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case.11 三神一体の力

覚醒の時来たれり。




「―――きゃぁぁぁぁぁぁあっ!!」



 そんな叫び声と、何かが地面に打ち付けられる音がほぼ同時に聞こえた。……それは、ほんの一瞬の出来事だった。

 何が起きたかは分からない。でも、確かに分かることは一つだけ。



「クロ……ノス」



 奴が、いよいよ本気を出してきたという事だ。



『おっと。いつまでもうっとおしく抗い続けるものだから、つい殴ってしまったよ』


「殴っ―――ガブリエラ様っ!?」



 私はすぐに振り返って叫んだ。

 すると後ろにはとある場所に土埃が待っていて、その中心にはやはりガブリエラ様が吹き飛ばされて倒れていたのだ。



『―――余所見をしているとはいい度胸だッ!!』


「……ッ!?」



 次の瞬間。

 私は背後から殴りかかってきたクロノスに気付く事が遅れて……



「……きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああっ!!!!」



 ―――意識を失ってしまったのだ。






「皆さんッ! ―――ああもう! 私が彼女たちを回収してきます!」


「ボクも一緒に行くよっ!」



 そう言うと、ミカエルとアスモデウスは同時に飛び去っていった。そして気づけばその場には、サタール・マノン・ベルゼリオの3名しか残っていなかった。



「な……ァ、お前ら……よぉ?」


「な……ンだ?」


「……何か……体が、熱いんだが……よ……これ、何だか分かるか……ッ?」


「“私”……には、分からない……な」


「ああ……“俺”も、だ……」


「ンだよ……使えねぇ、な……」



 3人は、突如自分たちを襲ってきた熱に苦しみながらもクロノスをしっかりと見据えていた。

 しかし。クロノスの方を見れば見るほど、鼓動が早くなっていく気がするのだ。まるで、何かに反応しているかのように。



「いやぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

「うあああああぁぁぁぁっ!!!」



 直後、ミカエルとアスモデウスの叫び声が聞こえたかと思えば2人は先程のガブリエラ同様に吹き飛ばされて帰ってきてしまった。それはもう、突然に。



「嘘……だろ?」


『嘘ではない。真だ』


「……ッ! マジ、かよ……」



 獲物を狩る獣のような目つきで、3人のもとに現れたのはクロノスだ。



『貴様らも死ね―――』


「ぐぁぁぁぁぁっ!!」


「「サタール……ッ!」」



 それは刹那の出来事だった。

 サタールが、吹き飛ばされて……それが分かったマノンとベルゼリオは振り返る。

 だが、そんな2人もクロノスは構わず殴って吹き飛ばしたのだ。



「「うあああああっっ!!」」


『フン。他愛もない』



 『神威』を使ったクロノスにはもう太刀打ち出来ない。

 誰もがそう思い、その場にただ倒れ込むことしか出来ない中。


 サタールたち3人は、まだ諦めていなかった。



「俺ら……にも、あの力が……使えれば……ッ!」


「ああ……“神化”を超える……力がッ!」


「……あれば、まだ戦えると言うのに……!」



 拳を握り締め、歯を食いしばってまで立ち上がる3人。

 そんな3人の内では、密かに神気が練り上げられていた。



『……うん?』


「力が……」


「力を……」


「力……」



 それはまるでゾンビのように。

 3人はゆらゆらと立ち上がり、さらに神気を練り上げている。



『その、気配……いや。まさかな』





―――“解き放て”


―――“目覚めよ”


―――“さあ、今こそ覚醒の時”





「解き……放つ」


「目覚めし……力を」


「今こそ……覚醒の時―――」



 目が赤く光り、神気が解放され、3人は今までとは比にならないくらいの力が目に見えて分かるように変化していた。

 それはもちろん、クロノスも視覚だけではなく肌で感じていたのだ。



『……いや、間違えるはずが無い。その気配は、まさか本当に―――』



「「「―――『神威カムイ』」」」



 刹那、3人の意識は完全に覚醒を果たした。





 何だこれは。力が、漲ってくるのが分かる。

 今ならもう、負ける気なんて微塵もしない。


 ―――それは良かった。俺の力……『創造』の力を存分に使うといい。


(ンだよ、お前)



 俺の中から、誰かの声がする。


 ―――お前だけじゃないさ。今ごろ他の二人もこうやって話を進めているところだろう。


(だから、誰なんだよって)


 ―――俺は《十二神将》が一人、創造の神ブラフマーだ。


(十二神将……ブラフマーだって?)


 ―――ああ。そして、マノンという娘には破壊の神シヴァが。ベルゼリオという男には守護の神ヴィシュヌがついているぞ。


(そいつらも、十二神将だったよな……?)


 ―――そうだぞ。


(じゃあ聞きたいが。どうしてそんな奴らが俺ら3人の中に居るんだよ?)


 ―――ハハ。それも当然の疑問だが、今は目の前の敵に集中しろ。奴は強いぞ?



 俺はブラフマーとかいう奴にそう言われて、視線を上に向けた。するとそこには、クロノスがいた。



『……やはり貴様らか』


「それが誰を指しているのかは分からないが、今は俺だぜ?」


『……ふざけた真似をしてくれる』



 この時、クロノスには動揺が見られた。

 それは何故か。俺が視線を左右に巡らせると、そこにはマノンとベルゼリオも立っていたのだ。



「お前ら。何が起きてるか分かるか……?」


「いいや。我には何も分からないが……」


「だけど、オレらには力があるってのは分かるぞ!」



 そうだ。

 マノンの言う通り、何が起きたのかは謎だが俺らには力がある。神様が貸してくれるというのなら、その力を存分に使おうじゃないか。



「オレの中の神は言っていた。お前が破壊をするんだと」


「……そして我は、創造された世界を守るんだと言われた」



 マノンとベルゼリオはそれぞれそんな風なことを言った。

 創造された世界を、守る……か。となると俺の所に来た神は“創造神”って言ってたから……



 ―――ああ、君が創造をするんだ。君のその剣の力のように。



「……なるほどなァ」


『ふざけるな……ふざけるなよゴミ神共がッ!!!』



 さらに激昂した様子を見せるクロノスだが、俺らはそんなのも意に介さない様子で武器を構えた。



「さぁて、やってみようか」


「だな。今のこの力がどこまで通用するのか、試してみるとしよう」


「オレの爆発で全部ぶっ壊してやるよ!!」



 ああそうだ。これでいい。

 何が起きたかなんてどうでもいいんだ。今大事なのは、全員無事に魔王の元に帰るってことだ。


 その為には、こんなヤツさっさとぶっ飛ばさなきゃならない。



『雑魚共が……神の力を得ただけで調子に乗るなよ……ッ!!』


「雑魚かどうかは、これからたっぷり思い知らせてやるよッ!!」




 ―――さあ、始めようか。


 ―――ああ、そうだな。




 ―――繰り返される世界の破壊と再生に、そろそろ終止符を打とう。さあ、双神を炙り出すんだ。

最弱姫プの更新は今日も無しです

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