case.C13 兄妹
伏線張るの難しくて張れなかったっす
久々の登場
「ここからは、儂の仕事じゃ。後は任せて、お前たちは次に向かいなさい」
「はい! ありがとうございました!」
俺とアルジャイル王は固い握手を交わした。
決闘の後、アルジャイル王は戦いを見ていた観客達に囲まれてしまい、そのまま流れるように選挙の必要も無く国王へと返り咲く事が決まったのだ。
これで本来の目的は達成。
俺たちの姿も、国民たちに見せつけられたし、あとはアルジャイル王がこの国の現状をどうにかしてくれるみたいだから、任せようと言う訳だ。
「それで、少年たちは次に何処に向かうかは決めておるのか?」
「あ……いや。実はまだ決めてなくて」
「ほう。ちなみに聞くが、あとは何処が行くべき場所なのだ?」
「行くべき場所は……」
現在、《戦帝国フラウ》・《護王国シュデン》・《聖皇国ラーゼ》……そして今回ので《無法都市ムウラ》も終わったから、計4つの国が全ての準備を整え終わったはずだ。
だから、逆に残っている国は……《森ノ大国》・《中央商帝国アルマス》・《死国ディブリビアゼ》・《魔道王国サルナラ》の4つになるわけだな。
……こうやって言ってみると、これでようやく半分なのか。
ともかく俺は、その事実をアルジャイル王へと伝えた。
すると。
「ほほ。それなら朗報じゃ」
「朗報?」
「ああ。儂も、一つだけ思い出したことがあってな」
「それは一体……」
「それは、次の彼女の向かい先じゃよ」
アルジャイル王のその言葉に、俺の頭は一瞬だけ思考するが、それはすぐに答えに辿り着いた。
彼女の向かい先って……もしかして。
「月夜の、事ですか?」
「……その通りじゃ」
(来たな……次のスーパー月夜タイムが。次は一体どの国を堕としに行ったんだ?)
「彼女は、「次は森ノ大国かな、行くなら」……と言っていたな。真偽の程は分からんが」
「森ノ大国、ですか……」
森ノ大国は、前にも説明したように、小さな集落がいくつも集まって、大きな国として成り立っているイレギュラーな国なのだが……。
そこを月夜が訪れたとなると、どうなってしまうのだろうか。
「白夜さん。それじゃあ次は、森ノ大国に?」
後ろから話を聞いていたクサナギさんが、俺にそう問う。
俺はそれに頷きながら、
「そうですね……この感じだと、また月夜は何かしらしてそうですから。森ノ大国に向かうのが妥当な判断だと思いますね」
「そうね、お姉ちゃんもそれに賛成よ!」
じゃあ決まりだな。
次に向かうのは、《森ノ大国》だ!
「ほほ。どうやら決まったようじゃな」
「はい! わざわざ情報をありがとうございます!」
「いやいや、こちらこそ。ここまで儂を返り咲かせてくれて、本当に感謝しかないぞ」
俺とアルジャイル王は互いに礼をして、そのまま再び握手を交わした。
「さ、そろそろ次に行きましょ?」
「あ、はい! 分かりました!」
アスモフィさんがそう言って転移の準備を開始する。
「それじゃあアルジャイル王。またすぐ会うことになると思いますけど……」
「ああ、その時までには諸々の手配を終わらせておこうかな」
「ありがとうございます! それではまた!」
「ああ、頑張るんじゃぞ」
アルジャイル王に見送られて、俺たちは転移を始めた。
「それじゃあ次は、《森ノ大国》に向かうわよ〜っ!★」
アスモフィさんの、そんな陽気な言葉で。
俺たちの視界は光に包まれた。
■
「―――次は、《森ノ大国》に行かないとっ!」
彼女は、転移魔法を使えない。
だから、近場の国から攻めていた。
「もう! 遠いんだけど!」
文句を言いながら、それでも休み休み、誤魔化し誤魔化しで進む。
気づけば彼女の足は、既に《森ノ大国》に差し掛かっていた。
「やっと着いたよ……はぁ、疲れた」
流石にただの人間には辛いもので、彼女はそれが分かるとその場に座り込んでしまう。
「あーあ、どうしてこうなっちゃったんだろ」
彼女は、全ての運命が変わったあの日の事を思いだして、そう呟いた。
それは、最近の彼女の口癖だった。
あの日。
兄の白夜とその彼女(仮)のラグマリアの動向を監視するべく《中央商帝国アルマス》に赴いたあの日から。
彼女の全ては変わったのだ。
『ここから先へは行ってはなりません。貴女は、この世界を揺るがす存在になのですから』
そんな声が聞こえてきて。
気づけば彼女は、その声に従い動くようになった。
あの神秘的な森を抜け出し、一足早く地上へと帰還した彼女は、その声に従うがまま色んな国を駆け巡った。
その声はまるで予言の力を持っていて。
行く先々で私の力は発揮された。
溢れ出る兄への愛を、拾ってくれたお兄ちゃんへの信頼を。
彼女を構成する全ての要素を語り尽くし、誘い込む。
そうやって、4つの国の“洗脳”が終わった。
「頑張らないと。ね」
『イェス、マスター。共に参りましょう』
彼女がそう呟くと、『彼女』はそう応えた。
未だ『彼女』の正体はわからない。
でも、その正体の想像はつくし、今までの行動から失敗は無い。だから、信頼が出来つつあったのだ。
(これは、私にしか出来ない仕事。『巫女』である、私だけの仕事)
「さて、と。それじゃあ行きますか!」
『目的地は、森ノ大国。長老ハクレイの住処です』
カーナビみたいに淡々とそう告げる『彼女』に従って、私は今日も進む。
申し訳ないです。明日の更新と木曜日の更新分は、試験的ですが予約更新を試してみます
他はまだ変わりないので、ぜひこれからも読んでってくだせぇ!
あと100話以内には完結させるぞ!
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