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sins.4 【怠惰】の大罪―Acedia sins―『Belphegor』

便利だねぇ




『魔王―――貴方たちは、とても愚かです』


『その通りだ。だって、この俺たちに逆らったんだからなァ!』



「―――来るぞッ!」



 刹那、双神ヤツらはその場から消えた。

 イヴだけではなくアダムまでもが、同時にだ。



『“悪即壊ブレイク・ディザスター”ッ!!』


「“神速シンソク”ッ!!」



 すると再び刹那の世界で事は動いた。

 背後から奇襲を仕掛けてきたイヴに、俺は神速の拳で何とか対応する。

 しかし。



『“創生ノ泪リライフ・レイン”』



 今度はイヴに合わせるようにアダムも仕掛けてきた。

 俺とイヴが拳を重ねているその遥か上空から、天地を揺るがす程の流星が降り注いでくる。


 直感で分かった。この攻撃は、ヤバい!



「チッ……!」


『おらァッ! 余所見するとは随分と余裕を見せてくれるじゃねェかッ!! “破壊轟拳ブレイク・ライジングフィスト”ォッ!!!』


「グッ……ァァァッ!!!」



 俺が空を見上げた、その一瞬にイヴは一気に高火力の攻撃を俺へとぶつけてきた。

 それをモロに喰らってしまい、俺の意識は飛びかける。



「大将ッ!」


「こっちに……来……るなッ!」



 だが何とか舌を噛んで意識を保った俺は、心配になって駆け寄ってきそうなサタールや他の仲間たちに向けてそう叫んだ。

 するとその迫力か何かに怯えたのか、サタールたちはその場で立ち止まってくれる。



『無駄ですよ。どこにいようと私の攻撃は喰らうことになるのですから』


「それは―――どうだろうなッ!」



 アダムの言葉に反論した俺は、とあるスキルを発動させる。


(見せてやるよ―――最強のコンボをなッ!)



「『全攻撃集中の構えヘイト・リアクション』ッ!!」



 空を見上げながら、スキルの効果が発動するのを待つ俺。

 天地を揺るがすアダムの攻撃だが、今の俺にとっては攻撃なんてどうにでもなってしまうのだ。

 この、『絶対防御アブソリュート・プロテクション』の力があれば―――



『―――あの。流石にクールタイムはあるわよ?』


(は?)



 『クッ……クハハハハハ!!! 馬鹿な魔王だッ! お前はもう“ヘイト・リアクション”を使ってしまったのになぁ!』


(いや、待ってくれよ。それじゃあ俺はどうすればいいんだよ……!)



『クッ……これをどうにかできると言うのですか……っ!?』


『まさかッ……! さっきのあの光の力か―――』



 二人は俺のことをそう警戒しているのだが。

 俺の内心は当然、めちゃくちゃ焦っていた。まさかスキルにクールタイムがあるとは思ってもいなかったからだ。

 ラグエルの奴、そういう事はもっと早くに言ってほしかったな。


 ―――こうなってしまっては仕方ない。



「―――『絶対守護アブソリュート・ガーディアン』ッ!!」



 完全に防げる“防御プロテクション”とは違うが、それと同等の効果を持つ“守護ガーディアン”を俺はその身に纏った。

 直後、天からはアダムの放った流星の攻撃が一点、俺に集中してやってくる。



 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……………!




