case.7 破壊の先に
予約
『―――“破壊槍流星”』
空から、槍が降ってくる。それはまるで、流星のように。
赤く煌めく流星は、俺たちを狙っていた。
「私が、全力でアイツの足止めをするわ。2人は、その隙に攻撃を仕掛けて」
「了解」
「ああ、任せてときなぁ〜」
ミカエラはそう言うと、一歩前に出た。
今はラファエルがルシファルナの治療をしていて戦える様子ではなく、二体のマザーは致命的なダメージを受けたせいで機能が停止しているようだ。
だから、戦えるのは俺たち3人しかいない。
この3人で、アイツを倒すんだ。
「来るぞ……ミカエラっ!!」
「任せておきなさい……ッ!」
直後、ミカエラは金色に輝くオーラをその身に宿し始めた。
可視化される量のオーラは、そのままミカエラの力を表すかの如く煌々と輝く。
「私の本気。見せてあげるわ―――」
『壊れろ、壊れろォォッ!!』
「―――『絶対守護』っ!!!」
刹那。ミカエラはそう叫んで、自身の前方に巨大な守護障壁を展開した。
するとその障壁は、飛来する流星を防いで弾いたのだ。
『何だと……? 俺が、破壊できなかった……ッ!?』
「油断大敵よッ! ―――“絶対牢獄”っ!!!」
さらにミカエラは、ポセイドンが動揺した隙を突いて距離を詰め、そのまま自身に使った障壁を今度はポセイドンを取り囲むように展開した。
「さあ今よっ! あれは内側からは出られないけど、外側からなら物体でも魔力でも出入りが可能だから!」
「―――ああ、ありがとうミカエラっ! 行くぞマモンッ!」
「クク……了解ッ!」
ミカエラを信じてすぐにポセイドンとの距離を詰める俺とマモン。内側からは出られない……そうは言うが念には念だ。
早めに仕留めるに越したことはないだろう。
『馬鹿な……ッ! 何だこれは、どうして破壊できないッ!』
ガン、ガンと障壁を小突くポセイドン。
だが、槍は俺たちへの攻撃で放ってしまって障壁内には無いしホントに小突くことしかできない様子だった。
『ふざけるな……ふざけるなよッ!!!』
「ふざけてねぇよ……ってのッ! そらッ!」
そんな状況のところに、マモンがお試しがてら爆弾をいくつか障壁内に投げ込んでいた。
「おら、爆ぜろッ!」
『―――そんな物効かないぞッ!!!』
直後、ドカンと爆ぜる爆弾だが……
それはポセイドンの言うとおり、効いている様子は無かった。
「なら……マモンッ! 一気に畳み掛けるぞ!」
「ああ、了解した!」
それなら、と俺の指示で俺たちはさらなる攻撃態勢へと入る。
だが、そう簡単には攻撃の隙与えてくれないのが神様と言うもので。
『確かさっき……外側からなら―――って言ってたよなぁ〜? ならさ、これならどうだッ!』
「ごちゃごちゃ煩えよ神サマよォッ! おら、もういっぺん爆ぜやが―――」
「―――マモンッ! 後ろだッ!!!」
その時。ポセイドンが笑った気がして。
だけど俺は指示を出す。マモンに、背後から急接近していたポセイドンの槍たちに気づかせる為に。
「チッ……!」
するとマモンは攻撃態勢をすぐに解除して回避行動を取る。
なんとか槍は避けれたのだが―――
『はは……アハハハッ! これで元通りだッ!! ―――“破壊輪槍”ッ!!』
ポセイドンの槍たちは、障壁の外側から内側へ入り込んでしまっていたのだ。
そして、槍を得たポセイドンは―――そのまま、ミカエラの障壁を破壊してしまった。
『内側は結構脆いようだなァ!』
「―――“再詠唱”」
『……ァ?』
かと思えば。誰かの声がして、その直後には再びポセイドンが障壁に囲まれていたのだ。
「今です……ッ! 今の内に!!」
