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case.D4 報告(2)

まったりその2





「分かったわ」



 俺からのパスを受けたミカエラは立ち上がると、俺同様に向かった先で起こった事を話し始めた。



「それじゃあ、私たち天使組の結果報告をします―――」



 私たち天使が向かった先は、この城のすぐ外。

 とは言っても、この城に被害が出ないようにだいぶ離れたところの平地なんだけど。


 そこで、何処に向かうか悩んでた時にラグエル様が色々と教えてくれたわ。

 中でも重要な情報だったのは二つ。


 一つは、ラグエル様が《七つの美徳》のウリエル様と裏で繋がっているという事。

 そしてもう一つは、そのウリエル様経由で、とある理由とやらで天界に集まっていた《天帝八聖》がすぐにこの場に現れるという事。


 そう。この話を聞いた直後、直前の話にもあったように《天帝八聖》のメンツ。

 コイツらが突然現れたのよ。


 そんでもって、彼女たちは言ったわ。

 私を、「裏切り者」だとね。


 結構傷ついたけど、何だかんだあって私たちの間では伝統の“決闘”で決着つけることになってね。

 それで戦った結果が、私たちの勝利で、見事妹たちを味方につけることに成功したという訳よ。



「以上よ、何か気になることはあった?」



 やっぱり噛み砕いて話しているように聞こえたのだが、それでも短い話が終わってしまった。

 だが、聞きたいことはどうやら見つかってしまったのだ。



「一つだけ聞かせてくれ」


「? いいですよ!」 


「あーいや、違うんだミカエラ。俺が聞きたいのは―――ラグエル、お前だ」



「私? ―――って、ああ。そういう事」


「わかったか? 多分、そういう事だ」


「いいわ。教えてあげる」



 だいぶ察しが良くて助かるな。

 そう。俺が聞きたかったのはラグエルのくだりのところだ。


 『裏で《七つの美徳》と繋がっている』なんて言われたらな。

 そりゃ気にもなってしまうものだ。



「とは言っても……私、本当にウリエルとしか繋がってなくてね。彼女経由じゃないと天界の情報が得られないのよ」


「え、本当にそれだけなのか?」


「ええ。それと言って話すような事は無いわね」


「そうか……」



 まあ仕方のない事ではあるか。

 それに、《七つの美徳》の一人と裏で繋がっているという事が分かっただけでも大きな収穫と言えるだろうし。



「それと……」



 俺は言いながら彼女たちを見回した。

 《天帝八聖》の面々、なかなかにキャラが濃いが。



「貴女たちが、《天帝八聖》で間違い無いんですよね?」


「間違い無い。如何にも、私たちが《天帝八聖》だ」



 そう言ったのはメタリアと言うらしい。



「それで、一つだけ聞いときたいんだが……お前たちは、魔王軍に入るの嫌だったんじゃ無いかなって思ってて」


「そりゃ嫌だ。嫌なものは嫌だ。だが、ミカエラから事情は聞いている」


「ミカエラから?」


「ああ。お前には重すぎる使命だな……だから、この戦いが終わるまではお前たちに協力しようという事になったのだ。感謝するといい」


「……ああ、恩にきるよ」



 全員、うんうんと頷いてくれている事から、誰一人として反抗心を持っていないのだと分かった。

 本当にありがたい限りだな。こうして助けてくれるなんて。



「ああ、それと」


「ん? 何だ?」


「今度、私たちと手合わせしてもらうからな」


「……それくらいなら。喜んで相手しよう」



 こうして、俺は《天帝八聖》の面々ともしっかり知り合う事が出来たのだった。 







「じゃあこのまま次に行きたいと思うが……」



 次は順番的に、白夜たちのところなのだが。

 白夜たちのところは任せた任務が任務だから、多分話も一番長くなるだろう……と思う。


 だからその前に小さな気になる事を確認していきたいと思う。



