case.26 海底へ
大軍すぎない?
世界の滅亡でしょこんなん
★現在の飛空艇内にいる魔王軍メンバー
・白夜 ・月夜 ・アスモフィ ・ルヴェルフェ
・レヴィーナ ・サタン ・ベルゼブブ
・レヴィアタン ・ベルフェゴール ・ベリアル
・リガーテ ・スレイド
・クサナギ ・ムラマサ ・マサムネ
・アルジャイル ・セラ
・ガネーシャ ・ゼウス ・ヘル
・ラージエリ ・ラグマリア ・ラフィーナ
・メタリア ・ウリエナ ・ダルフィーネ
・メタトロン ・ウリエル ・ガブリエル
・ラグエル ・ラジエル
+五老(戦闘不参加)
□
「―――そろそろ魔王国近海だけど、あれは……っ!?」
超高速で進んでいた飛空艇は、突然止まってしまった。
それは、目の前にあったものに飛空艇を操縦していたレヴィーナさんが驚いてしまっていたからだ。かくいう俺もその光景に驚いていた。
「もう始まってるのか……ッ!」
歯ぎしりをしなからゼウスはそう呟いた。
その手は固く握られていた。
「始まったってまさか―――」
「ああ。双神の奴らが現界し始めてるんだ。奴らが完全に現界してしまったらならその時は……」
「嘘、だろ」
もうゲームオーバーだと言うのか?
いや、まだそうと決まった訳じゃない。それをさせない為に魔王たちが居るんだから。
そう、信じるしかない。
「……俺たちにできる事を、今はやらなくちゃ……!」
「うん、そうだね―――頑張ろう、にぃ!」
そう言って、俺の手をそっと握ってくれる月夜。
瞬間、その手からは震えが伝わってきた。
「月夜……」
「大丈夫。大丈夫だよにぃ。私はもう強くなったんだから」
「―――ああ。月夜はもうずっと強くなってるはずだ。それは俺が保証してやる! だから……大丈夫だ。俺が、付いてるからな?」
俺は、月夜の握り返しながら言った。
すると大切な妹は、今までに見たことのないくらいの満面の笑みで、こう言ったのだ。
「―――そういうセリフは、ラグマリアさんに言おうねぇ?」
「は?」
―――刹那、俺は月夜頭を両手でドリルしていた。
ぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐり……
「いだっいだだだだだ! おにぃちゃんおにちゃん! やめてやめてよおおおお!」
「変なことをお前がいうからだばーか」
「ぶー、にぃの変態」
「はぁ!? 変態とか全く関係ないだろ!!」
「犯罪者はみんなそう言うんだよ」
「犯罪者じゃないッ!! 断じて違うからな!!」
「やーい変態おにぃ!」
(かぁぁぁぁぁ〜〜〜!!! ムカつく!!)
俺はその場で地団駄を踏む。
だんだんだん、と何回も駄々をこねる子供のように地団駄していた。普通にクソムカついていた。
「ちょっと! 今できることをするんでしょ? だったら早く向かうわよ!」
「あ、はい! 了解です!」
「フム。早く、か―――ならば! いけ! 妖精族の女! そのまま海底へ突っ込むのだ!」
幼い姿のゼウスが、人差し指で空を指しながらそう言った。
当然、その言葉にレヴィーナは首を傾げるが―――
「はぁ? アンタ何を言って―――」
「いいから早く行けっ!! 急がないと時間が無いのだぞ!!」
「わ、分かってるわよ!!」
ゼウスの言葉に押し切られて、レヴィーナさんは飛空艇を急降下させて再び動き始めた。
(って、この感じ―――)
「スプラ◯シュ―――」
「マウ◯テンみたいだねぇぇぇぇぇぇぇ〜!!!」
俺と月夜は同じことを叫んでいた。
海に向かって急降下―――まさしく夢の国だ。
「―――お、おい! こりゃあ一体どういう事なんだァ!?」
「何の騒ぎなのだ……?」
「って、何故我々は海に向かっているんだッ!?」
「落ち、る……zzZZZzzzZz」
「zzzzzzzzzzzz」
