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神 帝 武 群

それはまるで、赤子の手をひねるように。





『まずはこのくらいから試させてもらおう―――創壊ノ泪ラスト・レイン


「全員、必ず二人以上で固まって対処するんだッ!」


「「「了解ッ!」」」



 イヴが動き出したのと同時に俺は指示を出した。

 イヴが放ったのは、アダムが使っていた技とほとんど同じ物だ。


 空から降り注ぐ、魔天―――恐らく最上級クラスの魔法だろう。

 しかしこれが魔法なら俺には全く効きはしない。



「“魔力変―――”」



 だって俺には、とそうカッコつけて魔力変換の力を使おうとしたその時だ。



「これは私に任せなさいッ!」



 そう声高々に飛び出して行ったのはガネーシャ。

 彼女は一人、降り注ぐ魔天の中心へと華麗に飛んでいくと、こう叫んだ。



「私の力の本懐―――見せてあげるわッ! 『群喚』ッ!!」



 直後、空中に現れたのは一つの時空の歪み。

 たった一つ……そう思っていると、それは何かの力によって次々と増えていく。


 一つ、二つ、三つ……それはやがて無限に、空から降る雨を全て飲み込むくらいの数にまで増えていった。



「さあ魔王ッ! 私のこの力、上手く使いこなせるかしら―――ッ!?」


「は―――おま、いきなり何を……」


「―――ありがたく受け取りなさいッ!!!」



 そう言うと、ガネーシャはそのまま俺の方へと突っ込んでくる。



▶奴が来るぞ―――備えろッ!



 さらにハヌマーンが俺の中でそう叫ぶ。

 見るとガネーシャの後ろからはイヴが迫ってきていたのだ。



『力の継承か―――そんな事はもうさせないぞッ!!』



 ガネーシャよりもイヴの速度の方が明らかに速い。

 このままじゃガネーシャは、イヴに―――



「それなら……っ! こっちこそお前に好き勝手なことはさせないぞッ!!」



 そう思った時、俺の身体はもう既に動いていた。



「援護するよっ……! “死屍肉壁アンデッド・ウォール”ッ!」


「師匠っ! それなら俺は―――“高速妨害アクセルジャミング”」



 刹那、イヴの目の前には文字通りゾンビの壁が現れて、イヴの進路を妨害していた。



『フンッ! こんなもの一撃で―――』


「させないっすよ!」


『んな……ッ!!!』



 ゾンビの肉壁を壊そうと拳を振るったイヴだったが、その拳は今度はスレイドの魔法によって妨害される事になる。

 空から、どこからともなく現れたツタのようなうねうねした物がイヴの腕を絡めとったのだ。



「二人とも、ありがとうッ!!!」


「お礼はいいから、早く力をもらっちゃいなよ!」


「ッスよ!」


「ああ、分かった!」



 もう間もなく……ガネーシャとはぶつかり合う。

 これで、6体目になるのか。


 皆、俺を信じて―――


(そうだ。消えたアイツらの分まで、戦わないといけないもんな―――)



「さあ―――受け取りなさいッ!!」


「ああ……ありがたく受け取らせてもらうぞッ!」



 最後に一言ずつ、そう交わし合うと。

 ガネーシャは光となって俺の中へと消えていった。



▶フハハ! 遂にこれで六柱目か―――残るは3体、だなッ!


▶ああ。神将スキル『群喚』を継承したぞ―――まあ、ハーデスの力とあんまり大差はないがな。


▶フンッ! あまり我が力を馬鹿にするなよ?


▶テメェら! んなどうでもいい事話してる場合じゃねぇよ! 来るぞ追撃ッ!



(―――ッ!)



