case.C31 CROSS×OVER WORLD
感想書かれるのってかなり怖いですね
「はぁ……はぁ……! ようやく片付いたか!」
「ひとまずこれでラストかと―――」
『いや、まだ来るよッ!』
ビッグ・マザーがそう叫ぶと、装置は一際大きな音を立て始めた。
ゴウンゴウンゴウン!と鳴り響く謎の装置は、紫色の怪しい光を放ち始める。
「任せなさい。私が神の力で一瞬で吹き飛ばして―――」
「そ、そんな……!」
紫色の光は、やがて人の形を模し始めた。
それは徐々に実体を構成していく。
―――俺たちは、アンデットの軍隊を無双していた。
奴らは思っていたよりも雑魚で、普通に切り飛ばす事ができ、全員で蹂躙していたのだが。
かなり長い間、同じ事を繰り返していると、突然この装置が光り始めたのだ。
そして、その光が模した人。
それが今の問題だった。
「見たことある、人影……だよな」
光の人影は、一つじゃなかった。
「ええ、それも……よく知ってる……」
九つの影。
光の人は、実体を持ち始めた部分から徐々に黒に染まっていっていた。
「し、師匠―――」
「ルミナス……様?」
「あ、アニキ……!」
そう。
その紫に輝く九つの光の影人は、今の、俺たちがよく知る魔王軍幹部のメンツを模していたのだ。
■
「地下に街が……」
「おいおい、こりゃ一体どういうこって……」
ベルゼリオとサタールが、その光景に口を大きく開けて目を見開き、あからさまに驚いていた。
「主様……この感じ、もしかしてこっちが……」
「ああ。多分、まだ少ししか目視出来ないが……こっちが本当の《死国ディブリビアゼ》なんだろうな」
目視出来る範囲に人影もある。
それに、地下のはずなのに何故か太陽のような暖かな光も存在している。
しかし、今は夜のはず。
ということは、この暖かな光は人工的に生み出された物だろう。
兎にも角にも―――
(まずは人の話を聞いてみないと……だな)
「よし。ここで立ち止まってても仕方ないから、とりあえず先に進もう。まずは聞き込みからだ」
「はい! それでは私が先導致しますね!」
「頼むぞ」
ルインが元気よく俺たちの前に躍り出た。
俺たちの道の先には、一つの下へ続く長い階段がある。
そこを下りきればいよいよこの地下街とのご対面だ。
■
『“炎天”』
『“爆発炎魔”』
アニキの影とマノンさんの影が同時に魔法を撃ち放った。
「『守護』っ!」
それをアスモフィさんが、間一髪のところで防いでくれる。
「全員落ち着きましょう! コイツらは所詮影よ。偽物なのよ!」
「アスモフィさん……!」
「今まで通り軽くボコボコにしてやりましょ!」
軽くボコボコに、か。
普段なら有り得ないことが、今なら簡単に出来るって考えると……。
それはそれで何だかドキドキしてきたな。
いや、わくわく……か?
―――そんなのどっちでもいいわよ! それよりも来たわよ!
『―――“鬼龍流剣術・追奥”』
「……ッ! しまっ―――」
突然のヘルの警告に驚き、武器を構え直すよりも早く視界に剣が入ったその瞬間。
「―――“我流剣術・最奥”ッ!」
さらに別の剣が、横から現れて影人の放った剣技を跳ね返したのだ。
「クサナギさんっ!」
「油断しないでください! 偽物とは言え、かなり本物に近い動きをしていますよ……!」
「了解です!」
本物に近い動きを……。
それじゃあルヴェルフェさんの影人なんか、すごい厄介なんじゃ―――
『―――“陣付与”』
(ってその言葉はまさか……ッ!)
「私に任せなさいッ!」
「ガネリア!?」
するとガネリアが俺よりも早く飛び出していった。
『“煙―――”』
「喰らいなさいッ! これが群雄割拠の一撃よ―――“群神之拳撃”ッ!!!」
刹那。
ドッガァァァァァァァァンッ!!!という轟音と共に、ルヴェルフェさんの影人が“付与”を発動するよりも早く、ガネーシャの神の力の籠もった一撃が、ルヴェルフェさんの影人を消滅させたのだ。
「ふぅ、ギリギリだったわね」
「んなむちゃくちゃな……」
俺はその様子に呆れながらも、残っている魔王軍幹部の影人達に気を向け直すのだった。
■
―――ドッガァァァァァァァァァンッッ!!!
「ッ……!?」
「なんでい! 突然!」
「我が主よ、私の後ろに!」
突然、空から巨大な地鳴りがした。
いや、空から地鳴りと言うのは矛盾も甚だしいが……とにかく、空から轟音が鳴り響いたのだ。突然。そう、突然に。
「ほーん……どうやら地上でも何かやってるんじゃねぇのか? オレもどんぱちやりたいんだけどなぁ」
「マノン、お前なぁ……。今はこっちの調査が先決だろ?」
「わーってるけどよ……どうせだったら敵意のある奴とか出てきてくんねぇかなぁ?」
「いやいや、そんな都合良く敵が現れる訳がないだろう?」
毎回毎回そう簡単に敵が現れる訳が無い。
―――コツ、コツ、コツ。
(いや、流石にな……?)
――――コツ、コツ、コツ。
「主様、警戒を」
「は……? マジで……?」
前方、階段から誰かが上ってくる。
「へぇ? 敵意むき出しじゃん」
(て、敵意が……むき出しだと……!? 全然気づかなかった……)
さらにその人物は一歩ずつ階段を上ってきた。
そして、やがて俺たちのいる段より少し下の、丁度いい距離のところまで来た、その時。
「フン。そうか……ついに貴様らがここに来たのか」
低い声でそう呟いた、老人……?
全身を黒い衣服に包まれた、結構背の高い老人だ。
俺はそんな老人に応える。
「お前は、何者だ? ここは、一体何なんだ?」
「何も、知らないのか。そうかそうか。では教えてやろう―――」
そう言うと、老人は被っていたフードを取り外すす。
すると、それを見た俺とルイン以外のメンツの顔が、少しずつ引きつっていくのが分かった。
「は? おいおい嘘だろ……?」
「そんな……貴方様は……ッ!」
「クソ……ジジイ!」
「やあ、歓迎どうもありがとう。お初にお目にかかるね、新しい魔王様?」
「……ッ、なんで俺の事を……?」
「なんで、って。そりゃ……
―――僕が、君の一つ前の魔王だったんだから、分かるでしょ」
「一つ前の……魔王だと!?」
それじゃあ、コイツは……
コイツの名前は……ッ!
「僕は、ニルマトリア。前魔王、ニルマトリアだよ」
「テメェが諸悪の根源かァァァァァァァァァァッ!」
「…………へ?」
新編集版の方も是非是非よろしくです〜!
ブックマークもよれけばぜひ!!




