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sins.5 【強欲】の大罪―Avaritia sins―『Mamon』

最弱姫プの更新今日あります!!!

待ってろ!!!






「さてと……。そんじゃあ、早いとこ身体を貸しなさい?」


「……まさかそれは俺の事を言っているのか?」


「そりゃあ勿論。アンタ以外に誰が居るのよ」


「……まあそりゃそうだろうけど」



 俺はラジエルに応えながら考えた。

 多分コイツが言ってるのは、ミカエルやラファエルと同じようになるって事なのだろう。だが、それはつまり―――



「肉体が消える……か」


「あーもう! 姉様たちはそっちに居るんでしょ? なら細かい事は気にしないわ! とっとと世界救っちゃいなさいよ!」


「あ! ちょ、お前―――ッ!」



 言いながら自分の身体を俺に預けてくるラジエル。

 その肉体は少しずつ光になって消えていく。


 するとそれを見ていたベルフェゴールもこちらへやって来た。



「……ボクは寝てるからさ。頼んだよ」



 そう、たった一言だけ言い残したベルフェゴールは、ラジエルと同じように自分の身体を俺へと預けてくる。


 二人の身体は、もうだいぶ光になって消えかかっていた。



『チッ……! 流石にそろそろ看過出来ねェところまで来ちまったようだなァッ!』


「させませんッ!」


「ああ、させないよっ!!」



 しかし。そんな様子を見たイヴが俺に向かって高速で突っ込んで来たのだが、その行く手はラージエリとルヴェルフェによって阻まれる。



『どいつもこいつも邪魔ばかりしやがってよォッ!!!』


「邪魔で悪かったねっ! “邪天カースド・レイン”ッ!」


『ウゼェッ! ブッ壊れろォッ!!』



 ルヴェルフェが放った天魔法も、先程の弓矢の時と似たような原理で次々と壊れて消えてしまっていた。

 ただ今回は、イヴは何もしていなかったのだ。何をしていたかと言われれば、ただ叫んだだけだ。“ブッ壊れろ”と。


(ってことは、何か言霊に力が込められてるとか……か?)



「あ……やば―――」


『砕け散れ―――“悪即壊ブレイク・ディザスター”』



 しかし。そんな考察をしていると。



「ぐあああああああああっ!!!」


『次はお前だァッ!!!』


「嘘っ―――」



 まず一人。そう言いながらルヴェルフェがイヴにやられてしまった。そして―――



「いやあああああっ!!!」


「ラージエリッ!!!」



 ラージエリまでもがイヴによって吹き飛ばされてしまったのだ。

 さっきまでとは違う、圧倒的なパワーとスピード。これが最強の神かと思い知らされるくらいの強さが目の前そこにはあった。



『―――後は任せたよ』



 すると、背後からそう聞こえてきて。

 振り返るとラジエルとベルフェゴールはもう既にそこには居なかった。



▶スキル『絶対狂化アブソリュート・バーサーク


▶スキル『夢遊闘士バグファイター


▶二つのスキルをまた――――――ほう。まだ我の出番はありそうだな。



(ん―――? 何かあったのか……?)



 ハヌマーンからまたメッセージがあって、二つのスキルを獲得したぞ、なんて言われると思っていたらその言葉は途中で終わってしまった。

 出番がまだありそうって事は―――まさかな。



『次はお前だ……ッ!!!』



 そしてイヴは次なるターゲットを定めていた。

 ラフィーナ、ルヴェルフェ、ラージエリと次々とやられていく仲間たちを見ていた俺は流石に動かない訳が無かった。

 向こうの言葉を借りるなら、もう看過出来ない―――



「だろ……ッ!!」



 どうやらイヴに狙われていたのはサタールだったようだが、俺はそこへ、横から高速で割って入っていった。



『お前もアイツらと同じようにしてやろうかッ!!』


「ふざけた事言ってんじゃねぇよッ!!」


(早速お前の力、使わせてもらうぜッ!!)



『あ、うん。楽しんでくれ〜』



「『絶対狂化アブソリュート・バーサーク』ッ!!」



 直後、俺は受け継いだばかりの力―――ラジエルの“狂化”の力を使った。すると俺の肉体は破裂するんじゃないかというくらい膨張して、まるで筋トレをし過ぎたアスリート選手のような身体に変化したのだ。



