case.3 海王神降臨
2日ぶりです。
こっちは絶賛神様との戦闘勃発中。
「―――全員無事だな。良かった……」
洞窟内で目覚めた俺は、周囲に倒れていた仲間たちをスキルで癒やしつつ起こすことにした。
幸い、全員に怪我とかはないみたいで、ただ気絶しているだけだったらしい。
とにかく、そんなこんなで全員を起こし、今は状況整理をしている所だった。
『感謝するわ、魔王』
『ボクからも感謝するよ、魔王様』
似て非なる存在であるエターナル・マザーとビッグ・マザーが、俺の前で膝をついて礼を言った。
別にそこまで尽くさなくても……なんて思ったが、まあ王たる示しを付けるためにもこのままでいいだろうと考えながらも、俺は「別に気にしないでくれ」と伝える。
「って、あれ……エターナル・マザーって、アルカナの中にいたんじゃ……」
いつの間にか外に居たエターナル・マザーに疑問を抱き、俺はついそうつぶやいでしまう。
すると肩に乗っていたアルカナが答えた。
「あー……私が解放したわ。というか解放されてたわ。訳は知らないけど」
「ふーん……? ま、いいか」
こんな状況だし、味方は多いほうがいいからな。理由は後で調べるとしよう。
とにかく今は……
「で……状況を整理したいんだが。誰か何か分かるか?」
すごく曖昧な質問を皆に投げてしまうが、実際問題この事態そのものが曖昧で意味の分からない事態な為、仕方が無かった。
と悩んでいると二人の“マザー”が答えてくれた。
『―――ボクの記録データには何も残っていない……かな』
『……私もね。どうもやっぱり、突然に起きた事象みたい』
「そうか……」
高性能機械の二人……?―――二機にも分からないとなると、やはりエターナル・マザーの言う通り、本当に突然起きた謎の事件名のだろう。
「ねぇ、ルミナス様」
「え? あ、どうしたミカエラ」
さらに頭を悩ませていると、ミカエラの奴が俺の腕をクイッと引っ張って呼んだ。
「あの、とりあえずここ……出ない?」
「あー……そうだな」
確かに。
ミカエラの言う通り、今俺たちが居るのは薄暗くてジメジメした洞窟内だ。
こんな所で長々と話をするのも何だしな。
「皆もそれでいいか?」
俺が全員にそう問いかけると、異論無しと言った様子で全員とも頷いた。
という事でひとまずは外に抜ける道を探しながら歩くことに。
「で、だな……」
俺たちは歩きながら今のメンツを再確認した。
「ん、どうしたのよ」
「いや、お前は別にいいんだけどさ」
「あ、そ」
気づけば肩にちょこんと乗っていたアルカナは問題無いんだ。
当然ミカエラや、2体の“マザー”も別にいい。
しかしだ。
残りの2人……そいつらが少し問題だった。
「うぃぃ〜。大体何でこんな天使がいるかなァ?」
「それはこっちのセリフです! 何で貴方みたいな酒狂いの悪魔と一緒に……!」
「「フン!!」」
「あー……あれね」
流石にアルカナも俺に同情の目を向けてくれた。
そう……。そうなのだ。
今若干の問題となっているのは、《七つの大罪》のマモンと《七つの美徳》のラファエルのいざこざだ。
二人とも昔からの敵対勢力であるが故に、今だに仲間であることを認めきれていないのだ。
「ま……戦いになれば嫌でも協力するでしょ」
「……そうだといいんだけど」
すっかり相談相手となってしまったアルカナに、俺は溜め息をつきながらもそう答えた。
と、そうこうしていると―――
「―――お、光が……!」
「あれが出口かしらね!」
目の前には光の射し込む穴が見えた。
それを見たミカエラは一気にとととっ、と走って行く。
それを微笑ましく眺めながら、俺たちも後をついて行った。
「おうミカエラ! 外はどんなかん……じ……だ―――」
「何……これ」
穴の先で立ち止まっていたミカエラに声を掛けかけた時だった。
俺もミカエラも、ただただ驚くことしか出来なかった。
―――何が起きたか。
空は赤く染まり、さっきまで天に輝いていた太陽は真っ黒に染まっていた。
岩が空に幾つも浮いていて、正面には光の柱がそびえ立っていた。
『……想像以上、だね』
『そうね……』
「へぇ……こりゃまた随分と派手な……」
「……喧嘩なんかしている場合じゃないのでは……?」
「―――これが、終焉の世界……」
誰かが、そう呟いた。
皆が、この光景に驚いている中……一体誰が―――
そう思って俺はすぐに振り返る。
するそこには、ルシファルナが立っていた。
「終焉の、世界って……?」
「……以前、ルシファー様が言っていました。いづれ訪れる終焉の世界に備えなければ、と。この光景は、その時に教えてもらった様子と……ほぼ合致していて……」
(ルシファーが……?)
