case.C36 対魔帝八皇戦
裏切りではなく―――?
「さあ、行くのですッ!!」
そんな言葉が放たれると、ルインたち5人は一斉にこちらへ向かって駆けてきた。
もちろん、敵意……いや、殺意は剥き出しで。
「何なんだよ……ッ!」
俺は瞬時に、“双滅鎌トワイライト”を取り出し構える。
さらに。
「―――『天魔』!」
光と闇の力を一気に解き放ち、これで完全に準備を整えた俺。
「“鬼龍流剣術・追奥”ッ!!」
「“鬼龍流剣術・竜砲”ッ!!」
とそこに、連携技を仕掛けてきたサタールとベルゼリオ。
その瞬間、俺は瞬時に情報を整理した。
まず、ルシファルナの奴は上空に。
そして、マノンは右側から、ルインは左側から走ってきている。
(とは言えまずは正面にいるコイツらからどうにかしないと……だよな)
「―――“双乱斬”ッ!!!」
俺は鎌を高速で振るい、サタールとベルゼリオを同時に押し退けた。
「ヘェ……ッ! よくこれを捌いたな……ァ!」
「ですが、この程度では終わりませんよッ!」
分かっている。
5対1の時点でノンストップなのは覚悟してたからな……!
(次はどうせ……)
「―――“爆炎天”ッ!!!」
「お前だよな……ッ!!」
サタール達を捌き、そのまま勢いよく飛び上がると今度はマノンが仕掛けてきた。
しかもだ。
「“矢雨弾”ッ!!」
ルシファルナとの同時攻撃。
横、そして俺のさらに上空から降り注ぐ二つの雨。
だが、俺は動じない。
落ち着いて、対処するだけだ。
「―――“双滅虚空斬”ッ!!」
攻撃が来ている横、そして上空に二つの斬撃を放つ。
それは俺のすぐそばで空間を切り裂き、そしてそのまま降り注ぐ攻撃を虚空へと飛ばしていった。
「……今度はこっちの番だッ! “獄炎弾”ッ!!」
直後、切り裂いた空間が元に戻るタイミングを狙ってマノンとルシファルナのいる方へ【憤怒】の力を練り込んだ魔法を撃ち放った。
が、しかし―――
「無駄だぜェ!? ―――“魔断”ッ!」
「私もご助力致します。―――“虚空斬”」
俺の放った魔法は、ルインとサタールによって消えてしまった。
さらに。
「ヘッ……チャンス!」
「……ッ! しまっ―――」
「―――“爆発炎魔”ッ!!!」
俺は、背後から近づく怪しげな影―――じゃなくてマノンに気づかず、マノンお得意の爆発魔法を直撃で喰らってしまった。
「グアァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!」
だが、当然それだけじゃ終わらない。
終わらせて、くれなかった。
「“分身”」
何とか受け身で、すぐに起き上がれる態勢を維持していた俺の視界に映ったのは、大量に分身したルインの姿だ。
(これは……マズイか……ッ!?)
▶おい魔王ッ!
(ハヌマーンッ!? どうした、今の俺には時間が―――)
▶『支配』だよ『支配』! これは、『支配』の試練なんだろ!? だったら使って仲間たちを解放すりゃいいじゃないか!
(……ッ!! そう、か……!)
▶クアハハハ! それに、今のお前じゃ強者5人を捌くのは難しいようだな。それならば、我らの力を使うといい!
(お前たちの、力……!?)
▶フン。癪だが、ここで負けられても困る。ならばこそ、我らの力を託そうでは無いか。
「―――主様、お覚悟を……ッ!」
だが、ルインは待ってはくれない。
もう、彼女の短剣の射程圏内まで入ってしまっている。
後ろにはサタールやベルゼリオも迫ってきている。
もう、時間は―――
▶まずは虚空だ……! 虚空に逃げろッ!
(……ッ!? 何を―――)
▶いいから早くッ!
(りょ、了解……!)
「“虚空斬”!!」
高速で自分の前の空間を切り裂いた俺は、そのままその裂けめの中に飛び込んだ。
すると一瞬にして視界は変わり、さっきまでの喧騒は無くなった。
「ルインは同じ力が使える。だから……余裕があるのはこの一瞬だけだ……ッ!」
まずは『天魔』の力を使い、さっきの爆発によるダメージを癒やしながら、再び俺の中にいる神様たちに意識を向ける。
▶よし。すぐに終わらせるぞ。
▶おうよ。
▶いいだろう。
(何をするつもりなんだ……?)
▶まあ見ていてくれ。
▶お前に、我の力を託すぞッ! 存分に暴れるといい。あの天使に次いで、《神帝武流》を受け継ぎし者よッ!
▶―――来たぞ。神将スキル、『神帝』を解放した。
(インドラの、力……)
たった一つ、力が解法されただけなのに体の奥底から力が湧き出てくるような感覚だ。
▶さて、次だ。冥王たる我の力も存分に使うといい。これで貴様は、完全なる支配者へ近づくことが出来るだろう。
▶―――来たな。神将スキル、『冥神』を解放した。
神の、力。
俺はここで、さらなる力を手に入れて―――
▶さあ、これが最後だ。お前に託そう、我らの真の力を。
―――『神威』、存分に発揮するといい。お前の『支配』の力と合わせてなッ!
(『神威』……って、マジかよ……ッ!)
新たに得られたスキルに驚いていると、俺のいる虚空次元に歪みが入った。
恐らくルインだろう。
「どうやら、タイムアップのようだな……」
だが、得られた物はとても大きい。
すぐに、その力を使ってアイツらをボコボコにしてやる。
―――空間に裂け目が入った瞬間が勝負だ。今度はこちらから飛び出してやろう。
「さあ、今度は俺の反撃からだ……ッ!!」
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