「俺の仲間たちにした分……やり返させてもらうぞッ! “オーバーブレイク”ッ!!!」



 俺はそう言い返すと、大きくなったその腕を大きく振るい、イヴの顔面めがけて勢いよく放った。



『ハッ! パワーアップした分、どうやら攻撃速度は落ちたようだな―――』


「―――“神速シンソク”ッ!」


『ァ―――アガァァァァァァァァッ!!!』



 そして。俺の拳は確かにイヴに直撃した。

 頬の骨を折るくらいの威力で、思いっきりぶん殴ってやったのだ。


 すると、そのタイミングで時は進んだ。

 面白い事に、まるでギャグ漫画かのように吹っ飛んだイヴが、飛んでいった先で思いっきり大爆発したのだ。


 直後、空からは声がする。




「ひゃっはぁぁぁぁぁぁぁぁ! 面白くなってきやがったぜぇぇ!!!」


「これが俺らの合わせ技ってなァッ!!」




 狂気に満ちた男女の声。そしてたった今イヴを襲ったあの大爆発。

 これだけカードが揃っていれば、自ずと誰が来たかなんて想像がつく。そう、俺が呼んだ新たな援軍は―――



「マノン、マモン! お前らも随分と早かったな!」


「ああ! ぶっ飛ばして来たからな!」


「ヘッ。どうよ、これが俺らの力ってことさね」



 自信満々と言った様子で答える二人のドヤ顔を横目に、俺はすぐにイヴに視線を向けた。

 ……正直コイツらの相手を真面目にする理由は無い。ただただ疲れるだけだからな。



『また……また邪魔すんのかよ。なんでチマチマと呼びやがるんだ……ッ!!!』


『イヴ。手伝いましょうか?』


『煩えッ! 手出しはすんなって言っただろうがよッ!!』


『ですが、これはいくら我々と言えども多勢に無勢です。大人しく私の助力を―――』


『煩えッて言ってんだろうがよォッ!!! 俺が、俺が全部ブッ壊してやるって言ってんだから見とけやそこでよォッ!!』



 激怒した様子のイヴは、心配した様子のアダムを気圧で吹き飛ばして、再びこちらへ向き直った。



『もう駄目だ。我慢ならねェ……! 『力』、使わせてもらうぜ―――』



 そう言うとイヴは、何かの呪文を唱え始めた。

 それと同時に俺の肉体はすぐに元に戻ってしまう。


 フシューと音を立てながら、膨張した筋肉が萎んでいく。

  


「マジかよ……! これもクールタイムありか……っ!」


『―――の―――――が――――――――』



 そんな中でもイヴの何かの詠唱は続いていく。

 今の内に状況を整理しておこう。サタールとミカエラ、そしてレヴィーナとルシファルナ、そして今さっき来たマノンの計5名はまだ動ける様子だが、ルヴェルフェとラフィーナ、そしてラージエリの3名はイヴの攻撃によってダウンしてしまっている。


 さらにもう一つ分かったことがある。

 それは、援軍をちまちまと呼ぶ意味だ。これの答えは単純明快で、今現在もそうだがイヴの怒りを買って隠している力を引き出す事に繋がっていたんだ。

 となればこれだって続ける意味はあると見た。




「―――その通りです。だから、落ち着いてその力を使ってください」


「―――せやな。ま、でもうちらが来たらもー大丈夫やで!」




 なんて色々と考えていると、イヴの詠唱の途中だがさらに天使たちもこのタイミングで現れた。

 突然過ぎてびっくり―――なんてするはずもなく。なんならむしろ、悪魔組と一緒に来ないだけでこういう展開があるのだろうなって予想はできる。


 そしてそれが、今回は―――ウリエルとウリエナだったようだ。

 確か二人の美徳は『節制』だったか。マモンたち『強欲』とは相反する存在だな。



「お前たちは……!」



 とりあえず驚いておく。



「よう魔王さんおはようさん!」


「我々も助けに来ましたよ」


「別に呼んでないんですけど」


「……それはまあええやんか! それよりもほら!」 



 話を上手くそらされたみたいだが、ウリエルのやつはマモンの事を引っ張りながら俺の近くへとやってきた。

 これも、もう予想はできる。多分―――



「俺の中に来るってんだろ……?」

「うちら二人はアンタに力、託させてもらうで」



 俺とウリエルの声は重なった。

 ……やっぱりそうなるのか。



「……本当に、それでいいのか? お前たちは」


「ええもなにもそうするしかないやんか! ほれ、時間ないし!」


「ああ、んだな。ま、こういうのは酒みたいに飲んで流されてみるのもまた一興ってな!」 




『自分らの力、存分に使ってやってくれや!!』



「あんまカッコつけたくはないけど、世界、救ってもろて〜」


「そしたら酒でも飲みながら爆発魔法撃ちまくろうぜ!」



 そう、好き勝手言い残した二人は。

 自分の身体を光の粒子へと変化させていくのであった。

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あと10話とちょっとくらいで終わらせる予定……

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