 アポロンに言われてすぐに警戒態勢に入る俺。

 目の前を見ると、もうすぐそこまでイヴは迫ってきていたのだ。



『―――“破戒ノ拳デストラクション”』


「させませんっ! “慈悲の息吹セイント・エアー”!」



 拳を放つイヴに構える俺。

 しかしそんな俺たちの間に現れたのは一枚の壁だった。



『フン! 甘いぜ天使の女ッ! こんなうっすい風の壁―――こうすれば一撃で―――』


「私だけの力なら、壊れるでしょうね」


『―――ナ……ニッ!!』



 そんな壁を殴りつけるイヴは、すぐに驚いた顔に変わる。

 何故ならば、その薄い風の壁はイヴの拳でも破壊することが出来なかったから。



『それなら―――』


「むーだでーすよーっ! その壁には聖属性しか攻撃を通さない力をかけてますからっ!」


『そういう……事かッ!』


「馬鹿かよッ! お前、そういうのは通信魔法とかで伝えればいいだろうがッ!」


「し、師匠そんなに言わなくても!」


『情報提供、感謝するぞ馬鹿な天使の女ァッ!!』



「ふふん……壊して後悔するです―――」



 ダルフィーネが、やけに自信満々と言った様子でイヴを挑発した。それはまるで、罠に誘い込むかのような言い方にも聞こえたが―――


 イヴはすぐに拳に魔力を込めると、再びそれを勢いよく放ってきた。



「―――かかりましたね、お馬鹿さん!」


『フハハッ! かかったのどちらか―――』



「アンタの方なのよッ! ―――“黒棘ノ洗礼ブラックローズ・レイン”ッ!!」



 風の壁が壊れた直後、ダルフィーネの背後からはアルカナが飛び出してきた。

 そしてそのまま、尻尾から黒い棘を無数に放って攻撃を仕掛けていく。



『ナ……ンダ……これはァァァァ!!! 何故、何故我がダメージを……ッ!?』



▶クハハ! 追撃をかけるなら今だろうなァッ!


▶私の力も存分に使いなさいッ!!



(インドラ、ガネーシャ!? お、お前たち―――!)



「スレイド、行くよ!」


「了解ッスよ、師匠っ!」


「「“混合呪術カオスマジック八方要塞ケイブ”ッ!」」



『グ……ッ! 逃げ道を潰すとは―――中々どうしてッ!』



 ルヴェルフェとスレイドの師弟コンビはここぞとばかりに二人で呪術まほうを使い、魔力の檻でイヴを閉じ込めていた。



「さあ皆っ! 今の内だよ!!」


「俺たちが奴を閉じ込めてる間に……ダメージを少しでも稼ぐッス!!」



 どうやら発動してそれを維持していなければならない術らしく、二人は術行使時の態勢をキープしたままだった。

 しかしこれは二人がくれた大きなチャンスだ。


 別エリアへと行く前に、ダメージを稼がなければ。



「魔王さん! 私たちがサポートをしますから、死神さんと一緒に攻撃しちゃってください!!」


「彼女の言う通りですっ! 援護は我々天使組に任せてくださいませっ!! 大丈夫、ミカエラ姉さまが信じた貴方ならきっと成し遂げてくれるはずですからっ!!!」


「ダルフィーネ、ラフィーナ! ああ、それなら存分に感謝させてもらうッ!!! 援護、任せたぞ!!」


『はいっ!!』



 俺は二人に大きく頷いて微笑むと、すぐに気持ちを切り替えて飛び出した。



「まずは私が―――“召喚サモン強化精霊ブーストエレメント”っ!!」



 ダルフィーネは、俺の上空で何かの妖精を召喚していた。

 それは蝿のように俺にまとわりつくが、これは一体―――



▶クハハ! それは“強化精霊”と言ってな! 文字通り取り憑いた者の攻撃力を大幅に上昇させる力を持っているのだ!


▶ってことで、この力はパワー馬鹿のインドラと相性が良いわけね。



(なるほど―――インドラの……)



『小癪な……ァッ……!! これしきの術、我が新たな力で破壊してや―――』


「それはさせませんよッ!! ―――“天獄ノ檻ヘヴンズ・ケイブ”ッ!!」



 ルヴェルフェたちの檻を無理矢理破壊しようとするイヴだが、それにさらに覆い重なるようにラフィーナの放った新たな光の檻がイヴを囚えていた。


 しかし―――



『フハハッ!! いくら檻が増えたところで、全て壊せばいいだけの話だッ!!』



 ―――そう。イヴの言う通りだ。簡単に壊せるのなら、意味は無い……だが、そんな事を悠長に解析している場合でも無い、か!



