case.D6 次の標的
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「あ、そうだ。ルシファルナや《天帝八聖》の皆……それにガネリア―――もとい、群神ガネーシャにはあとでそれぞれ話がしたい。から、そのつもりでいてくれ」
俺は、聞き足りない事があるメンバーにそう声をかける。
《天帝八聖》の奴らや、ガネーシャは頷いてくれるが、やはりルシファルナの奴はどうもバツが悪いのか、何も反応を示してくれない。
(まあ、仕方ないか……)
若干諦めつつも、俺は次の議題へと話を切り替えた。
「では次だ。さっきも言ったが、今後の方針について決めていこうと思う。と、ここで一応、まだ残っているやるべき事について覚えている奴は答えてみてくれ」
部下たちにテストがてら、そう質問を投げてみた。
もちろん、俺はこの質問の答えを分かっている。当然だ。
「では我が主よ。ここは私が答えさせていただきます」
「お……じゃあベルゼリオ。答えてみてくれ」
「はい。―――現在、我々にすべき事は大きく分けて4つです」
(うんうん、2つ―――――あれ……? 4……つ?)
「まず1つ目が、主様による《七つの大罪》の方々を集めること。
サタン様、ベルゼブブ様、アスモデウス様、ベリアル様は既にいらっしゃるので、残りはマモン様、ベルフェゴール様、レヴィアタン様、ルシファー様となりますが、ルシファー様は既にそこのルシファルナと一体となり亡き方となってしまいました。
ですので残りは3名の“大罪”を集めることとなります」
「あ、ああ。1つ目はそれだな」
ベルゼリオの完璧な解答に、俺は驚きつつもどういう訳か増えてしまった目的にやはり戸惑ってしまっていた。
(後2つ……何だ? 何のことを言っているんだ……??)
「では次に2つ目です。こちらは先程同様に、《七つの大罪》と相反する組織、《七つの美徳》を集めることです。こちらはラグエル様以外はいらっしゃらないので、残った7名の天使を集めなければなりません」
「ああその通りだ。ダルフィーネという八番目の天使の存在がいる以上、その始祖となる天使も居るはずだからな。当然そこまで集めることになる訳だ」
俺は言いながらも考える。
やっぱり後2つのやるべき事が分からない。一体ベルゼリオは何のことを―――
「3つ目には、我が主が指示を出されて水面下で計画が進んでいた、魔王国大移住計画の遂行です」
「あ」
そう言えば、そんな事も考えてたっけか。
……そうだ、護王国での一件でようやく動き出した大移住計画。その住民の選別をガネーシャにお願いしてたんだったな。
(そうか……他の国にもそういう人が居るのか……)
「主様……?」
「い、いやそうだな。その通りだ。そっちの計画も進めとかないとな」
「はい!」
「では最後に4つ目だ、答えてみろ!」
「かしこまりました!」
3つ目がそうくるなら、あと1つも俺が過去に蒔いた種なのだろう。
(何か……してたっけな?)
「最後に4つ目ですが、白夜たちに頼んだ世界支配の為の準備……あれが完了したのならば、後は我が主が直接その地に赴き、我々《魔帝八皇》を配置しながら手を下していけば良いのでは無いかと思いますが……如何でしょう」
「おお……なるほどな」
自然と俺は納得してしまっていた。
そうじゃないか、言われてみれば後は俺がどうにかするだけでこの世界は支配出来るんだ。
ただ、完全に支配するにはやはり信頼が足りない気もするが……そこは俺の技量が試されるところだろう。
「なるほどな……? という事はまさか―――」
「あ、いや? 気づいていたけどな? もう配置まで行くのかと思って驚いただけだぞ?」
「ああそうでしたか。確かに、まだ戦いは終わってないんですもんね……。配置はまだ早かったでしょうか……」
「そうだなぁ……全ての戦いが終わってからのほうがいいかもしれないな、それは」
俺は今後の来るであろう“双神”や残りの《十二神将》との戦いの事を考えてそう答えた。
(そうだ……まだ戦いは残っているんだもんな……)
その為の、メンバー集めをしなければならないのだ。
「うし……気合いいれてくか……」
俺は小声でそう呟いた。
波乱続きの現状だが、それももう数ステップで終わるんだ。
「さて……ベルゼリオ、ありがとう。お陰様で全員に確認させることが出来たよ」
「いえ、お役に立てて光栄です」
座ったまま一礼をするベルゼブブに、俺は頷き返した。
そのまま続けて俺は言う。
「では早速、次にやるべき事を決めていこうと思う。と言っても、俺の中ではもう決まっているんだけど……」
「ほう、魔王。もう決まっているのならそれからでいいのではないのか?」
ベルゼブブが俺の言葉にそう返してきた。
するとそれに同調するように、
「ンですね。なァ大将、やりたい事があるんならそれからやっちゃっていいんだぜ?」
「はい、主様の考えなら安心できますし!」
「サタール……ルイン……お前たち」
別にそんな大事じゃないのに、こうして信頼されていることが分かると、なんか込み上げてくるものがあるな。
「分かった。それじゃあ、俺からもお願いしようかな……」
皆が良いというのなら、俺もやりたい事をやろう。
「それじゃあ……そうだな、差し当たってはマノン・ルヴェルフェ・レヴィーナにはお願いがある」
「ん? オレと……」
「私と……」
「僕に?」
俺に名前を呼ばれた奴は、どうして自分たちが呼ばれたのは分かっていないようだった。
が、意外にもサタンの奴が何かに勘付いたのだ。
「お、おい……まさか……魔王―――」
「フッ……ああ、そのまさかだ」
俺は立ち上がり、マノン・ルヴェルフェ・レヴィーナの3人を見ながら、俺はこう言い放ったのだ。
「なあ、3人とも。―――これから俺を殺してくれ!」
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