case.C18 騒乱と闇夜のベール
予約更新ですお願いします
「―――はい、転移完了よ」
「今回もありがとうございます」
俺たちは早速《中央商帝国アルマス》へと転移を終え、周囲の様子を伺っていた。
「人の気配は、全然しないですね」
クサナギさんがそう呟く。
確かに、クサナギさんの言う通り大通りの道には人の気配はないし、灯りも少なくてなんだか不気味な雰囲気を醸し出している。
多分、まだ夜は始まったばかりなのだが、こうも静かになってしまう物なのだろうか。
「それで……これからどうするの? 一応、この国が一番広いから何かを探すんだとしたらかなり苦労すると思うけど……」
「そうですね……」
アスモフィさんがそう聞いてきたので、俺は考える。
再び推理をしよう。
この国が一番広いんだとしたら、闇雲に月夜や何かの手がかりを探すのは恐らく一番効率が悪い。
だから、一点に絞ってそこを探すしか無いだろう。
まず、可能性があるとしたら中央にそびえ立つ城だ。
あそこなら、アスモフィさんの話通りなら重要な機器が揃っているだろうし、王様やその他重鎮達もいるだろう。
「攻める」というのならここが一番考えやすい。
そして残る可能性してはあと一つ。
以前に、この国であった事件の中心地である“迷宮”だ。
あそこなら何かの手がかりがあるかもしれない。
……が、人はいなさそうだよな。
(さて……アイツはどっちへ行ったんだ……?)
「待ってください」
「ん……? どうした―――」
「シッ……」
突然、クサナギさんが俺の口を手で塞いできた。
(ど、どうしたんだいきなり!?)
「こっちです」
そう言ってクサナギさんは俺を引っ張って小さな路地へと入って行った。
アスモフィさんはそれについてくる形だ。
「なになに、どうしたの〜?」
「アスモフィさんも静かに。何か来ます」
(何かが来るって……?)
「え? 何かってな……に―――」
―――ガシャァァンッ!
「何、この音……」
まだ音は遠い。
それなのにこんなに大きな音が聞こえるのだ。
しかも、それも一度じゃない。
―――ガシャァァンッ!
―――ドガァァァンッ!
何度も、何度も地面を打ち付けるような轟音が鳴り、その度に地面は揺れていた。
(おいおい……何だよこの音は! まるで、まるで何かの巨大ロボットが町を歩いている時みたいな……そんな音は―――)
「音の正体が、分からないですね……」
「ええ、気配とかも感知出来ないわね……」
クサナギさんとアスモフィさんにも分からない音の正体。
一旦何なんだろうか。
音の正体は未だ分からないまま、ただ轟音と地鳴りだけが続いていた。
「でも……これって明らかに異常ですよね」
クサナギさんはそう言う。
するとアスモフィさんは頷いて、
「そうね。これは明らかに異常事態でしょう。だって、ほら―――」
アスモフィさんはそう言うと、反対側の建物の方を指差した。
するとそこには、武器を持った人が辺りをキョロキョロと見ていたのだ。
「あれは……」
「ええ、多分何事だと様子を見に来たんでしょうね。まあ、何が起きているかは分からないだろうけど」
そうこう言っている内に、周囲の様子を見に来た人が増えてきた。
次々と武器を片手に家の外へ出てくる住民たち。
俺はそんな様子を見ながら、クサナギさんによって塞がれていた手をどける。
「あの、一つ提案があるんですけど」
「え……あ、すいませんしばらく!」
俺が声を出すと、クサナギさんは俺の口を塞いでいた事を謝ってくる。
俺はそれに「大丈夫です」と微笑みながら答えると、言葉を続ける。
「攻めるなら、今じゃないですか?」
「……? それってどういう……」
「さっきもお二人が話してたように、多分今って緊急事態だと思うんですよ。それなら、夜で警備が厳重だと言っていた城周りも今なら多少は薄くなるはずです。それに、夜に攻めやすいって月夜が言ってたのは、多分城の事だと思うんですよね。それなら、やっぱり今の内に攻めるのが良い判断だと思うんですけど……どうですかね?」
俺は自分の考えを二人に話した。
すると二人は、
「私は賛成よ。確かに、白夜の言う通りだわ」
「そうですね。攻めるなら、確実に今でしょうね」
と俺の意見に賛成してくれた。
「それじゃあすぐに行動しましょう。城へ向かうなら、今です!」
「「了解!」」
と言うわけで俺たちは、この騒乱と闇夜のベールに乗じて城に乗り込む事になったのだ。
■
もう、何なのこれ!!
何でこんなに面倒くさいのこの国は!!
やっぱりこの国にくるとろくな事にならないよ!!もう!
―――マスター、冷静になってください。
冷静になれるわけないだろっ!!もうもう!!
―――落ち、着いてください。
……分かってるけど……もう……。
―――作戦をこのまま決行して下さい。目標は中央城アルマスです。
了解だよ。そこの遊園地運営機器を破壊して、誰か一人に洗脳をすればいいんでしょ?
―――イェス。その通りです。
……やるよやるやる! 私しか出来ないだろうし、何よりもお兄ちゃんたちの為だもんね!
―――頑張ってください。
……ぷー、どこか他人事みたいな言い方しよってー……。
ま、やるけどね!
(さーて……ちょっと面倒な警備だけど、どうやって突破しようかなー……??)
良くない天候でした
ブックマークお願いします!




