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case.C23 試練

決着へ―――



『ふぅん……その剣全部、魔剣なんだね……』


「ああ、しかもこれくらいじゃ終わらないぞ?」



 『剣王ソードマスター』のスキルで生み出したファンネル状の小さな剣たち。

 俺はその全てに、スキル『魔剣現界イヴィルバース』の力を使い、魔剣へと作り変えた。


 アルジャイル王と戦った時と同じ技だ。

 だが、そのままじゃあまり力が発揮できないのは知っている。

 だから、そんなチンケな変化だけじゃ終わらないようにした。



「―――“鬼神炎渦”」



 俺の手から放たれたそれは、剣を渦巻くようにまとわりついた。

 さらに、もう一度手はかざされた。



「進化した私の力、見ててね……にぃ」


「月夜……お前何を……?」



「―――“巫女之心眼ヴェール・アイ”」



 直後、俺が生み出した剣の全てに魔法陣が現れ、何かをそのまま付与していた。



「さあ、今だよにぃ!」


「え……? あ、お、おう!」



 月夜にそう言われて、俺はすぐに剣を射出する準備を整えた。



「よし……行くぞッ!!」


『かかってきなよッ!』



 ビッグ・マザーのその一言で、俺は用意できた魔剣を次々と放っていった。



『あははは! こんなの戯れだよッ! ―――“絶対冷却装置起動”ッ!』



 そうビッグ・マザーが叫ぶと、腕の装甲が少し開いて、そこからブシュー!という激しい音と共に離れていても感じられる冷気が漂ってきた。


 そして、その冷気によって俺の放った魔剣は―――



『これで君の放った剣は―――って、あれッ!?』


「……はっ」



 魔剣は、一度凍りついてしまった。

 それを見たビッグ・マザーが余裕の態度をしたんだが……その刹那、凍りついた剣は未だ消えずに残っていた“鬼神炎渦”の炎を自ら増幅させ、一気にその熱を解放したのだ。



「いけ……ッ! “魔剣連撃イヴィルストライク”ッ!!」



 氷の呪縛から解き放たれた俺の魔剣たちは、一気にビッグ・マザーへ襲いかかる。



『クソ……! 厄介な―――グァァァァァァァッ!』



(今だッ!!)



 俺はビッグ・マザーが怯んだ隙に、駆け出した。



「にぃ! 私も合わせるよ!」


「了解! しっかりついてこいよ!」



 背後からは月夜もついてきていた。

 俺は短く会話を終わらせると、月夜には俺とは逆周りに攻めてもらうように指示を出す。




『グ……ガ……なかなか、やるね―――』



「まだまだこれからッ! ―――“神速連撃フォーミュラストライク”ッ!」



 何とか態勢を立て直した様子のビッグ・マザーに、今度は『神速』を併用した技で近づき剣を叩き込む俺。

 そこに再び、



巫女之心眼ヴェール・アイ!」



 月夜が謎の術式を、今度は俺の持つ“魔剣グラム”へとかけた。

 しかし俺はそんな事を気にせず、悪即斬で叩き込む。



『グ……ガ……ガガガガガガァァァァァァ!』


「追撃よ……! “絶凍氷弾アブソリュートバレット”!」



 さらに背後に回り込んでいたヘルが、高く跳び上がって氷点下の弾丸をビッグ・マザーの脚を中心に放っていく。



「―――にぃ、こっちまで来て!」


「え?」


「いいから早く!」 


「わ、分かった! ―――『神速』」



 突然月夜に呼ばれて、俺はその場を『神速』で離れる。

 するとその直後。



『ガガガ……ドガガガン!』 



 訳のわからない機械音と共に、俺のいた方の腕―――つまりビッグ・マザーの右腕が、腕ごと撃ち放たれたのだ。

 そして、その腕は地面で着弾し爆発した。



「あっぶな……! ナイスだ月夜!」


「えへん。これでも『未来予知』を使える巫女だからね!」



 そう、胸を張る月夜。

 だが、そんな月夜を褒めている時間はあまり無い。


 ―――どうやら、まだビッグ・マザーは動きそうだ。



『全装甲、解放……。パージ、パージ、パージパージパージパージパージパージパージパージパージパージパージパージパージパージパージパージパージパージパージパージパージパージパージパージパージパージパージパージパージパージパージパージ……』



 ブシュー……ガコン、ガコン。

 そんな機械音が重なり、響き、そしてそんな音と共にビッグ・マザーの見た目は変わっていく。


 ガン!ガン! と装甲が剥がれ落ちていく。

 そうして現れたのは、小さな……とは言っても俺たちと同じくらいの人型のロボットだった。



『対、人用決戦兵器―――ファスト・ビッグ・マザー起動。これより、キミたちを排除する』



 シャキン……と、ビッグ・マザーは長い剣……いわゆる太刀のような武器を引き抜き構えた。 



『さあ、行こうか―――』



 そうビッグ・マザーが呟くと。


 既にその場には、ビッグ・マザーは居なかった。



「月夜、気をつけ―――」


「にぃ! 後ろッ!」



(後ろかよ……ッ!)



 月夜の指示をすぐに聞き、俺は瞬時に剣を後ろへ振るった。


 すると、ガキイィン! という金属の打ち合う音が響く。



『へぇ……流石は巫女の力か……。それじゃ……!』


「……ッ!?」



 俺は驚いた。

 俺と剣を交えていたはずのビッグ・マザーが、一瞬の内に消えてしまったからだ。



「月夜―――」


「任せなさい!」



 しかし俺が動くより早く、ヘルが動いた。



「月夜、そこを動かないで!」


「う、分かった!」



「―――“絶凍牢獄アブソリュートプリズン”!」



 刹那。



『ふぅん……防がれちゃったか』



 月夜の周りを、ヘルの氷が囲み。

 そこへビッグ・マザーが剣を振るった。


 当然氷に阻まれてビッグ・マザーの剣は通らず、ビッグ・マザーは一旦その場を離れる。



『3人居ると厄介だね……これも、勇者と巫女の力なのか……な』



 ビッグ・マザーが何かを呟くと。

 持っていた剣を、そのまま落とした。



「え……?」


『いいよ、認めてあげる。今代の勇者と巫女は十分に強く、そしてその力で、見事ボクの試練を乗り越えたってことをね』



 その言葉で、俺たちの唐突に始まった戦いは、幕を閉じたのだった。

【お知らせ】

学校の開始に合わせて、一週間のお休みを検討していたのですが、このご時世、まだ確定情報が出ておらず曖昧な為、

お休みに合わせて投稿開始をしようとしていた新作の投稿予定も遅らせることと致します

しばらくは転生魔王に集中しますので、完結までどうぞお付き合いください!!!


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