case.C19 二人の侵入者
新作企画も含め、これからスケジュールが少し変動します
あとがきにてお知らせ
「何事だッ!」
「わ、分かりません! 住民から通報を受けた時からこの様子で!」
「チッ……仕方ない! アルファ部隊、ベータ部隊を動かす! 急ぎ市街地の方へ向かうのだ!」
「了解!」
隊長格の男が、部下の男に指示を出す。
それを受けて部下の男は一度城へと戻っていく。
「どうやら主力部隊が動くみたいですね」
「そうね……動くならもう少しあとかしら」
クサナギさんとアスモフィさんが二人でそんな会話をしていた。
ちなみに今は、城と大通りが見える建物―――いや、乗り物の影に隠れている。
蛇みたいなコースター型の乗り物だ。
って、そんな事はどうでもよくてだな。
「あの……」
「どうかしましたか?」
俺の呼びかけにクサナギさんが応える。
「もう一度確認したいんですけど、この国での俺たちの目標って何なんですか?」
そんな質問。目標が、イマイチ定まって無い気がしたんだ。
だから俺はそう聞いた。
するとそれに、再びクサナギさんが応える。
「目標……と言われると、この国を支配すること……としか言いようが無いような気がするんですが」
「そりゃそうですけど……俺が聞きたいのはそういう事じゃなくて……」
「―――明確なこの国での対象ってことね? この国を動かせそうな人物への接触をしないといけないものね」
「……あ、そうです! それです!」
アスモフィさんの言葉に、的確にハマった俺の考え。
俺はそれに同意し頷く。
アスモフィさんなら何か知っているかもしれないしな。
「そうねぇ……」
何でもいいのだ。
とにかく少しでも情報がほしいから。
「ごめん、分からない」
「あー、なるほど…………って」
(ん……? 今、何て、言った?)
「分からない……?」
「うん、この国については詳しく知らないわー」
「ま、マジですか!?」
「マジよマジ。大マジよ」
そんな……。
アスモフィさんが知らないとなると、もう打つ手が無い。
いきあたりばったりで攻めるしかなさそうだな……。
「んー……ごめんなさ―――」
俺の頭にはそんな考えが浮かび。
アスモフィさんが謝ろうとした、その時だった。
「緊急事態! 緊急事態!」
「侵入者発見! 侵入者発見!」
そんな声が、周辺に響いたのだ。
(バレたか……ッ!?)
「二人とも、静かに」
動揺し声が出そうになった俺は、クサナギさんの静止で何とかそれを抑え込んだ。
直後、響く足音。
先程までのあの轟音の足音も鳴り響いたままだが、それに重なるように無数の足音がダダダッ!と聞こえてくる。
それもかなり近くから。
俺は少しだけ乗り物の影から顔を出して、様子を伺うことにした。
(どうなっているんだ……?)
まず目に入ってきたのは、何人もの兵士が城の方へ行ったり、逆の方へ行ったりとあっちこっちに走っている姿だ。
そして次に、その騒乱に気づいて外に出てくる住民たち。
これは次第に数を増していき、夜になったというのにまるで昼間の賑やかさが出るくらいには人がいる。
「クソ……! アルファ部隊、ベータ部隊には引き続き謎の地鳴りの調査、及び監視をしろ!」
「了解!」
「仕方ない……城の警備は一旦捨てる! 警備に回っていたガンマ部隊、オメガ部隊は全力で城内に潜り込んだネズミを排除しろ!」
「了解しました!」
「そして我々イプシロン部隊はアルマス王の護衛をする!」
「了解です!」
「各自持ち場へ急げッ! 解散!」
隊長格の男による的確な指示によって、兵士たちは落ち着きを取り戻し、纏まって動くようになる。
(それにしても、アルファにベータ、ガンマにオメガときて、イプシロンまで来るのか。これ……もしかすると……)
俺は立ち上がろうとした。
俺の考えが正しければ、多分今が―――
「チャンスね……?」
「え……?」
俺の考えの続きを、ちょうどアスモフィさんが呟いた。
それに俺は驚いて振り向いてしまう。
「今が、多分城に攻めるなら最大のチャンスよね?」
「え。あ、はい。多分……?」
「それなら、早く動いた方がいいんじゃない?」
「俺が、ですか……?」
まさかこの人は、俺に一人で乗り込めと……。
……そう言うのだろうか。
「うん。多分だけど、これ、複数人で行くと余計に見つかるリスクが上がるパターンよ……?」
「それには私も同意です。多分、これはこの中で一番の速さを持つ白夜さんが一人で偵察に行くのが適任です」
「え、そんな、急に言われても!」
「大丈夫よ。多分だけど、一人の方が動きやすいから」
「そりゃそうでしょうけど……!」
「それに白夜さんは、かなり強いはずです。見つかったり、捕まったりした程度じゃなんてことないでしょう?」
「ええ……そりゃ、まあ……」
事実しか無いから反論出来ない。
どうして、こうなったんだ……。
「ほら、時間もないしね」
「そうですよ白夜さん!」
(くっそ〜……仕方ないか……?)
何だか二人に流される形になってしまったが……どうやらやるしかなさそうだ。
「分かりました、分かりましたよ」
「よし、そうと決まれば……!」
「早速ゴー! よ白夜!」
二人に背中を押される。
俺は一つだけ、ため息をつくと。
「それじゃあ、行ってきます。目標は、取りあえず王様っぽい人にしときますね?」
「それでいいわよ! さあ、進むのよ白夜!」
「あいあいさー、です」
まだ終わらない騒乱の中、一人城へと向かって走るのであった。
平日の更新はとりあえず現状のままで、
土曜日のみの更新は予約更新に変更します
まあまとめるとほぼいつも通りです
だらだら更新していきますのでどうぞよろしくです!
多分あと2ヶ月くらいで完結します




