sins.3 【憤怒】の大罪―Ira sins―『Satan』
何かダラダラ続けちゃって申し訳ない気がしてきました……
似たような展開が多くて、皆様的にはもう飽き飽きかもですが、絶対に完結させてみせますので最後までお付き合いくださいませ!
(まだ骨組みだから……!!!)
「皆。また援軍を呼んでおいた。だからそれまでの間は俺たちだけで凌ぐぞ」
「了解しました。ですが―――」
俺の言葉に、ルシファルナは頷きながらも首を傾げていた。
何か疑問でもあっただろうか。
「ねぇ。何で一気に仲間を呼ばないの?」
「それです―――どうしてルミナス様は一気に呼ばないのでしょうか」
「確かに。それは気になってたかも」
ああ、なるほど。
それには俺の考えがあったのだが、そういえばまだ言っていなかったな。
それなら―――と俺は3人にその考えを伝えることにした。
「それはな、一応俺の作戦なんだ」
「作戦、ですか?」
「ああ。今はまだ言わないが、一気に仲間を呼ぶより双神を倒せる確率が上がる……そんな作戦だ。それに、《七つの大罪》や《七つの美徳》の奴らが俺の中に来ると言うなら、それを一気に背負い込むのは俺にかかる負担がすごいことになるからな」
今ここで作戦を言うのは奴らに聞かれる可能性があるから、口に出して言いはしない。
もちろん、思考を読まれればそれまでだが、俺の考えでは一気にドカンと攻めるよりジワジワと追い詰めていく方が効果があるように思えていた。
馬鹿な考えなのは分かっている。
絶対に全員で攻めた方が勝率が上がるのも当然理解はしている。だが、俺の直感がそう告げていたのだ。
今はこの直感を、信じたい。
「……なるほど。考えがあるのなら私たちはそれに従うまでです」
「はぁ。ま、そうね。一応は信じるけど……頼むからヘマだけはしないでよ?」
「ああ。それは俺が何とかしてみせる」
「頑張って、ルミナス様っ!」
ホントに。俺はホントに仲間たちに感謝しななきゃならないな。俺みたいな奴なのに、こうしてついてきてくれるんだから。
「ありがとう……ありがとうな、皆」
俺は、震える声でそう仲間たちに告げると、先程の魔法陣の方に向き直った。
「―――行こうか」
「ええ!」
「はい!」
「うん!」
『ハン! 美しい友情物語ってか!? そんなの見せられたところでこっちに手加減する気なんて全く起きねェぞッ!!』
「元より手加減してもらうつもりなんて、これっぽっちも無かったさ……ッ!!!」
直後、イヴがそう叫びながら飛び出した。
俺はそれを見て、『武神』による武器展開を高速でしながら同じく飛び出した。
『イヴッ! こちらの準備は整いました!』
『了解ッ! “破壊拳”ッ!!』
「“神帝武流・撃”ッ!!!」
3つの声が重なった。
そして、俺とイヴの拳もかなりの威力でぶつかり合う。
『やはり……火力だけならインドラの力はなかなかの物だな……ッ!!』
「そりゃどうも……ッ! アイツも喜んでるだろうよッ!」
言いながら俺は拳に込める力をさらに強くしていく。
イヴもそれに応えるように、さらにこちらへ押し込む力を強くしてくる。
まさに鍔迫り合い。力の差は明らかに均衡していた。
となれば後は力以外のところでどれだけ差をつけられるか……そんな勝負になるだろう。
『イヴ―――!』
『分かってるっての!!』
そう思っていたのだが、意外にもイヴの拳は力が抜けて、一気に俺の拳を喰らう態勢に入ってしまった。
これがチャンスと感じた俺は、拳に魔力を込めて一気にイヴへと打ち込んだ。
『グッ……!』
『―――来なさいッ! 我が忠実なる下僕よ……ッ!!』
俺の拳がイヴの胸へと直撃した直後、アダムのそんな言葉が聞こえてきて。
「ま、マズイ……っ!」
『今頃気づいてももう遅えんだよ……っ!』
「どうして……!」
気づけば俺は、仲間たちやアダムからかなり離れた場所に居たのだ。
してやられた。上手いことイヴに誘い込まれてしまった訳だ。
「チッ……急いで戻って―――」
『させるかよッ!』
どうにかして戻ろうとするが、当然それはイヴが行く手を阻む。
「クソ……ッ!」
『フハハハッ!! どうやら魔王……お前の悪運もここまでのようだなッ!』
「チッ……!」
どうにかしてイヴを突破しないと、アイツらが心配だ。
何か……何か突破口は無いのか……?!