「クッ…………!」


「大将ッ!!!」



 流星の攻撃が俺に当たり始めた。だが、スキルのお陰でほとんど俺にダメージは無いのだが、攻撃が直撃したことによる衝撃が俺には軽いダメージとなっていた。

 体が、脳が揺れる。



「俺は大丈夫だサタール……! それよりも今度はこっちが仕掛ける番だッ!」


「お、おうッ!」



 サタールにそう指示を出すと、サタールとミカエラの二人は頷いて駆け出していく。

 そして残った後衛組は、二人のサポートが出来るように弓矢を構えていた。



『まさか……本当に防ぎきるなんて……!』


『だがッ! どうやらかなり疲弊してるようだなッ! それなら―――“悪即壊ブレイク・ディザスター”ッ!』



 すると直後、流星の攻撃が終わったかと思えば今度はイヴが高速で仕掛けてきた。



「……ッ!」



 アダムの攻撃を防ぎきった後で、確かに少しだけ疲労していた俺はそれにすぐに対応する事が出来ず、避ける隙が無かった。

 のだが、それには後衛組の仲間たちがバックアップをしてくれた。



「“紫電一矢ライトニングアロー”ッ!」


「“セイントヒーリング”ッ!!」



 ルシファルナから放たれた紫電の矢と、ラフィーナが俺にかけてくれた回復魔法のお陰で、イヴは止まり、俺は少し落ち着くことが出来た。

 だが、そんなのも一瞬だけで。



『どいつもコイツも邪魔ばっかしやがって……ッ!!!』



 そんな風に怒りを顕にしたイヴは、目の前にいた俺に向けて再び拳を放ってくる。



「ちょ、魔王! しっかりしなさいよっ!」


「ああ……分かっているッ!」



 スキルが使えなかった動揺が思ったより俺の脳内で思考を乱していて、思考のリソースがイヴとの戦闘に少し向けていられなかった。

 だけど、それでも俺は対抗するべく拳を打ち返す。



「―――“神帝武流・ゴウ”ッ!!!」


『“破壊拳ブレイク・フィスト”ッ!!!』



 何度目かも分からない俺とイヴの拳の打ち合いが繰り広げられる。今度も力量は拮抗して―――そう思っていたのだが。



「……クッ…………!」



 どういう訳か、今回は俺が押されてしまっていた。

 ジリジリ、ジリジリと俺は後退していく。



『ブッ壊れろォォォォォォッ!!!』


「もう……限界……かっ……!!!」



 押し切れると分かった瞬間、イヴはその日最大だと思われる火力を俺へとぶつけてきたのだ。

 手が赤く光り、一度一瞬だけ引いた拳が再び俺へと迫ってくる。


 急いで俺は防御の構えを取るが。

 イヴの拳は急加速をして―――



「―――ッ!」 






「“高速付与アクセルエンチャント”―――“転移穴ワープホール”」






 俺に、拳が当たることは無かった。



『何だと……?』


「―――ふぅ。なんとか大事には至らなかったみたいだね」



 その声は、俺が呼んだ援軍の一人の物だった。

 ソイツが、自身の得意とする技で俺を助けてくれたのだろう。


 気づけば俺は、だいぶイヴから離れた位置にまで移動していたのだから。

 そんな、ナイスなタイミングで駆けつけてきてくれたのは。



「ルヴェルフェ……! 思ったよりも早かったな!」


「うん。この人のお陰でね」



 そう言ってルヴェルフェが差し出してきたのは、一人の悪魔だった。ただ特筆すべき点は、その悪魔が案の定ただただ眠っているだけという事だ。



「zzzzzzzzz」


「おお。見える見える。文字が見えるぞ」


「ねむzzzzzzzz」



とっても眠そうに眠っているのは、ルヴェルフェの始祖―――ベルフェゴールだった。本当にこいつは、【怠惰】の名を冠してるだけあるというかなんとかいうか。


 そんな中、イヴは言った。



『何故……何故一気に仲間を呼ばないのだッ!!! そして貴様らも我らの邪魔をすると言うのか……ッ!!!』


「ん。まあそういう事だよね。一気に呼ばない理由は僕も気になるところだけど」


『……フン、まあいい。それなら順番に全員殺すのみだ』



 イヴが目の前まで降りてくると、その背後にはアダムが構えていた。二人でセットと言うわけだ。



『まずは一人―――順番に消してやろう』


「かかってきなよ。僕が僕であるために、仲間たちはなんとしても守り抜いてみせるからさ」


「―――ん。手伝うzzz」




『―――とっとと全員かかってこい。まとめて破壊してやるからよ』

ブックマークや高評価をぜひお願いしま!!!

最弱姫プ今日更新あります!!夜です!!

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