「ら、ラファエルさん……!?」
声のした方を見ると、そこにはラファエルさんが居て。
ラファエルさんは何かの魔法で再びポセイドンの動きを封じてくれているようだった。
『小賢しい真似を……ッ! だけどこの程度の障壁、もう一回破壊すればいいだけの事ッ!』
「そうはさせるかよッ!」
ポセイドンが槍を構え、再び障壁を破壊する態勢に入った瞬間。マモンは障壁内へと突撃していったのだ。
「おい、マモンッ!!」
「最後はお前に任せるぞ、魔王ッ!! ―――“虚絶爆撃”ッ!!!」
そう言って、マモンは爆弾を放った。
それを見た瞬間、俺には分かった。あれは、“虚空”の力を使った爆弾だと。まさかあいつ、道連れを狙ってるのでは……そう、心配してしまう。
だが、それは杞憂に終わった。
『雑魚がッ! ―――“円環破壊槍”ッ!!』
当然、ポセイドンが抵抗したからだ。
マモンの放った爆弾は、ポセイドンの槍が迎撃する形になった。
そして虚空の力を持った爆弾たちは、槍に刺されて爆発し……そして―――
「―――虚空へと、消え去る。か」
「今だッ!!!」
「……ッ!」
マモンの叫びで、俺の体は無意識の内に動いていた。
だが、槍が無くなった程度で隙が出来るほどポセイドンも甘くは無かった。
先程の爆撃でラファエルさんが張り直してくれた障壁は破壊されてしまい、ポセイドンに攻撃が出来るようになってしまう。
『調子に……乗るなよ雑魚がァァァァァァァッ!!! ―――“破壊気弾”ッ!!!』
前方……迫りくる俺に向けて手をかざし、そこから“魔弾”を撃ち放つポセイドン。そんな攻撃くらい、俺は回避しようと思ったのだが―――
『ハッ……そいつも追従効果を持ってるんだよッ!!!』
俺が飛翔する軌道を変えると、それに合わせて魔弾も追従してくるのだ。恐らく、俺に当たるまでずっと追い続けてくるのだろう。
「ここは私がッ! ―――『絶対守護』ッ!!!」
すると今度はミカエラが俺を守ってくれた。
背後から迫りくる魔弾を、あの障壁で防ぐミカエラ。
「助かった、ミカエラ!」
「お礼は後でちゃんとしてもらうからね!!」
「ああ、何でも聞いてやるよッ!」
そう言い残し、俺はさらなる加速をする。
自ら離してしまった距離を、再び詰める為に。
『避けられるし……防がれる。クソ……クソがッ! ―――それなら……避けられなくて防がれない大技を叩きこめばいいんだ。クッ……アハハハ!! ―――死ねよ』
両手を構え、何か波動砲でも撃ちそうな構えをするポセイドン。あれは、何かの大技でもくる予感がする。
もっと早く近づいて攻撃しないと。
「―――『神威』ッ!!」
俺は『神威』で自身を限界まで強化し、その超スピードでポセイドンのもとへと辿り着く。
だが、その瞬間にポセイドンの方も攻撃の準備が終わっていたようで。
『喰らえよ。そして死ね……ッ! “超破壊光―――”』
『『させません! ―――“超砲撃光線”ッ!!』』
「なに……ッ! ―――グアァァァァァァァアァァァァァァッ!!」
ポセイドンが何かを放とうとした、その時。
今度は二体のマザーが、足元から俺の援護をしてくれていた。
「お前たちも……ありがとう!」
そうしてようやく俺は辿り着く。
ポセイドンのもとに。
『ぅ……ァ―――』
今の一撃が大きなダメージとなったのか、ポセイドンはかなりふらついていた。
そんな神に、俺は手をかざす。
「これでお終いだ。―――『支配』、発動」
これが、終幕の一言となる。
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