表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
230/369

case.57 静かな殺意

ようやく次回から新章




▶ぬ……ぅ……。ナゼ、我がこのような……!



▶クハハハハッ! まさか我もこうなるとはな! 人生……いや、神生何があるか分かったモノじゃないな! クハハハハ!



▶わ、笑い事では無い……ッ! クソ……これじゃあアダム様に合わせる顔が……



▶フン、騒がしい奴らが来たものだ。まあ、これからよろしく頼むぞ!



▶ハヌマーン、か。



▶クハハハハッ! やはり気配がしたと思えば……こんな所にいよったか! 面白いッ!

面白いぞ魔王ッ!




―――ンぁ、また騒がしくなっちまったなァ……。

ガチでうるせェや。



―――ねれ、ない……。



―――それにしてもまさかベリアルがねェ……。一体どこまで集めれば気が済むんでぃ。



―――みんな、うる……さい、よ。



▶クハハハハッ! すまないすまない!



▶チッ……なぜ我が……ナゼ……何故……。



▶それが煩いのだ、ハーデス。



―――いい加減、だま……って。




『―――ハハン、私にも聞こえてるわよ。これ、結構騒がしいわねぇ?』



「……くぅ……」



 俺の肩に、ちょこんと乗るアルカナはそう言った。

 それに否定することができず、俺は頭を抱えた。




 俺は先程、ハーデスをスキルで『支配』してやった。

 そしてその直後、アルカナたちによって治療されたヤマトたちが起きてきて、ひと悶着あったのだが―――




―――魔王が見てるのなら……致し方ない、か。




 と、やむなしと言った様子で許してくれたのだ。

 もちろん、それだけで許せる程ヤマトは心が広い竜では無い。


 ハーデスには、《電子大国ドライガル》を解体してもらい、再び《龍の隠れ里》を作り直してもらったのだ。



 ハーデスは生死を操る神。

 だから、一度自分が殺した竜人たちを蘇らせ、そこに住まわせた。

 もちろん、全てが元に戻ったわけじゃないが、ヤマトはそれで満足し、「さらばじゃ」と普通に帰っていってしまった。


 アマクサとイクサも同様だ。

 少し怯えた様子で、「我々はシュデンの国内整理をしてくる。また後日、移住民については相談させていただこう」と、そそくさと帰っていってしまった。



 そして問題のコレだが―――




『ま、いいんじゃない?』



 よくない。

 断じて良くない。


 それも説明しようと思う。



 聞いてもらったら分かると思うのだが、現在、俺の中にはハーデス・インドラ・ハヌマーンの《十二神将》組が、システムスキル『Scarlet』に組み込まれている。

 全てを、俺に委ねたのだ。


 さらに、シンプルに憑依している《七つの大罪》組、サタンとベリアル。


 それに加えて、何故か俺の肩を住処としてしまった災厄の死神アルカナ。



 騒がしくならない訳が無いだろう。




「はぁ……これから騒がしくなるな」


「まあまあ兄貴。俺も似たような状況なんで分かりますけど……。気にしたら負けですよ、これ」


「……? そう、だな」



 ポンポンと空いている肩を叩かれて、何だか非常に微妙な空気になる俺と白夜。



「主様!」


「魔王様!」


「魔王!」



 とそこに、ルイン・アスモフィ・ミカエラの3人の美少女が現れた。



「お前たち。もう、話はいいのか?」



 何やら戦いのあと、3人は固まってひっそりと話していたのだが、こちらへ来たと言うことは、もう終わったということなのだろうか。



「はい、一応抜け駆けは無しという方向で固まりました」


「え? あ、そ、そうか」



 抜け駆け……か。

 俺もそろそろ、そういうのも考えないとなのか?


 でも、元の世界に帰る手段を知ってそうなのは双神で……

 双神と渡り合うには、色んな勢力の力を集結させないといけなくて。



 ……でももう、今更か。

 例え、帰る手段があったとしても、俺は―――





―――「……ッ」





「我が主!」


「おっす大将」


「やーほー」



 と、今度は入れ替わりでベルゼリオ・サタール・ルヴェルフェがやって来た。


 ちなみにこいつらも、何だか積もる話があったみたいで、戦いのあと、マノンやクサナギ、スレイドも交えながら話をしていた。



「あれ、一緒にいた3人は?」


「ああ、マノンに追いかけ回されてるぜ。ほれ」



 と、サタールは指をさす。



 ちなみに……今俺たちがいる場所は、ヤマトが住んでいた隠れ小屋だ。


 その、周りの広い草原を、確かにマノンたちは駆け回っていた。

 元気があって、大変宜しい。



「よっと……連絡入れてきたわよ」



 すると、スタッと静かに現れたのはレヴィーナだった。



「連絡?」


「そ。一応、今から大勢で帰還するわよって、魔王城にね」


「ああ、そういう――――――って、帰っちゃっていいのか?」



 俺は忘れてないぞ。

 確か、この後は月夜を捜索するはずだったような―――



「いいのよ。それについて、何やらミカエラ様から話があるみたいだから」


「月夜について……か。なるほど、分かった」



 久方ぶりの帰還だな。

 まさかこんなに早く戻ることになるとは思わなかったし、その過程がこんなに壮大になるとも思っていなかったが。





―――「……今、なら」





 まあ、いいか。

 また情報整理―――“魔王会議”でも開けばいいんだしな。


 せっかくの機会だ。

 全員が一同に会するなら、俺もちゃんと謝ろうと思う。




「それで? もう帰ろうと思えば帰れるけど」


「あー、そうだな」




―――あれ、サタンが……いな、い……?




 ……ん?

 どうした、ベリアル。




―――何か、おかしい……の。サタンが……居なく……なっ、た。




 は?

 サタンならさっき俺の中に―――




―――ううん。そのあと……急に静かになって……こっそり……抜け出たのかも……?




 こっそり、抜け出た?

 そんな事、出来るわけが―――




―――それも、違う。今のサタンは、僕の力も、使える……から。もしかしたら……




 ―――“虚空”……か?

 まさか、アイツ……その力で逃げ出して……?





―――「今しか、無ェよな」





 刹那。声がした気がして、俺は背後を振り返った。

 しかし、そこには誰も居なかった。



 一体、サタンのやつ……何処に行ったって言うんだ……。

 また、厄介事が増えるのは、勘弁してくれよ……?




「帰るなら、早く帰りましょ」


「そう……だな」



 若干の不安と、そして久々の帰還による期待と緊張が混ざりあった、そんな複雑な心境のまま、俺たちは魔王城へと帰り始めたのだった。

ブックマークお願いします〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