case.C30 UNDEAD or UNDERWORLD
久々にかっこいいタイトル思い浮かんだ
「どっせぇぇぇい!」
ドッカァァン!と扉が壊される。
ガネリアによって吹き飛ばされた大きな鉄製のドアは、勢いよくその部屋の奥の方まで飛んでいった。
『ちょっと待って、何かがおかしいよ……?』
いち早く先頭に出たビッグ・マザーが、そう言った。
「おかしい……ですか?」
『うん。気づくかな……この部屋からも、何の気配も感知出来ないんだ』
(ここにも気配が無いのか……?)
一応、この城で人が居そうなポイントはもう既に、事前に回ってきている。
食堂っぽい場所や訓練場っぽい場所、いろいろなところを回ったが、最後の希望であったこの大広間にも居ないとなるともう手がかりが―――
「って、ん……? あれは何だ?」
と、そこで俺はとある物を見つける。
それは、正面奥にあった玉座の裏からチラ見えしていた。
―――ゴォンゴォン……。
まるで洗濯機のような音を立てながら光っている装置。
地球儀くらいのサイズの玉が、一つの玉を中心にグルグルと循環しているような装置だ。
ちょっとメタリックでかっこいい。
「にぃ、こっちにも何かあるよ……?」
すると玉座の方まで着いてきた月夜が、俺の服をチョイチョイと引っ張って伝えてくる。
近くまで来ていた他のメンツも、俺と一緒に月夜が言った場所を見てみる。
そこは、玉座の裏にあった装置の、さらに裏に隠されていた。
「どうした? ……って、これは……」
『うーん。明らかに怪しいね、これは』
見ると、そこには一つの穴があった。
ちょうど人一人が入れるくらいの大きさの穴だ。
「んー、穴があったら入ってみたいものだけどねー☆わくわく」
アスモフィさんがわくわくしながら穴を覗き込んでいた。
しかし、もうこの国を攻略する手がかりはこの装置と穴しか無い。
それならば調べてみる他ないだろう。
そう思って、俺がその穴の中を覗きこもうとした、その時だった。
『―――ソコカラ、サキニハ……イカセ、ナイ』
後ろから、まるでゾンビみたいなかすれ声が聞こえてくる。
急いで振り返ると、目に飛び込んできたのは―――。
「は……? 嘘だろ……何だよこれ!」
『このボクが、気づかなかっただって……?』
「へぇ? ―――アンデットの大群とは……私の前でいい度胸じゃない!」
そう。
今ガネリアが言った通り、そこに居たのはアンデットの大群だったのだ。
(マジでこの国はどうなってるんだ……! さっきから不気味な事しか起こらないじゃんか!)
そう心の中で文句を言いながらも、俺は魔剣を引き抜き構える。
全員が即座に戦闘態勢に入る中、
「私が前衛を張ります。皆さんにはサポートをお願いします!」
そう言っていち早くクサナギさんが俺たちの前に出る。
『ゼンイン、コロス……!』
そんな一言を合図に、ゾンビのようなアンデットの大群は俺たち目がけて突っ込んできた。
(まずはコイツらをどうにかしてからだ……。じゃないと落ち着いて調べ物も出来ないからな……っ!)
■
城内で白夜たちがアンデットの大群との戦闘を開始した、ちょうどその頃。
魔王ルミナスたちは、玉座の裏にあった装置の裏にあった穴の先を進んでいた。
「主様、ここって一体何なんでしょうね」
「んー……そうだなぁ」
実際、自分自身でもよく分かっていないのだ。
一つ気になっていたのは、この城に乗り込む時に感じたあの違和感。
警備・セキュリティが皆無であることや、城に入る時に通ってきた住宅街や商店街の道なみにすら、人影が無かったことだ。
前にルヴェルフェと出会った時、《十二神将》と戦ったあの時には普通に人はいた。
まるで他の国とは何ら変わらない……いや、他の国よりかはちょっとだけ薄気味悪いくらいの雰囲気だったが、大差ない生活が見られた。
のに、今となってはこの閑散具合。
明らかに、何かの力が働いているのは分かっていた。
「正直、俺にもまだよく分かってないよ。もう少し、調べてみよう」
「はい、主様!」
ぴょんっ!と跳ねてにっこり笑うルイン。
俺はそんなルインの頭を撫でてやった。
「えへへ、主様のなでなで気持ちいいです〜」
「そうか? こんな事でいいならいつでもしてあげるからな」
「はい! じゃあ毎日百回くらいお願いしちゃいましょうかね〜」
なんて冗談っぽい事を言ってくるルインだったが、そんな様子を見ていたサタールがこう一言。
「なんでい。お前さんたちまだ結婚しねェのかよ」
「は?」
「へ?」
俺とルインの間抜けな声がシンクロした。
「ちょ、な、な、な、何を言って!」
「そそそそそそうですよサタール様!!!」
「ひゅ〜、お熱いねェ!」
さらにはやしたてるサタールに、俺は一発頭を叩いてやる。
「ちょ、おま、いい加減にしろよ!」
「動揺してる大将も悪かねェが、どうやらそろそろゴールが見えてきたようだぜ?」
「え……?」
そう言うサタール。
俺はサタールから視界を切り替え、再び正面を向くと一際強い光が射し込む、一つの入り口がそこにはあった。
「この先に、一体何が―――」
俺を先頭に、全員が光の中へと入っていく。
するとそこに広がっていたのは。
「…………こ、これは…………ッ!」
驚くしかなかった。
こんな事が、有り得るのだろうか。
こんな、漫画みたいな展開が。
「あ、主様。これって……」
「ああ。どうやら、こっちが……
―――ディブリビアゼの、真の姿みたいだな」
そこに広がっていたのは。
地上に広がっていたのと同じ、《死国ディブリビアゼ》の街並みだった。
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