「“神帝武流・神速シンソク”ッ!!!」



 俺は即座に構え、神速の速さでイヴへと詰め寄った。

 そしてそのまま檻をすり抜けて、イヴへと連撃を叩き込む。


 どうやらこの檻、敵性対象のみを封じ込める魔法らしい。

 だから俺の拳は阻まれることなくイヴを殴りつける事ができたのだ。



『チッ……邪魔な魔王だ……ッ!! とっととこの檻を壊して、今すぐお前を―――』


「させないわよ……ッ! ―――『解放リリース』……“モードチェンジ・《Accel Black Rose》”!」



 再びイヴが抵抗しようとした時、今度はアルカナが動いた。

 それは、アルカナと戦った時に彼女が使った黒い棘や茨に守られていたフォルム―――音速で黒棘を放つ、狂気の姿だ。



「穿つ―――“黒茨棘ブラックローズ”っ!」


『それしき―――ガァッ……!?』



 アルカナが放った棘は、イヴの腹を貫いていた。

 そしてさらにアルカナは。



「“モードチェンジ・《Diablos Beast》”―――ッ!!!」



 その肉体を、みるみる内に大きくしていく。

 それは、まるで巨大化した九尾のよう。


 そんなアルカナは、再びイヴへ向けて攻撃を仕掛けようとする。



▶あれよ……あれが私の力の使いどころだわっ!!!



(は……? おま、何言って―――)



▶いいから早く力を使いなさい―――喚ぶのは、アレよッ!



「わ、分かった―――借りるぜガネーシャ……お前の力ッ!! よく分からないけど、どうにでもなりやがれ……『群喚』ッ!!!」



 ガネーシャに言われるがまま、俺はスキルを発動させる。

 すると、俺たちの周囲には3つの魔法陣が現れる。



▶あれば時間がかかるわ―――今の内にインドラの力で攻撃しまくりなさい!


▶クハハッ!! 奴の肉体を破壊してやるといいぞッ!!



(あーもう……よく分からないが……やればいいんだなっ!!)



「行くぞアルカナッ!!」


「任せなさいッ!! ―――“滅獣ノ黒薔薇ディアボロス・ローズレイン”ッ!!!」



 まずはアルカナから。

 先程までと同様に、今度は巨大な黒棘を放ちつつも初手で放った棘の雨までをも降らせる巨大な同時攻撃。


 それに合わせるように俺は再び構えた。

 今度は一撃の威力を高める、高火力で攻めるべきだろう―――それならっ!



「“神帝武流・豪撃連撃ゴウゲキレンゲキ”ッ!!!」



 即席で編み出した、“豪”と“撃”と“連撃”の融合技だが……ッ!!


(案外悪くないかもな……ッ!)



『グ……ァ……アアアアアアァッ!!!』



 俺とアルカナの連続攻撃が決まり、イヴには相当なダメージが与えられたようだった。



「もう……こっちは限界―――かも!」


「ああ、それならすぐに解除をして休んで―――」



『ッ……クク。そんな事―――させるわけないだろ?』



 そんな言葉が聞こえてきて。

 気づけば―――



「嘘っ……!!」


「皆ッ!!!」



 俺とアルカナ意外の仲間たちが、イヴの手によって倒されてしまっていたのだ。



『……よくここまで俺を削ってくれたなァ? だが、残念だよ。我が得た能力は、アダムの―――命が減れば減るほど自身の力が上がっていくというなんともありがたい力でなァ? お陰でお仲間さんほとんど一撃だったわ―――』


「ク……ソがッ……!!」


『それじゃあ次に行かせてもらおう―――この強くなった俺とどこまで殺りあえるのか、楽しみにしてるぜェ……ッ!!』

明日は最弱姫プ更新

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