と、大罪組が騒ぎ。
「ちょちょちょちょ! お姉さまたちが起きちゃうって!!」
「さ、流石にこれはマズイ気が―――」
「面白くなってきたァァァァ!!」
と天使組が騒ぎ。
……というか他のゼウスによって倒されてしまった天使組は今現在騒ぎ立てているラグマリア・ラージエリ・ラジエルによって治療されている最中だった。
「ちょっと刺激が強すぎないかな―――」
「みんな、これくらい耐えて頂戴ね……っ!!」
「むりむりむり!! いくらおねえちゃんでもこれはきついってぇぇぇ!」
「ししょぉぉぉぉぉ〜これたのしいですうぅぅぅぅぅ!」
と魔帝八皇組+αがさらに騒ぎ。
「ぬう……おおおおおお! これは、良い修行だ……ぁぁっ!」
「くっ……確かにそうですねっ!」
「おいおいおい嘘だろっ! こんなのが修行とか……」
「イカれているだろう流石にッ!」
とアルジャイル王と鬼人三人組がさらにさらに騒ぎ。
「「「あひゅ〜」」」
とスレイドさんと五老の人たちが気絶してしまっていて。
「さあ、突っ込むわよぉぉぉぉっ!! どうなっても知らないからねっ!!」
「ああ、行けっ! お前たちは我とガネーシャで守ってやるからなァッ!!」
「は? ちょっと何を勝手な事を言って―――ってもう間に合わな―――」
直後。
ダッパァァァァァァァァァァァンッ!!という轟音と共に俺たちを乗せた飛空艇は海底へと突っ込んで行ったのだ。
◆
「いや、うるさっ」
次の瞬間、俺はそんな声が耳に入ってきた。
水ではなく、声だ。それも少女の物と思われる。
「う……?」
「無茶し過ぎよ。ほら、手を貸してあげるから早く起きなさい」
「ど、どうも―――」
俺は手を伸ばす。するとその手を掴んで引っ張ってくれる。
一体誰なのだろう。とても小さくて、柔らかい手だ。
やっぱり、小さい少女のような―――
「って……あれからどうなったんだ!?」
直後、俺は飛び上がるように起き上がった。
そうだ。さっき飛空艇がゼウスの指示で海に向かって思いっきり突っ込んで行って―――
「……君は?」
そこで俺は気がついた。
目の前に、一人の少女が居ることに。
「私? 私は―――海王。海王ムルよ。名前くらい聞いたことあるでしょ?」
「海王―――海王っ!? って、事は……」
「ええ。ちゃんと無事―――かどうかは分からないけど私の海底王国までは辿り着けているわよ」
「よ、良かったぁ……!」
俺はその言葉を聞いて、海王様が目の前にいるという驚きよりもホッという安心が勝ってしまった。
その後すぐに振り返ると、そこにはちゃんと飛空艇があり、甲板には全員の姿も確認できた。まあみんな気絶しちゃってるんだけど。
「―――ほう、流石は勇者と言ったところか。お早いお目覚めで」
「……ゼウスか」
「ああ。どうだ? 我は約束を全て果たしたぞ? これは褒められるべきじゃないのか?」
そう自慢げに語るゼウスだが。
俺は目の前にいる神を睨みつけて、言ってやった。
「いやこれは流石にやりすぎだろ!? 下手したら全滅だったかもしれないんじゃないか!?」
「まあそれは同意ね。私がすぐに気づいたからよかったけど、彼の言う通り下手したら死んでたかもしれないのよ?」
「う……それはすまなかった―――だが、こうして海王とも会えたのだ。それならいいだろう?? んん?」
「あんま調子に乗るなよ?」
俺は子供を叱っている罪悪感など一切感じずにバッサリとゼウスを切り捨てた。
まあ何はともあれ、こうして海底まで辿り着けたのだ。それに海王ムル様にも会う事ができた。過程はどうあれど、結果良ければ全て良しとも言うし……結局いいのかもしれない。
まずは全員の回復を待ってからだな。
詳しい話はそれからだ。
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