スキル『超越』。ありとあらゆる物の超越が出来る力だ。



(うーん……その説明だと、抽象的すぎてイマイチ分からないんだが。具体的に何が超越できるのか、それを俺は知り―――)



▶過去も未来も、現在も。時間から空間、実体から概念まで―――ありとあらゆるモノだ、と言っただろう?



(は―――? それって、ガチなのか?)



▶嘘を言ってどうする。ただ当然、未来や過去を操作しようとすれば力に制約は発生するがな。それ以外なら基本的には何でも超越できるぞ。例えば……そうだな。ハヌマーンの神雷と我が超越の力を組み合わせれば、空間から斬り裂ける雷電の完成と言う訳だ。



(空間から……? ってことは……もしかして―――)



▶まあ好きにやってみるといい。我が真の名は、農耕神に非ず。我が真の名は―――時空神、なのだからな!



「―――主様っ! どうされましたか!?」


「あ、ああいや。なんでもないんだ。ちょっとな」



 どうやらルインに呼ばれていたようで、大声で呼ばれてようやく気が付いた俺は少し誤魔化しながらも応えた。

 しかし今の会話で、この状況の突破方法が見えたな。


 クロノスと、ハヌマーンの力を組み合わせて―――か。



(面白そうだし……何よりかっこいいじゃんか!)



「それよりも、“触手アレ”の対処方法が何となく思い浮かんだから、二人はそのバックアップをしてくれるか?」


「本当ですか! それなら、バックアップは全部私にお任せくださいっ! 全部“私が”こなしてみせますので!」


「いやいやいや。ここはやっぱり私でしょ? サポートって言ったら、やっぱ天使の専門分野な訳だし。てことでここは“私に”全部任せなさい! 貴方の為になんでもしてあげるわ!」


「んー、私は? ねぇ?」



 どうやら指示の仕方を間違えてしまったようだ。

 いや、間違った気はしないが。



「いやいや、俺は二人にお願いしてるんだ! 二人じゃなきゃ駄目なんだよ!」


「「えっ……」」



 なんかときめいてない?

 心なしか頬が一瞬にして赤飯みたいに赤くなったけど。


 そんないい言葉言ったか俺?



「で、私は?」


「アルカナは状況状況に合わせて動いてくれ。一応はイヴの監視ってことで頼むぞ」


「了〜解〜」



 アルカナは俺の指示通りイヴの監視に入ってくれたようだ。

 だが、ルインとミカエラは依然として頬を赤らめたまんま。


 正直もうどうしようもないから、俺はそんな二人を置いといて行動に出ることにした。



「さぁっ……やろうか、ハヌマーン、クロノスッ!!」



 インドラ、ガネーシャ、アポロン、アルテミスと来てこれで6体目だ。

 そろそろイヴに致命傷となるダメージを与えてもいい頃合いだが……まずは目先の事から。



 ―――あの触手には刃が通らない。だが破壊の力を持ったマノンが振るった剣はどうやら通ったみたいだ。

 それなら鍵となるのは刃ではなく、それに付与された力の方か。


 俺に破壊の力は無い。

 だが……『超越』の力があれば?



▶まさか、お前―――



(ああ、そのまさか……かもな)



「―――概念を超えて、破壊の力を取ってきてやるよ」



▶そんな事ができるのか―――


▶ああそれなら―――どうやら、出来たみたいだぞ?



「は? いやいや、まだ俺何もしてないんだけど。てかこの一瞬でどうやって?」



▶ああ。過去や未来を変えるのは時間がかかるが、スキルや能力を一つ持ってくるくらいならなんて事はない―――っていうのは嘘で、もともと我が求めていた力の中にその力もあっただけの事だ。出撃前に受け取ったイヴの加護を成長させたモノだな。



(ああなるほど、そういう事か。そりゃなんだかお得な気分だな)



 だが、これでもう力が手に入ったと言うのなら。

 あとはサタールや月夜たちを触手の群れから解放するだけだな。



 ―――さあ、改めてやろうか。二人ともッ!



▶ああ。久々に力を使う気がするぞッ!!


▶我は久々でもなんでも無いが、行こうかッ!!