『GRYUUUUUUUUUUUUUUUU!!!!!!!!!!!』
俺が必死に頭を回転させていると、そんな化け物じみた叫び声が聞こえてきた。さらにはそれを発した正体と思しき黒いキメラのような化け物の姿も。
『合成偽神獣―――フェイク・キメラ。神の力を有した最強の創造獣です。さあ、これはどう攻略してみせますか? 魔王の配下たちよ』
「はぁ……やっぱアイツといると良いことなんて起きないわね」
「でも、救われたのも事実です」
「そうよ。だから、私たちはこんなところで立ち止まる訳にはいかない―――そうでしょう?」
『面白い……勝てると言うのなら勝ってみなさい。所詮、あなた達如きでは到底不可能でしょうけど』
「そんなの、やってみなきゃ分からないでしょ?」
「そうですね。それに、今の我々なら恐らく―――」
「余裕よ。これだけいれば、一体の化け物程度余裕で倒して見せようじゃない!」
アダムとの問答に、自信満々でそう答えている仲間たち。
俺はそんな彼女たちの姿に、少し笑みをこぼしてしまう。
(逞しすぎるだろ……ホント、俺には勿体ない仲間たちだ)
多分、アイツらなら大丈夫だ。
俺は仲間を信じるって決めたんだ。だから、不安になる事なんて無い。信じて、俺も自分の戦いに集中するんだ。
『何をどう足掻こうがお前たちに勝ち目なんて一切ねェんだよ! それが分かったら諦めてとっととこの場から消え―――』
「―――させねェよッ!!!」
『……ッ!! チッ、また邪魔かよッ!!』
イヴの言葉を遮って、俺の目の前にはとある人物が立っていた。それは、俺が呼んでおいた援軍の一人―――その戦士の名は。
「サタール……ッ!」
「―――俺もいるぜェェッ!!!」
さらに空からは声が響く。
サタールと良く似た、聞き覚えのある声―――そう、それは。
「サタンッ!」
俺はそう叫ぶ。
『何人邪魔が来れば気が済むんだよ……おらァァッ!!』
「させません―――“物理障壁”!」
さらにさらに空からは声が響いた。
その声がすると、イヴに向かっていたサタンの目の前に魔力の障壁が展開されて、脚を振り払ったイヴの攻撃を見事に防いだのだ。
その声の主は―――
「オメェは……」
「ミカエル様の力を追って、ここまで来ました。お久しぶりです―――サタン」
「―――ラファエル」
そう。水色の髪が特徴的な天使、ラファエルだった。
ラファエルはサタンを守り、そのままこちらへと降りてきたのだ。
「ほら、貴女も早く来なさい」
「は、はい! お姉さま〜っ!!!」
ラファエルが後ろにそう呼びかけると、慌てた様子で彼女は現れた。
『マジで何人来るんだよ……ッ! うざったいな!!』
俺が呼んだのは二人のはずなんだが、さらに二人追加で来たことで俺も驚いているし、イヴの奴も少し苛立ちを感じているようだった。
俺が悪魔を呼ぶと、セットで天使までついてくるシステムなのだろうか。どういう訳か毎回パターンが同じな気がする。
「ラフィーナ、遅ればせながらただいま到着しました……っ!」
そして、慌ててやってきた彼女はラファエルの力を受け継ぎし者―――ラフィーナだった。
「ラフィーナまで……一体、お前たちはどういうつもりでここに―――」
「魔王ルミナス。今は、時間が無いのでしょう?」
「ま、まあ……」
「それなら。それならば今は私たちの言葉に従ってください。―――サタン」
少しだけ威圧するような物言いで、俺にそう言ったラファエル。彼女は言葉の終わりに、サタンに何かを訴えるかのように視線を送った。
するとサタンは頷いて、こちらへと向かってくる。
「ミカエル様から話は聞いています。我々の力が、必要なのでしょう……?」
「―――そ、それって。まさかお前たちまで……!」
「遠慮はしないでください。別に、死ぬ訳ではないのですから」
「また、よろしく頼むぜ。俺らの力、存分に使ってくれよ」
サタンとラファエルは、俺の前でそう言ってくる。
何で。なんで……こいつらは―――
「ま、細かい事はあんま気にすんなよ。むしろ俺は、お前に恩返しをしないといけない立場にいるんだからな。それに一度は力を託してるんだ。また同じことをするだけさ」
「私は初めてですけど……まあ、ミカエル様がいるのなら問題はないでしょう」
「お前たち……ほんとに、いいのか?」
俺は二人にそう問いかけるが、二人は何も問題など無いと言った様子で笑ってみせた。
「ああ! 世界を救うなんて俺みたいな大罪人には荷が重すぎるからな。お前に任せるよ」
「私たちの力でこの世界を慈愛の満ちる世界へと導いて見せてください。そんな世界になったら、また会いましょう」
『我らの力、貴方に全て託しましょう―――』
直後。
俺が何かを返す前に、二人は光の粒子へとその体を変化させ始めていったのだった。
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最弱姫プの次回更新は金曜日の予定です。そちらもぜひよろしくお願いします!!!




