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case.A1 兄妹の居場所

シリーズ毎にアルファベットで分けてます



★太陽神アポロン&月光神アルテミス捜索メンバー

(魔王ルミナス、ルイン、死神王アルカナ、サタール、ベルゼリオ、マノン)




◆ ◇ ◆




「それで? 大将、俺らはどうするんでい?」



 サタールはそう聞いてきた。

 その問いに、俺はこう返す。



「すまん。まだよく分かってないから、ちょっとだけ待っててくれ」



 正確な居場所まではハーデスに聞いていないからな。

 俺に聞かれたところで答えることは出来ん。




 と言うわけだから、教えてくれ。




▶……フン。自分で考えることくらい出来んのか魔王は。



 分かる訳無いだろう?

 お前がそいつらの居場所を知ってるって言うから今回のこの作戦を立てたんだぞ?



▶チッ……仕方無いな。逆らったら何をされるか分かったもんじゃ無いだろうし、今回ばかりは素直に教えてやろう。



 強制命令する手間が省けて助かるよ。

 それで? その太陽神アポロンと月光神アルテミスってのは一体何処に居るんだ?



▶貴様の記憶……少しだけ覗かせてもらったが、貴様、やはりこの世界の者では無かったか。



 どうして突然、そんな事を言うんだ。

 確かにその通りだが、別に関係ないだろ。



▶フン。そうだな。



 何なんだお前は……。

 それで? どうなんだ。



▶魔道王国サルナラ……どうやら貴様は行ったことがないらしい。件の二神は、そこに居る。



 魔道……王国。

 俺がこの世界で、唯一行ったことがない場所だ。



▶フン、魔王ともあろう者が魔道の国に行ったことが無いなんてな。



 うるせぇ。事件続きでまったり観光している暇も無いんだよ。

 こちとらゆっくりしたくても出来ないんじゃ。



▶クハハハハッ! 面白いなッ!



▶それも魔王に与えられた試練……運命とでも言ったほうがいいのかもしれないな。




 そんな試練は望んじゃいないがな。


 まあいい。本当に魔道王国ってところにその神様は居るんだな?



▶ああ。それから移動をしていなければな。だが、我の予想が当たっていれば、恐らくあの二人は―――




「よし。目的地が決まった」



 ハーデスが何か言いかけているが、ひとまず向かおう。

 俺の内にいる奴らとは移動中にでも会話はできるしな。



「我が主よ。それで我々は一体どちらへ向かうのですか?」


「おう! オレは何処でも構わねェぜ!」



 拳をパチンと鳴らして気合を見せるマノン。

 確か、マノンは魔道王国の出身だって言ってたような気がする。


 それなら久々の里帰りになるのかな。



「俺たちが今から向かう場所は、《魔道王国サルナラ》だ」



「―――ッ!」



 俺がそう言った瞬間、マノンの体が震えた。



「サルナラ……かよ」


「……どうした?」


「い、いや……オレは…………別に」



 ……その反応。

 確実に何かがある。


 もう、俺は慣れすぎてしまったせいか、どんなに些細な挙動でも、大体の事情が分かるようになってしまった。


 きっと、今回はマノンにまつわる何かが起きるはずだ。



 まあ、何事も起きないのが一番最善なのだが、起きたら起きたで解決してやればいいだけの話だしな。



「主様! それじゃあ早速向かいましょうよ!」


「ああ、皆の準備が出来ていれば、早速向かおうと思うのだが」



 俺は全員に質問しながらそう言った。



『私は別に準備なんて無いわよ』


「私も問題ありません」


「俺っちも大丈夫だァ」


「もちろん私も、大丈夫です!」



 アルカナもベルゼリオも、サタールもルインも特に問題は無いようだ。


 当然、俺も問題は無い。



 残るは―――



「……オレは





   ―――行きたくねぇ」




■ □ ■




『お兄ちゃん……お兄ちゃん!』



『……アルテミス、起きたのか』



『うん!』



『……ごめんな、兄ちゃんのせいで』



『ううん……そんなの、気にしないで……』



『気にしない訳無いだろ……! クソ……せめて建物の中に居れたら……』



『しょうがないよ……喧嘩しているのを装う為に、あれだけド派手に暴れちゃったんだもん』



『……俺が、もっと上手くやれてたら……。本当に、ごめんな』



『ううん、いいの。私たちの目的を達成する為には、仕方のないことだよ』



『ああ。そうだな……俺たちの……目的の為、だもんな』



『うん。私たちは、何としても魔王と手を組まないと、でしょ?』



『ああ、そうだな。だから俺たちはその為に―――』




『『あの偽ルシファーをおびき出さないと』』




『だよね?』



『フッ……ああ。その通りだ』




 薄暗い洞窟の中、天井から水の滴る凍えた洞窟の中で二人は、暖を取りながら休んでいた。


 そして二人は、互いの目標を確かめあい、そして拳を合わせる。



 己の目標を達成する、その気合いを入れる為に。

ブックマークよろしくぅ!

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