「スキル―――『超越』を発動するッ!!」



 俺がそう叫ぶと、手元には青白い輝きが宿る。

 多分、これでもう力は付与されているのだろう。


 俺が念じたのは、言われた通り空間を斬り裂く力。

 この状態でハヌマーンの神雷を使えば、きっと……



「想像通りになってくれよッ! ―――“猿神之降雷ハヌマーンレインボルト”ッ!!!」



 触手の群れに向けて雷を放つ俺。

 範囲内にいる者を、構わず襲う降り注ぐ雷電。



「おいおい大将ッ! そりゃマズイだ―――ろ……って……」


「ど、どういう事だ……? なんでダメージ受けてねーんだ……オレら!」



 しかし。想像通りに力が働いてくれたようで、範囲内にいる“味方”には落雷が当たらず、逆に敵には空間を超えてダメージを与えているのだ。

 分かりやすく言えば、落雷の方がサタールたち味方に当たるのを嫌って避けている―――みたいなイメージだろうか。


 とにかく、触手がいるその空間ごと攻撃したことによって、触手たちは次々と倒されていく。



「追い打ちだ―――“猿神之撃雷ハヌマーンスマッシュボルト”ッ!!!」



 残る生き残りを倒すべく、俺はさらに一撃必殺級の雷で触手たちを攻撃していく。

 空間―――つまり存在ごと斬り裂いているためか、触手たちが再生する様子も見られず、さっきまでウヨウヨといた触手たちはもう一体も残っていなかった。


 今更ながら、やっぱハヌマーンの力は強いな。

 それに、クロノスの力もチート過ぎる気がする。



「あ、主様……! 流石です!」


「大将! 助かったぜェ!」


「ありがと……お兄、ちゃん―――」



 と、ちょうどそこに、たった今助けたサタールたちが来たのだが……。



「お、おい月夜……大丈夫なのか?」


「う、うん……私は、大……丈夫。それよりも、セラちゃんを……!」


「セラ……?」



 かなりぐったりした様子の月夜。

 その顔は、まるで寝不足で死にそうな人の様だった。


 と、そんな月夜がセラを指差して言ったのだ。

 セラも相当ヤバイ状態なのだろう。



「主様! こちらへ!」


「すぐに行く!」



 ルインがいち早くセラの元へ駆けつけて、様子を見ていてくれた。が、どうやらルインの声からもセラはかなりヤバそうだと感じ取れる。

 最悪、ラファエルの『絶対治癒』を使うことも視野に入れないとだな。



「それじゃあ私は月夜ちゃんを!」


「ああ、頼んだぞミカエラ!」



 ミカエラはそのまま月夜の方へ。

 俺はそれを横目にセラの元へ行く。


 ルインに抱きかかえられた彼女を見てみると、やはりこちらも顔がげっそりしていて、まるで生気を吸い取られた人のような体つきに―――



「これ……大丈夫なのか?」


「息は……しています。ですが、どういう訳かかなり衰弱しているようで……」


「クッ……これは、使わざるを得ないか―――」




『クッ……クハハハハハッ!!! そうだ……その力を使うといいッ!』



 直後、背後から聞こえる高笑い。

 この声は―――まさかっ!



「イヴッ!!!」


『だいぶ苦戦したが……無事に片付いたぞ? ―――と……そんな事より早くしないとその女、死ぬぞ?』


「ど、どういうことだ……ッ!」


『ああ。あの触手には縛った者の生気を吸い上げる力があってな。最初からずっと捕らわれていたあの二人は、もうすぐ生気がつきかけて死ぬのではないか? と言っているんだよ』



 そんなまさか……ッ!!



『クハハハハハッ!!! 配下を守れない魔王とは、中々傑作な物だなァッ!!』


「ふざけるなッ!!」



 そんな事には絶対にさせない。させてたまるもんか。

 俺の力を総動員させて、二人を救ってみせる。


 絶対に、だ……ッ!



「待ってろよ……セラ、月夜ッ!!」




『クッ……クハハハハハハ―――グッ…………これは……もう、マズいか―――』

夜に最弱姫プ更新!

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