case.C17 運命の場所へ
変則的な日常になりつつありますね……
ちょくちょく予約更新も増えるかと思いますが、ぜひ読んでってください!
名前訂正あります。
ハクロウじゃなくてハクレイにしました
「は……?」
俺のその言葉に、ハクレイたちは目を点にしていた。
まあ、それもそのはずだろう。急に俺に「支配されろ」なんて言われたら…、そりゃな。
「……正確に言えば、俺たちというより、魔王の支配下に入ってほしいんです。俺たちがここに来た目的は、それなんで」
濁してもしょうがないから、単刀直入に伝えた。
すると五老たちは顎に手を当てて考える素振りを見せた。
「うーむ……なるほど」
「ええ……どうしますかね。ええ」
「フム。我らは折角5人居るんだ。だったら……」
「ああ、多数決でもいいと言うことですね?」
「賛成じゃ」
どうやら、話の流れ的に多数決で決めるみたいだ。
まあこれが一番丸く収まりそうな解決案ではあるか。
「せーの、ほい!」
そんな掛け声を合図に、賛成の人が○サインを。反対の人が☓サインを出していた。
そしてその数だが……
「それでは。詳しい話はまた後で聞くとして……ひとまずは“賛成”という事で相違はないな?」
4対1で、賛成派の勝利だった。
……予想ではもっと反対されると思っていたのが、まさかここまで賛成されると、逆に裏があるんじゃないかと疑ってしまうくらいだ。
「本当に、いいんですか……?」
「ええ。問題ありませんよ。それに、世界の危機と聞いていますからね。こんなところでゴタゴタして貴方方の邪魔をしたくはない」
「ハクレイさん……」
「それに、今の魔王に関しては……悪い噂は一つも聞いたことがないので。レヴィーナ様を従えている者として、聞く限りは信頼に足る人物と判断しました」
アルジャイル王の時も思ったけど、やっぱりこの世界の人たちはいろんな意味で出来すぎている。
人として完璧なくらいに、物分りがいい。
前に……アニキが言っていたような気がするな。
「この世界は都合がいい」って。
(本当に、都合がいいなんてな)
「それでは、話は一旦これでお終いということでよろしいですかね」
「そう……です―――あ、一つだけ聞きたいことがあるんですが……いいですか?」
俺は話が〆に入ろうとしていた時、とあることを思い出してハクレイさんたちに聞いた。
「妹の……月夜の次の目的地って何処か分かりますか? 何か、言ってなかったですかね……?」
いつもは何らかの情報があった。
だからスムーズに来れたんだが……今回は果たしてどうだろうか。
「巫女殿の……次の目的地、ですか……」
「ええ……そんな事言ってましたかね……?」
今回は流石に言ってなさそうか……?
それだと、自力で頑張るしかなさそうだな。
「ああ、そう言えば」
「……何か、あるんですか?」
何かを思い出した様子のハクレイさん。
電球のマークでも見えそうな感じの表情をしている。
「いや……具体的な場所までは聞いてはいないのですが。確か巫女殿……次は夜に攻めるべきだよね、と仰っておりましたな」
「夜に攻める……?」
どういう事だ?
夜だと人があんまり居なくて、情報操作とか洗脳とかが出来ないんじゃないか?
イマイチ月夜の行動や言動が読めないな。
「すいません、私たちが知ってるのはこれで限界ですね……」
「ああいえ、それだけでも十分です! 本当に何から何までありがとうございます!」
最大限の感謝の気持ちを表すために俺は深く礼をした。
「いえいえ。それでは詳しい話はまた後日という事で、大丈夫でしょうか?」
「あ、はい! 多分その時はアニキ……じゃなくて魔王が来ると思うのでよろしくお願いします!」
「……了解致しました」
「それじゃあ俺たちはこれで。また何かあったら連絡下さい!」
その言葉を残して、俺たちはその場を離れていく。
振り返ると、もうそこには五老の人たちは居なくなっていた。
■
「で? これからどうするの〜?」
国を出て、少し開けた場所に出るとアスモフィさんがそう聞いてきた。
「ヒントは一つだけですよね……」
「あ、はい。“夜に攻める”……このキーワードだけですね」
「じゃあ今回はそこから推理しないと駄目なのね」
「そう、なりますね」
夜に攻める、か。
夜に攻める事に利点がある国……ってどこなんだろうか。
例えば警備が厳重な場所?
それとも夜に人々の活動が盛んになる場所?
夜“に”と言っている時点で、それは別に昼でもできるという事だ。
しかしそこを敢えて夜にする事で、攻めやすくしているとなれば。
やはり、警備が厳重だったりする場所の可能性が高いな。
「残っている国ってあとはどこなんだっけ〜?」
アスモフィさんはそう聞いてくる。
残っている国、か。
残っている国は……《魔道王国サルナラ》と《中央商帝国アルマス》、あとは《死国ディブリビアゼ》だったな。
「サルナラにアルマスにディブリビアゼ、ですね」
クサナギさんがアスモフィさんに答えた。
「それじゃ〜……ディブリビアゼは無いわね」
「……どうしてですか?」
アスモフィさんのその言葉に、俺は疑問を浮かべる。
どうしてディブリビアゼがその選択肢から排除されるのだろうか。
「だって、あの国は夜に活動が活発になる国なんだから」
「あ、そうなんですか……なるほど、それで」
確かにそれじゃあ場所は二択に絞られる訳だ。
「でも、問題はそれでも二択って事なんですよね」
「そうねぇ……って、いや、それ違うわよ」
「え?」
アスモフィさんの言葉に、俺は再び疑問を浮かべる。
「何が違うんですか?」
「夜に攻めるって言ってたんなら場所は多分《中央商帝国アルマス》よ」
「どうして、分かるんですか……?」
「そりゃ、あの国って城周りだけ異様に警備が固いからよ! 普通に楽しい巨大な遊園地としても機能している分、大事な情報や制御装置がある城周辺の警備は厳重なのよ」
……そういうことか。
つまり、俺の予想もあながち間違っては無かったのか。
「なるほど。そこを攻めやすくするには、夜に身を隠すという事ですね」
「その通りよクサナギちゃん」
「ちゃ……!?」
クサナギさんがぽかんと口を開けてしまう。
まさか「ちゃん」付けで呼ばれるとは思っていなかったのだろうな。
「それじゃあ早速行くわよ! 善は急げってね!!」
「了解です!」
かくして。
俺たちは、なんの疑いも無く転移を開始した。
さあ、次の目的地は《中央商帝国アルマス》……俺と月夜が最後に会った、運命の場所だ。
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