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case.C8 隠していた刃



「ふぅん、なるほどね」


「それでは、結局月夜さんはもうこの国には居ないと言う事ですか……」



 俺はあの後、アスモフィさんとクサナギさん、そしてガネリアを呼んできてアルジャイル王に紹介した。

 それと同時に月夜の話も皆にしておいた。



「それで? これからどうするの?」



 アスモフィさんはそう聞いてくる。

 月夜がこの国で俺に何かをしてほしいのは分かるのだが、その何をすればいいのかが俺には皆目検討もつかないのだ。



「うーん……実は俺にも何をすればいいのかさっぱりで。月夜の狙いが全然分からないんですよね」


「すまんの……儂もしばらくこの辺りから動いとらんから、今のこの国の現状は分からなんだ」



 アルジャイル王も申し訳なさそうにそう言う。

 すると、アスモフィさんたちがこう言ったのだ。



「まあ、少しくらいヒントになりそうな話なら聞いてきたけどね」


「あ、それなら私の方でも」


「ふーん。一応私もあるわよ」



 ヒントになりそうな事、か。

 一応聞いてみて、何か閃けばいいんだけど。



「私が聞いた話はね、『この国には法律が無いからこんな有り様になるのよっ!』 って感じに怒ってる人が結構いたわね」



 法律……か。

 なるほど。



「こっちでは、結構戦いに飢えている人が多かったですね。殺しはしたくないけど、戦いはしたい……と言った感じの人がかなりいました」



 戦いに飢えている、か。

 ふむふむ……?



「私のところはコロシアムつくれよーって言われたわ。コロシアムですって。娯楽が足りないのかしらね」



 三人全員が話し終わった。

 さて、ここからは俺が考える番だ。



 まず法律……これはポッと出の俺なんかがどうこうできる問題では無いはずだ。

 じゃあどうするか。


 やはりここはこのアルジャイル王に、再び王座についてもらう他無いだろう。

 そうすれば法律はいくらでも作り放題だ。


 ではそこで生まれる次の問題点。

 どうすればアルジャイル王を王座に戻せるだろうか。



 一応、この国には城らしき城があるにはある。

 しかし、その城があるエリアには見たところ人がいるようには見えず、どうにもその周辺地域には明らかに住んでいる人が少なく感じさせられる。


 だから、奪還するのは容易いだろう。

 しかしそれだけじゃ国民の気持ちは動かないはずだ。



 国民の気持ちを動かす……か。

 どうやって、動かす?



 いや……その方法はもう思いついていた。

 話を聞く限りだと、この国の住民は法律を欲しがる『秩序勢』と、戦いを求める『混沌勢』、あとはよく分からない月夜の洗脳した人勢がいる事が分かる。


 法律はさっきも考えた通りアルジャイル王に何とかしてもらうのが一番だろうから、あとは『混沌勢』の飢えを満たす“戦い”をすればいいのだ。


 ただ、コロシアムを作ると一口に言ってもそう簡単に作れるわけではない。

 それなら、少し広い場所で強者同士の戦いを見せればいい。

 プロレスやボクシングの試合のように。



 そしてその後にコロシアムの建築開始をお知らせしてやろう。

 これで戦闘欲が満たされなければ、あとはもう俺にはどうする事も出来ない。


 こんな作戦しか思いつかない弱い頭が嫌になるな。

 月夜みたいに頭が回ればいいんだけど……。



 ひとまずこれで作戦は決まった。

 さあ、皆に話してみるとしよう!







「うむ……良き作戦だ。儂に異論はないぞ」


「ええ、そうね。今すぐ出来る、最大限の作戦なんじゃない?」


「はい。いい考えだと思います」


 

 ガネリア以外はちゃんと話を聞いてくれて、俺の作戦に同意してくれた。



「しかし、強者同士の戦い……とは誰と誰が戦うのじゃ?」



 アルジャイル王にそう言われて、俺はそれを考えて居なかったことに気づく。



「まあ適当に、クサナギくんと白夜でいいんじゃない?」


「私は構わないですけど……」



 クサナギさんは何やら嫌そうな顔でそう言った。



「何か不都合でも?」


「いえ、ここはやはり……戦えるならアルジャイル王が戦った方がいいと思うんですよね」


「アルジャイル王が?」



 俺はそう疑問を浮かべた。

 当然名指しされたアルジャイル王本人も驚いている様子だった。



「アルジャイル王が久々に顔を出して、しかも強者として皆の前で戦っている……そんな構図は、とてもここの国民の心を動かすのではないですか?」



 クサナギさんにそう言われて、俺はそんな状況を想像してみた。

 すると、確かにそれはかなり熱い展開だと言うことが分かる。


 というか、そんなのアルジャイル王に惚れない訳ないくらいにはかっこいい展開じゃないか?

 主人公だもんな、こういう事するのは。



「いいじゃない、それ。でも、王様は戦えるの?」


「私の見立てが正しければ、恐らく貴方は……」



 クサナギさんが目を細めるようにアルジャイル王を見て。

 それを受けたアルジャイル王は、ゆっくりとその場から立ち上がった。



「やはり。分かる者には分かるのだな」



 支えとして持っていた杖を逆手に持ち、その正体を見せるように、杖は刃を見せていった。

 仕込み杖……というやつだな。


 という事はまさか―――





「ああ、そこの鬼人の言うとおりだよ。儂は、自慢ではないが……今でも強者を名乗れるくらいには、戦えるつもりじゃよ」

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