俺はルシファルナの言葉を真面目に聞いていた。
コイツは一度裏切って、沢山の迷惑や被害を俺たちに与えたが、何か何処かで吹っ切れたのか、俺たちへの敵対意識は既に無いようで、諦めたような目をしながら過ごしていた。
そんなルシファルナが、そう言ったのだ。
「そうか―――終焉の世界、か」
どこか中二病チックな名前だが、この光景はまさしくその言葉が当てはまっている。
それくらい、世界の終わり感があったのだ。
「ねぇ……これからどうするつもりなの?」
ミカエラは震える手で俺に掴みながらそう問う。
そんなミカエラの手を握り、俺は答えた。
「ひゃ……っ!」
「―――安心しろミカエラ。きっと、何とかしてみせる。この事態を終わらせて……全て、元通りにしてみせ―――」
『そんな事、君に出来るのかなァ? ね、魔王サマ』
―――時だった。
空から、一人の少年が現れて、そう言ったのだ。
「……誰だ。ただの子供じゃ無いよな……?」
『そうだと言ったら?』
「―――ンな訳無いだろ……ッ!」
俺は自分で言った言葉を確かめるように、手から魔弾を撃ち放った。
ただの子供じゃ無ければ、きっとこんな攻撃なんて―――
『―――アハハハッ! 弱。君……ホントに魔の王なの……?』
(やっぱりかよ……!)
俺が放った魔弾は、少年に当たるより前に何処かへ消えてしまった。
こんな事、当然ただの子供には出来る芸当じゃない筈。となれば必然的にコイツは―――
(敵、か)
「ああ、一応は新米魔王やってるけど……それがどうかしたのかッ!」
言いながら俺は何度も魔弾を撃ち放った。
しかしそれは全て、少年の前で消えていく。
『アハハハハハッ!! だから無駄なんだって! 俺の力は“全てを飲み込む海の力”なんだからッ!!』
―――全てを飲み込む、海の力……?
それじゃあ、こいつはまさか……。
▶すまない出遅れたッ!
(ハヌマーンッ! ど、どうしたんだ突然!)
▶奴は……奴だけはマズイぞ!
(だ、だから何なんだよ突然!)
▶フン、もう薄々気づいては居るのだろう?
(は、ハーデス……?)
▶ここでアイツまで使ってくるとはねェ? なあ妹よ、どう思う?
(あ、アポロンまで……)
▶はい。彼は……いえ、アイツはとても強い……です。私たちの中では、インドラ様とハーデス様がギリギリ互角に渡り合えるレベルの敵かと思います。
▶だとよ、魔王!
(嘘……だろ。アイツ、そんなに強い奴なのかよ……っ)
▶あぁ。認めたくはないが、奴は強いぞ! 我よりもな! クハハハ!
(近接戦最強のインドラが認めるなら、やっぱり相当な強さってことかよ……!)
▶フン。そうだ……奴は―――《十二神将》最強の名を欲しいがままに、破壊神イヴの一番槍として戦ってきた。
▶そう、奴の名前は―――
『《十二神将》最強……それが俺。―――海王神ポセイドンだ』
「ポセイドン……遂に、最強の神が……お出ましかッ!」
『ああ、そうだぜ。―――久しぶりだなァ、裏切り者の神サマたち』
昨日、遂に新作の投稿を開始しました!
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とりあえず今は新作読んでみてくれぇぇ!
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