case.C34 ギャグ&ルール
ギャグマンガのようで、真剣。
case.C34 ギャグ&ルール
「ありゃ……さっき上から見た時は人が見えたってのに、今は居ねェじゃねェかよ」
「うむ……おかしいな。やはり、何かの力が働いているのでは……?」
サタールとベルゼリオの二人が、先頭を歩きながらそう話していた。
確かに二人の言う通り、どうしてか今は人っ子一人の気配も無くなっていたのだ。
それも、地上でそうだったように。
「主様、これってどういうことなんでしょう……?」
「すまんが俺にもよく分からないんだ。ごめんな」
「あ、いえ! お気になさらず!」
申し訳ないとは思いつつも、俺は即答した。
正直今でも何が起きているかは分からない。と言うか、色々起こりすぎて目的を見失いそうなくらいだ。
「てか思ったより早く着きそうだな、これ」
「ンだなァ〜」
話しているとどうもあっという間に感じる。
気づけば俺たちは、もう城の近くまで来ていた。
「さてと……まあ、多分……と言うか絶対ここで何かが起きるよなぁ……」
「でしょうね」
「ま、あのクソジジイの事だからな」
「でも、進まねェと。だろ?」
サタールが俺にそう問いかける。
俺はそれに一つ、頷くと。
「ああ、だな。それじゃあ悩んでても仕方ないし、さっさと行くか―――」
そう言って、俺が足を一歩、城内へと踏み入れた時だった。
「―――ッグ……ァァァァァァァァァ!!」
「主様っ!?」
(ンだよ……これッ!)
突如、身体に襲いかかる重力。
上から押しつぶされるような、そんな……感覚。
「おいおい……何だよこれ……ッ!」
「我が主よ、大丈夫ですかッ!!」
「何とか…………なッ!」
震える足で何とか耐える俺だったが、今だに重力は俺を襲っている。
「あのクソジジイ、何かのトラップを仕掛けやがったな……!?」
「主様……主様!」
徐々に足が落ちていく。
もう少しで、完全に倒れてしまいそうだ。
(クソ……ッ! どうすれば、いいんだよ……!)
「なに……か……ない……のか?!」
▶あるじゃないか。
(その……声は……ッ!)
▶あるだろう? お前だけの力が。
(ハヌ……マーン!)
▶さあ、早く思い出せ。お前だけの、力を。
(俺……だけの……力……!? ―――そうか……あれなら……ッ!)
「―――『支配』、発動だ……ッ!」
▶よし来たッ! スキル『支配』を発動するぜッ!
そう、かすれ声で俺が呟くと。
一瞬にして、俺を襲う重力は消えた。
「『天魔』」
俺はゆっくりと立ちあがりながら、スキル『天魔』で自身に回復をかける。
「ヘェ、やるじゃねェか大将!」
「良かったです……我が主!」
「あるじさまぁぁぁ〜」
と、俺が立ち上がると皆して急に寄ってたかってもみくちゃにしてきやがった。
何だか嬉しいような恥ずかしいような。別に大したことをしたわけじゃないのに。
「心配かけたな……俺の力がなかったら、どうなっていたことか……」
(それにしても、『支配』……か。改めて、恐ろしい力を手に入れたんだな、俺)
▶クハハ! 今更か魔王よ!
(インドラ……)
「まあ解除できたならいいや。あく先に進もうぜ〜」
マノンがそう言いながら先に進んでいく。
どうやらトラップは最初のみのようで、俺以外のメンツには発動していなかった。
次からは気をつけよう。いくら『支配』があるとは言え、そう何度もトラップに引っかかるわけには―――
■
「のわー!!!!」
と思ったのだが、城に入ると早速ホーミング巨大黒鉄球が襲ってきた。
高速で転がってくるが、何故か俺だけを追尾してくるのだ。
(嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ!!??)
▶キヒャヒャヒャ! 愉快だ愉快だ!!
(うるせぇハーデス!!!)
「ふざけやがって……! ―――『支配』だッ!!」
▶おっしゃきたぜ! 『支配』発動!!
俺が叫ぶと、巨大黒鉄球にも『支配』がかかり、そのまま意志のままに止まってくれた。
「ふぅ……」
俺はそのまま立ち止まり、一息つく。
そして周囲を見渡すと、そこには誰もいなかった。
どうやら俺だけこの黒鉄球に追われる内にはぐれてしまったようだ。
「こんなしょうもないトラップのせいではぐれるとか……ツイてないな」
▶でも、何だか意図が読めませんね……。
(アルテミス……?)
▶そうだなァ。俺から言わしてもらっても、何だかやけに『支配』の力を使わせようとしてるって事以外は大して意図が読めないが―――
▶っておい! 貴様、早くそれを止めろ!!!
(ん? 止めろって、何をだよハーデス)
▶それだそれ!!! ああああああ、隣の鉄球がぁぁあ!!
(は……? 鉄球が―――)
俺は首をぐりんと曲げ、再び巨大黒鉄球に目を向けた。
すると。
―――ジジジジ…………
そんな音を立てて、少しずつ赤に染まっていく黒鉄球。
心なしか大きさもさらに大きくなっているような……
(って……おいいい!!!)
しかし、気づいたのが遅かったようで。
直後、その黒鉄球は勢いよく。
―――ドガァァァァァァァァン…………!!!
と爆音を立てて爆ぜたのだった。
■
「けほっ……ごほっ……」
何とか爆発に巻き込まれながらも、一命をとりとめた俺。
気づけば俺は、さらにしらない場所へと迷い込んでいた。
「ここは…………?」
何やら寒い。
それに、誰かの気配もする。
「そこに、誰かいるのか……?」
暗闇に問いかけるが、答えは帰ってこない。
仕方なく俺は少しずつ進むことにした。
「ここは……一体……」
「―――追奥の間へようこそ。新たなる魔王よ」
「……ッ! やっぱり、誰かいるのか……!」
暗闇から声がする。
姿は見えないが、声色は男性のモノだ。
「―――さあ、突然で悪いがゲームを始めよう。君の、君一人の力を高める、試練という名のゲームをね」
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