「その前に、いくつか細かな事を確認させてくれ」



 そう言うと、俺はまずサタンの方を見た。



「おいサタン。お前は一体何処に行ってたんだ」


「ギクッ……」


「誤魔化すなよ? お前がベリアルの力を使ってこっそり逃げたことは分かっているんだから」


「……わ、わーったよ……」



 まずは、サタンが逃げた理由から聞くことにした俺。

 だが、サタンが逃げた理由は大した物では無かった。



「ちょっと焦っててな……。早く《七つの大罪》を集めなきゃっていう、俺とお前の焦りがリンクしちまって、それで一人で動こうとしたんだよ。リーダーとして、責任感じちまったっつーかなんつーか……」


「はぁ……? お前、そんな理由で……」



(何だよそれ。お前、結構良い奴じゃんか)



「そっか……じゃあ、許すしか無いな。―――ってか、ちなみになんだが。サタンは何処に居たんだ?」


「フッ……コイツ、この城の近くに居たんだぞ? 面白いよな。ずっとこっちを見ていたんだから」


「え? そ、そうなのかベルゼブブ?」


「ああ。面白かったぞ、後ろから声をかけた時のあの驚き様は」


「チッ……言うなよ……」 



 何だ。結構大事だと思ってたけど、大したことじゃ無かったらしいな。

 ちょっと深く考えてしまった自分が馬鹿みたいだ。


 まあ、この話は別に問題じゃ無かったな。

 じゃあ次だ。



「次に聞きたいのは、リガーテ。お前の事だ」


「はい……」



 俺は続けてリガーテの方を向いて、問いかけた。



「お前、何処に居たんだ? 前もそうだが、気づいたときには居なくなってたよな? 何だか怪しいが……お前、今まで何処で何をしていた?」


「……私は。ずっと父を探していたんです」


「……リガルテを?」


「やっと会えたと思ったのに、また父さんは悪利用されて……ずっとずっと、私は父さん探して歩き続けていたんです。でも、そこをベルゼブブ様たちに見つかってしまって……」


「ああ。そこで我が連れ帰ってきたのだ」


「なるほど……」



 そうか。

 俺が指示を出していなかったせいもあって、ずっとリガルテを探していたのか。


 まだ、完全に疑惑が晴れたわけじゃないが……誠実なリガーテなら、信用してもいいだろう。



「済まなかったな、リガーテ。お前のことまで面倒見てやれなくて」


「い、いえ! 別に……怪しい行動をしていた私に全責任がありますので……」


「じゃあ、そこまで言うなら今度一日だけ城の掃除でもしてもらおうかな」


「え……?」


「罰だよ罰。責任、負ってくれるんだろ?」


「……はい! ありがたく掃除させていただきます!!」



 という事で、リガーテとの話もうまく丸まったな。



「さて、と。……だいぶ話も終わりが見えてきたな。ベルゼブブたちのところと、ルヴェルフェたちのところからは何か報告はあるか?」


「いや、我らのところからはもう無いぞ。そいつらを見つけて捕まえてきたことだけだ」


「うん。僕たちもなんにも起きなかったから、特に報告は無いよ?」



 という事は、残ったのは―――



「残りは、白夜たちのところと……そうだな、ルシファルナの話も聞きたいな。後は、今後の事についても話をしたいところか」



 まだミッションは残っているしな。

 《魔帝八皇》と《天帝八聖》が揃った今、《七つの大罪》と《七つの美徳》集めも出来るということになる。


 そっちも忘れずに進めていかないとな。



「さて……それじゃあ聞かせてくれ、白夜。お前たちのところでは、何があったのかを」



 俺は、白夜を見ながらそう言った。

 白夜はそれを受けて、うんと一つ頷いて語り始める。



「それじゃあ、俺から話させてもらいます。結構、長くなるかもです―――」

ブックマークよければぜひ!

新作と新編集版のほうもお楽しみに〜

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