case.C26 死に際の伝言
ここらへんなんかごちゃごちゃしてるかもしれません
うまくまとめ上げたい
「初代《魔帝八皇》だと……?」
「ああ、そうだ。我が、原初の“暗殺者”だ」
突如現れた、黒い衣に全身を包んだ男はそう言った。
(初代《魔帝八皇》だと……? でもそれって、何百年と前の存在感なんじゃ……)
「今は、時間が無い。早急に貴様らを排除させてもらおう」
そう言って、ナナシと名乗ったその男は二本の黒い短剣を取り出した。
(時間が無い……? 何を、そんなに焦っているんだろう……?)
「ではゆくぞ……ッ!」
そう言うと、ナナシは消える。
「……ッ! にぃ、後ろ!」
直後、月夜が俺にそう叫んだ。
構えていた魔剣グラムを、俺はそのまま後ろへ振るう。
「ナニ……ッ!?」
すると、ガキィィィンッ!という金属音が鳴り響き、何も無いところからナナシが現れた。
まさか俺に攻撃を防がれるとは思っていなかったという反応をしたナナシは、一度バックステップで俺たちから距離を取り、
「クッ……時間が無いというのに……! それならば―――我が分身達よッ!」
額に汗を浮かべながら、ナナシは綺麗な口笛を吹いた。
すると、辺りには俺たちを囲むように黒い男たちが現れる。
「行くぞ……! “黒影抱擁”!」
そしてそのまま、男たちは俺たち目がけて黒い魔法弾を放つ。
だが、それが放たれた瞬間。
「私に任せて。―――“聖域”……ッ!」
そう言ってアスモフィさんが、手に持っていた杖を地面にカン!と突き立てると。
そこを中心に光の魔法陣が広く、俺たちを囲むように広がっていく。
やがて、広がりきった魔法陣は俺たちを包み込むようなバリアを展開した。
「な……にッ!」
そのバリアが、ナナシの放った黒い魔法弾を弾き返し、と同時に近づいてきていたナナシ以外の黒い男も何人か消滅していった。
「聖属性の魔法か……ッ!」
「そうよ? 貴方の気配が何だか怪しかったから、お試し程度で試してみたら、ビンゴって訳」
「クソ……ッ! 時間が無いのと言うに……ッ!」
さっきから酷く焦った様子のナナシ。
一体、何がそんなに彼を焦らせているのだろうか。
「……ッ! まさか、もう時間が―――」
すると、ナナシの身体が徐々に消えかけていた。
それは、足から、少しずつだが。
明らかに消えかかっていたのだ。
「この国の、呪術もここが限界と言うことか……ッ! ならば……死なばもろともだッ!」
腰の辺りまで消えかかっていたナナシは、「死なばもろとも」。そう言って、まるでゴーストのようにこちらへ突っ込んできた。
「無駄よ! この“聖域”が発動している限り、邪の者は何であろうと入ることは出来ないわよ!」
「無論! そんな事は分かっている……ッ!」
バチィィィッ!という火花を散らしてまで、ナナシはアスモフィさんの展開した“聖域”のバリアに突き当たった。
そして、何とか消えまいと死力を尽くしてナナシは言葉を言い放つ。
「―――この国に、王は居ない……ッ! 既に、殺されているのだ!」
「……え?」
(突然、何を言って―――)
「我“ら”は、偽りの王によって召喚された……原初の存在……!」
そうやって話している間も、ナナシの身体は少しずつ消えていく。
気づけば、もう肉体は首より上しか無かった。
「だが……現界しているのには時間制限がある……! だから、我らは―――」
そこまで言って、ナナシは消えていってしまった。
一体、何だったのだろうか。
「今の言葉って……どういう……」
俺のそんな呟きと共に、辺りには静寂が訪れる。
閑散とした町の中、突如として襲来し、意味の分からない発言を言い残して消えてしまったナナシ。
そんな突然の出来事に、俺たちはただ唖然とするのみだった。
■
『一度、情報を整理しないかい?』
ビッグ・マザーが、何かを考えながらそう言った。
「賛成だ……」
俺はそれに頷く。
『とは言っても、大して情報量は無いよね。だから、ボクの情報網を使ってちょっとだけ推理してみたんだけど……』
「聞かせてくれ」
『うん、任せて。……まず、さっきの出来事で分かったのは、この国に王が居ないという事。そして、偽りの王が原初の《魔帝八皇》を召喚していると思われること。さらに、その《魔帝八皇》達には、現界できる時間制限があるという事。……だよね?』
ビッグ・マザーは、俺たちに確認をした。
まあ、分かっている情報を纏めるとそうなるな。
「はい、そうなりますね」
クサナギさんが、ビッグ・マザーの確認に頷いた。
『では、ここからは推理……というか、これからの行動方針についてなんだけど……。とりあえず、いつ初代の《魔帝八皇》に襲われてもいいように、全員で固まって動くことにしよう。そして、そのままこの国の中央の城に向かうんだ』
「城に……?」
『うん。一つだけ情報共有されたのが、城周りのセキュリティが上がっているっていう事なんだ。厳重な警備に、セキュリティの向上。これはもう怪しいの極みでしょ』
(それは確かに怪しいな)
「うん……それは確かに怪しいね」
俺の考えと、月夜の呟きがリンクした。
「そうね……それじゃあ、考えてても仕方ないし、城に向かいましょう?」
「そうですね。さっさと向かって、一日の間に全部終わらせてやりましょうか!」
アスモフィさんの言葉に、俺が乗っかり、俺たちはそんなこんなで再び歩を進めた。
目指すはこの国の中央にそびえ立つ城だ……!
(って、毎回城に向かっているような気もするけどな……)
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Cパート《世界動乱》編は40話で終わります
あと一ヶ月じゃ終わらないかも…………




